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WEEKLY “N”|T医師のひとりごと|すずかの気ままにDO!
 
第25回●2005年2月

「貧血について」


  2月も今日が最後となりました。今月は、雪が積もったと思うと暖かい日があったり、そうかと思うとまた寒くなったりと気候の不安定な月でした。1月は比較的暖かかったので、「今年はあまりインフルエンザは流行しないのかな」と思ったりしていましたが、中旬頃からインフルエンザの患者様が増えてきました。

 
 A型、B型の両方が流行し、子どもから両親へそして祖父母へと家族全体でかかった方もみられました。予防接種をしていた方もかかってしまいましたが、されていない方よりは症状は軽かったように思います。
感染性胃腸炎による、嘔吐・下痢はだんだん少なくなっていますが、まだ時々みられます。感染症情報から目が離せない日々です。スギ花粉による鼻炎や結膜炎の方もみられるようになりました。

 すずめ福祉会は、17年度の活動計画や予算などを話し合いました。薫製品の販売や設立30周年記念行事、施設建設といくつもの課題に取り組んでいく予定です。我が家では、長女が養護学校卒業です(3月1日)。長いようであっという間の12年間でした。次女も高校受験のための勉強中です。2人とも明るい春が迎えられれば良いのですが。
 
 今月は、一般の外来でもよくみられる鉄欠乏性貧血について書いてみます。
貧血とは、血液中の酸素を運ぶ役割をしている赤血球中のヘモグロビンや赤血球自身が減少した状態です。貧血は、出血や鉄、ビタミンなどの不足、血液を作る骨髄の働きが低下すること、何らかの理由で赤血球が早く破壊されてしまうこと、また腎臓病など他の病気が原因となるものなど様々な原因で起こります。
 
  鉄欠乏性貧血は、貧血の中でもよくみられるものの一つで、ヘモグロビンを作るために必要な鉄の不足が原因となっているものです。この鉄欠乏性貧血の原因として重要なものに、胃潰瘍や痔などの消化管出血、女性の場合は子宮筋腫や子宮内膜症による月経過多などもあります。ただし、女性は月経により出血していますので、それだけでも貧血になりやすい状態です。また、成長期や妊娠時などは、鉄の需要が増加しますので、この時期も貧血になりやすいと考えられます。

 症状は、顔色が悪かったり、動悸や息切れがあったり、疲れやすかったりします。また爪がスプーン状に変形したり、異食症といって生米などをかじったり、氷を多量に食べたりという食習慣の異常がみられる場合もあります。
 
  検査は、血液検査で赤血球の数やヘモグロビン値、鉄などを測定します。また、赤血球の形を顕微鏡で検査したりします。治療は、貧血の原因を治すことが一番ですが、足りない鉄の補給も行います。鉄の薬には、錠剤やシロップ、細粒、注射液があります。通常は、飲み薬を使いますが、吐き気や嘔吐、食欲不振などの副作用がみられることがあり、このような場合は注射薬を使用します。また、出血が多く早く治す必要がある場合なども注射薬で治療します。お茶の中のタンニン酸が鉄の吸収を妨げるとされていますが、大量に飲まなければあまり影響ないようです。
 
  実際に鉄欠乏性貧血になった場合は、鉄剤による治療が現実的ですが、予防のためには、大豆・レバー、ほうれん草、もずくなどが鉄分が多い食品をとるのも良いようです。貧血は、様々な原因で起こり、治療もそれぞれに異なりますので、詳しいことは医療機関でご相談下さい。


 
 

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