第793回 「絵ろうそくの世界」

3月30日

皆さん、絵ろうそくってお聞きになったことがありますか?
和ろうそくに絵を付けたもので、とても美しいものです。

私も昨年初めて見て、その美しさに心を動かされました。

雪深い北陸や東北では昔、冬の間は生花がありませんでした。でも、お花はお供えしたい。そういう思いから、ろうそくに花の絵を描いてお供えしたものだそうです。お花の代わりにもなるのは、花の絵が描いてあるから?と思いきや、「原料が植物性だから」。ハゼの実から採った 木蝋(もくろう)で作られています。

絵ろうそくをともすのは、お花を仏様にお届けする意味合いがあるのだとか。またお盆、お彼岸、月命日などに火を灯すことで、亡くなった方の功徳になるのだそうです。

それを知って、お身内を亡くされた方に差し上げるととても喜んでくださり、そこからネットで色々と探すようになりました。四季折々の花が描かれていて、見ていても飽きません。

絵ろうそくには転写と手書きがありますが、やはり手書きの美しさは格別です。(写真はすべて、手書きのものです。)

上はモクレンの花です。一本一本職人さんの手によるものなので、同じ花を描いても違うところがまた、味があります。

こちらは限定商品、お正月用の干支のろうそく。犬張り子が可愛いでしょ?
松竹梅や南天に ほんの少しだけ金が散らされていて、とてもきれいです.

日頃は火を付けずに お仏壇のお花の横に供えれば、 万一お花が枯れた時にも 仏様に失礼にならないという意味合いがあるそうですし、仏様にも自分にも癒やしを与えてくれる気がします。

お値段は2本で千円ちょっとからあり、数は少ないですが 仏壇屋さんでも見かけました。燃やすと無くなってしまう はかない美しさですが、そこに幽玄の美を感じます。