第774回 「初 ブルーノート東京」

11月18日

先日、東京にLABプロファイルのセミナーのアシスタントとして勉強に行きました。数か月前に偶然、そのセミナーの前夜に稲垣潤一のライブがあることを雑誌で知り、チケットに応募したら当選したのです。「これは行くしかない!」と思いました。

会場は「ブルーノート東京」、ニューヨークの”Blue note”を本店に持つジャズ・クラブです。もちろん、そんな場所は初体験。

いかにもジャズ・クラブらしい洒落た店構えが夜に映えます。黒く重い扉を開いて、人々が中へ吸い込まれていきます。大人の雰囲気ですが、さすがにこの年になるとあまり気圧されずにすんなり溶け込めます。年を取るのも悪くないなと思える瞬間です。

中に入ってビックリ。いきなり下り階段ですが、その上にはジャズの巨匠の白黒写真が一杯飾られています。下りていくと広いロビーがあり、沢山の人が開場を待っていました。クラークにコートを預け、順番を待ちます。

列に並んで、もう1階地下へ下ります。地下2階には、独特の空間が開けていました。

千人規模のコンサートホールに比べ、ステージがすぐ近くに見え、臨場感があります。定員は300人だそうですが、満席でした。圧倒的に女性客が多いのは予想通り。(笑)

最低1ドリンクは注文しなければならないので、飲み物や食事が運ばれています。夜9時からの開演で、開場は8時20分でしたが、待ち時間が長かったので着席できたのは15分前でした。お腹がすいてたのですが、今からだとメインの食事が出せるのは開演時間を過ぎると言われてNG。ドリンクと前菜にしました。

テーブルには、レコード型のコースターがあり、番号が書かれています。
注文確認にも使うので、「オシャレ~♪」と早々にバッグにしまってはいけません。(失敗談)

私はお酒が飲めないので、リンゴと梨とオレンジの洒落た名前(忘れました)のドリンクを頼みました。1000円くらいだったかな?料理も一流だけあって、美味しかったです。

和牛のカルパッチョ 7種の野菜 和ソース。(2800円)
運ばれて来たのが開演後だったため、ちょっと食べるのに気を使いました。

稲垣潤一は20代前半の頃、特によく聴いていました。
「人生で最後の1曲に何を聴きたいか」と訊かれたら迷わずに「ドラマティック・レイン!」を選ぶほど大好きです。

稲垣さんの衣装は落ち着いたグレーのスーツ。すぐ近くで見られるのはやはり嬉しいものです。昨年から、昔のアルバムを当時のままに再現するライブをやっているようで、今年は「Personally」「NO STRINGS」「REARISTIC」のデビューから4~6枚目のアルバム限定で、11曲ほどのマイナーな曲ばかりでした。

・レイニーロンリネス
・もう一度熱く
・振り向いた時そこに見える階段を数えたことがあるだろうか

特に胸が熱くなったのが、この3曲です。当時のアルバムの音のままっていうのが本当に良くて、その頃の思い出がゴーーッ!と溢れかえるようなタイムトラベルでした。あっという間の1時間20分が過ぎました。

現実に戻って…。(笑)
食事のお勘定は、終了後にコースターの番号で精算されます。当然、長い列ができたのですが、そこは大人の社交場。席でお酒やおしゃべりを楽しみつつ座っている人が多かったのが印象的でした。

チケットが8千円、食事代を入れると1万2千円くらいだったでしょうか。交通費やホテル代を考えると、仕事がなければ絶対に行けなかったと思います。(笑)ブルーノート東京でこういうライブを楽しめたことは、めったにない良い経験になりました。

第773回 「三方良好庵(さんぽうりょうこうあん)」

11月11日              中村 覚

以前、新聞に京都のお寺でカフェ感覚?で「ネスカフェ」ならぬ「デスカフェ」という集まりがあり、若者が「死」について自由に意見を言い合う、そんな記事がありました。ついつい暗い雰囲気をイメージしてしまいがちですが、「死」の捉え方も十人十色、自由闊達に楽しい雰囲気らしいのです。ネーミングも秀逸でたしかに面白そうだと思いました。

そもそもお寺と聞くとイメージが少し堅苦しくなりますが、今回は「お寺なのにランチが食べられる所がある」と知り、行ってきました。それが香美市香北町にある大元寺(おおもとじ)の住職のご夫妻がなさっている「三方良好庵」です。

国道195号線沿いにあるアンパンマンミュージアムを通り抜け、物部村方面に3分程走ると、左手に橋があります。その橋(新在所橋)を渡り右折。その後、道なりに進んでいると このような看板があります。

この看板の矢印に従い、左折して小道に入ります。

道幅の狭い山道になりますが、不動明王の赤い旗が所々に立っていますので、

それらを目印に進んでいくと

3分ほどで遠くに「大元寺」の文字が見えてきます。

三方良好庵の開店は12時。10数名の座席は満席。お客さん みんなが揃ったところで、まずは前菜が配られました。

色々な野菜が入っていて冷たく口当たりも良かったです。そして何より「みんなが食卓についてから、頂きます!」といった大家族のような雰囲気は、他では味わえません。

そして ど~んと 運ばれてきたのがこちら。

ナイラゲの刺身に、かぼちゃとたいもの煮物、茶碗蒸し、ナスの揚げ物、漬物、ひじきとレンコンの煮物、ナイラゲときゅうりの酢合え、ホウレンソウ、鳥肉~

とにかく天然の素材を生かした多種多様な品々。

お膳が運ばれてきた時に、内容の説明をお客さん全体に向けてしてくれたのですが、私のメモ書きが追い付かず。

メモできた範囲内では、揚げナスには田楽味噌と柚子味噌。ホウレンソウと一緒にまいたけ、レンコン、お豆。 ハーブで焼いた鳥。そしてナイラゲの刺身はフリーズドライの何か(忘れてしまったのですが)と一緒に食べると、すごくおいしかったです。

ご飯は地元の新米です。味噌汁は柚子も香り、レモンが入っていました。

ご飯のおかわりは自由で、なんと2杯目からは「むかごご飯」です。貴重です。たくさん入れてくれました。(嬉)

食後はブドウと梨で一息。

その後に、ケーキとコーヒーです。 コーヒーをレギュラーサイズに変更するとプラス100円。(写真はレギュラーサイズ。)お腹いっぱいになりました。これら全部で1590円。(レギュラーサイズにしなければ1490円)

いかがだったでしょうか、 お寺だから、「料理に肉は出てこないのでは?」などの思い込みはありませんでしたか。(笑) お客さんも皆さん楽しく談笑して、外国人の方もいらっしゃり「Do you like~」と英語も聞こえて宗派も問いません。(笑)

感じの良い住職ご夫妻が配膳のたびに気さくにお話し下さり、とってもアットホームな雰囲気でした。また来たいのですが予約は2日前までにとのことで、たいへんな人気ですから おいそれとは来られないかも。(笑)

最後に 座席の横にあったカレンダーです、こちらをどうぞ。

第769回 「さようなら、ウトコ…逆転、存続!」

「さようなら、ウトコ 後編」として昨日14日に投稿したのですが、一転本日15日、高知新聞に「室戸【ウトコ】存続決定」の記事が!なんてドラマティックな展開なんでしょう!この情報は最後に詳しくお伝えします。

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10月14日

惜しくも11月1日で営業を終了する、室戸が世界に誇るホテル「ウトコ オーベルジュ&スパ」。貴重な最後のステイを楽しんだ、2日目のお話です。

ウトコの醍醐味は、目覚めの瞬間から朝の海を存分に楽しめることにあります。

ウトコでの朝は、東向きの壁一杯のカーテンを全開にしておき、朝日が海から出る光景を眺めることから始まります。この日は5時45分に、窓を染める景色の美しさに「うわあっ!」と声を上げて飛び起きました。この写真はベッドからの眺めそのものです。なんてきれい!!

まるで小学生が夏休みに、海辺での生活を初体験した時の感動が再現されたよう。朝の空は刻一刻とその姿を変え、私はカメラを手に、たっぷり30分以上、夢中でシャッターを押し続けていました。

ほんの一瞬だけ、ダルマ朝日が見えました。ラッキー!!
うまく撮れませんでしたが、今日もいいことありそうです♪

オーシャンビューのバス。なんて贅沢な眺めなんでしょうか。残念ながら朝からやりたいことが多すぎて、お風呂に入る時間はありませんでした。

タイフーンテラスから見た、朝の太平洋。徐々に明けゆく朝の海の美しさを、目に焼き付けておきました。

今回初めて体験した、朝6時半からの「空海テラピー」。
ヨガを20分ほど体験しました。体がシャキッと目覚める感じで、このマットがすべて埋まる盛況ぶりでした。

この鯨のオーナメントは初めてでしたが、ウトコの風景にとてもよく溶け込んでいました。

さて、レストラン「ボンヌ・ペッシェ」で朝食です。平日のためか、ほとんどのお客さまが女性でした。

かつて、「ウトコディープシー&テラピー」だった頃、朝のビュッフェの豪華さは忘れられないものでした。ウイークリーN第267回に、その時の感動を書いています。(バックナンバーはこちら。1月5日分です。)星野リゾートになってビュッフェではなくなりましたが、食事内容はより工夫され、洗練されているように思います。

昨夜の鰹づくしに対して、朝は柚子づくし。

日の出のグラデーションをイメージした3種のジュース。左から、柚子のシロップと海洋深層水のジュース、フルーツジュース、キャロットジュースです。以前からこちらのジュースは感動ものでしたから、最後にまた味わえて良かった!
左は柚子のコンポートと季節のフルーツのヨーグルト。奥のサラダは…

柚子ドレッシングの上に最後に柚子の皮をすり下ろす演出が心憎い。柚子の良い香りがふわっと立ち、食欲をそそります。これは実生(みしょう)柚子という接ぎ木をせず種から育てた柚子で、実を結ぶまでに18年かかるそうです。普通の柚子よりも味が濃く、薫り高いものです。

朝食の内容を、柚子をかたどったリーフレットにイラスト入りで説明してありました。こういう心配りがまた嬉しいものです。

柚子皮を練り込んだ焼きたてワッフルと、エビやホタテのシーフードソーセージとオムレツを柚子胡椒ソースで。もちろん、本当に美味しかったですし、余すところなく地元のこだわり食材を使い切る愛情には拍手を送りたい気分でした。同時に、ウトコと地元産業のつながりと影響の大きさを感じずにはいられませんでした。

こうして、ウトコでの最後のステイは幕を閉じました。
シュウ・ウエムラ氏の「ウ」、室戸の「ト」、高知の「コ」から名前を取ったホテル。本当に素晴らしい室戸の海を楽しませる最上級ホテルの幕が下ろされるのは返す返すも残念です。今後のホテルの経営について室戸市の小松市長は、「芸能人も利用するなど人気があったので残念だ。ホテルとして継続できるよう関係者と協議し、できるだけの支援をしたい」とおっしゃっています。

ウトコの大ファンとして、今までこのホテルに関わって下さったすべての方々に「今まで本当にありがとうございました。」とお伝えしたい気持ちで一杯です。
そして心から、復活してくれる日を願いつつ…。

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10月15日

冒頭で触れたとおり、ウトコの存続が決定しました。土佐清水市のホテル「足摺テルメ」の指定管理者である兵庫県の「アクトリゾート」が引き継ぐことが高知新聞で報じられました。バンザイ!!

「アクトリゾート」の社長は、高知ファイティングドッグスのオーナーでもあるそうです。足摺テルメも赤字でしたが、2016年11月期に黒字転換し経営が軌道に乗ったため、新たな事業展開を模索していたそうです。2年間の運営委託契約を締結し、ホテルの建物を含めたウトコ社のM&A(合併・買収)に向け、交渉中だとか。

11月1日に閉館し、12月15日にも再オープンする予定だそうです。星野側から8人の社員を引き継ぎ、新規雇用も10人ほど見込んでいるとか。当初の施設コンセプトである「美と健康」と共に、地元食材などを重視し、高級路線を維持する方針ということで胸をなで下ろしました。

思うに、高級路線を維持するのは地の利が悪い高知県室戸市において、どれだけ大変なことだったでしょう。「海に住む」というコンセプトを打ち出し、2007年には「世界のホテル100選」にも選ばれたウトコ。(ウイークリーN 第265回)確かにオープン当初から言うと、カットされたサービスもありますが、最高級のホスピタリティーを提供するという理念と現状は脈々と続いています。

弘法大師は室戸の空と海に感銘を受けて「空海」と名乗ったと言われています。この朝日のパワーを体感できる、「ウトコ・ステイ」をまた皆さまに味わって頂けると思うと、嬉しくてたまりません。「アクトリゾート」さん、ありがとうございます!

私のフェイスブックを見て、「死ぬまでに行ってみたい所Best 10入りのウトコ」と書いてくれた友人がいるのですが、閉館を残念がり「もしも復活したら、一緒に泊まろう!」と約束していました。(笑)彼女との約束、果たせそうです。