第693回 「熊本地震災害に想う」

4月19日

先週起こった熊本地震は、「本震だと思われたものが前震だった」「震源が移動する」「今までにない回数・大きな余震が続いている」など、聞いている私たちも戦慄を覚える現状です。被災者の方々は本当に辛い日々をお過ごしのことと思います。心からお見舞い申し上げます。

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熊本の友人の安否が確認できホッとしましたが、大変な事態はこれからもしばらく続くでしょう。人は、「想い」と「行動」の両方が大切ですが、熊本の皆さまのために、今自分は何ができるのか?…まずは、寄付しかありません。

調べると、寄付もずいぶんと多様化しています。ネット募金も多くなり、クレジットカード決済もできるようになって、非常に行動しやすくなっていると感じました。夫と話し合い、人・みらい研究所は被災された方々に渡る赤十字の義援金を、夫は熊本県の自治体に直接寄付することにしました。彼は旧・吾北村の出身なので「同じ村である南阿蘇村に寄付したい」との意向でした。

郵便局に行き、赤十字社への募金の振込用紙をカウンターに持って行くと、「手数料が◯円になります。」ん?「赤十字への義援金は、振り込み料が無料のはずですが?」と言うと「お調べしますので、お待ち下さい」。…寄付活動が始まったばかりとはいえ、係の方がご存じないのはちょっと腑に落ちませんでした。

そして南阿蘇村への寄付。見ていくと ふるさと納税サイト「さとふる」なるものがあり、ちょうど「ふるさと納税で南阿蘇村、菊池市を応援しよう」というキャンペーンをやっていました。

うん、ふるさと納税っていう手もあるね。仲介の「さとふる」は一切の収益をもらわないそうで、安心。「なお、お礼品はございませんのでご了承ください。」もちろん、そんなものはいりませんとも。

「南阿蘇村へ寄付する」をクリック→会員登録ページで、会員登録する・しないを選んで、寄付を行う→寄付金額を打ち込み→情報の入力で名前、住所、電話、メールアドレスなどを打ち込んでいきます。クレジットカード決済ができるので、非常に便利でした。

よく考えられているなあと思ったのは、寄付金の使い道も6つから選べるようになっていることでした。金額を細かく分けることもできます。ご参考までに。

1.指定なし
2.地域振興
3.公共施設の整備
4.社会福祉の向上
5.環境保全対策の推進
6.財政健全化

 

以前の震災で被災した友人が言っていました。

「きっと今は、身を守ること、目の前のことで精一杯で、身近な人との連絡もままならない状況なのでは…。」
「まずは電源が限られた中での身近な人との連絡や、生きるため、身を守るために最低限必要なことを、今は優先させてあげて欲しいな」

電源も限られている…。聞いてみて、ああそうだ、と初めて気がつきました。つい心配で「大丈夫?」とかメールしたりしがちですが、その方にとってはそれどころではないですものね。経験者だからこその重い言葉で、学びになりました。

避難所の物資も不足しているそうで気がかりですが、まずは道路などのインフラが整わないとどうにもなりません。どうか一日も早く復旧できますように。

そして心身共に疲れ果てていらっしゃる皆さまが、少しでも早く、長く安らげますように。

 

第692回 「放送のリアル」

4月16日

熊本で震度7の地震が起こり、その後も大きな余震が相次ぎ、本当に心配です。九州の皆さまが、どうぞ一日も早く穏やかな日常にお戻りになれますようにお祈りいたします。

今日16日の土曜日の朝10時、私は高知さんさんテレビに向かっていました。

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実は土曜日の12時からの「おちゃのまLive さんスタ!」という情報番組に出演させて頂く予定だったのです。しかし熊本地震が起こり「難しいかも…」と感じつつ、状況が流動的なため、ひとまず局に伺うことになりました。

私は独身時代、NHK高知でニュースキャスターを務めていましたが、民放へのスタジオ出演は初めてです。「さんスタ!」はこの4月から始まった番組ですが、高知らしい明るさ満載で、日頃から拝見しているので楽しみにしていました。

まずはディレクターのTさんにお目にかかり、打ち合わせです。何かと細やかに対応して頂き、助かりました。
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1時間番組で、台本は6ページにわたっていました。関係スタッフの方々は25名ほどでしょうか。キューシートと呼ばれる番組進行表は、「VTR」「中継」「CM」「モニター」などが一覧でき、秒単位で計算されています。

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その後はリハーサルでスタジオに移動です。テレビで見慣れた色鮮やかで可愛いセットが並んでいます。

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イスに座ると、カメラが目の前に3台。ピンマイクを付けます。あー懐かしい、この感じ。何とも言えない、スタジオの空気感です。スタジオって、独特の時間が流れているように思えるんですよねぇ…。

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司会の合田泰吾アナウンサーはとてもフランクながら実際お会いすると落ち着いた風格があり、和田早矢アナウンサーは目がくりくりして可愛らしい美人さんでした。リハーサルが始まり、私はコメンテーターとしてご紹介頂きました。

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時間がわかるよう、秒針が付いた大きな時計が目の前にあります。以前いたNHKと違ってCMがあるので、タイム管理が難しそう。

VTRを受けての感想、中継先の玉井アナウンサーとのかけ合いがうまくできるかなど、それぞれのシーンを確かめていきます。若い司会のお二人の「さんスタ!」らしい楽しい空気感がとても居心地良く、あっという間に30分ほど時間が過ぎました。

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リハーサルが一通り終わって、本番まで休憩です。無人になったスタジオで許可を頂いて、日頃は見られない角度からのスタジオ風景を、コラムをお読みの皆さまにお届けしようと、撮影をさせて頂きました。

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床に貼られている「ばみり」です。立ち位置や小道具の場所などに付けられた目印のテープで「和田イス」「ごうだ」などと書かれています。

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ライトは昔に比べて、少ないのに明るいなぁ。小型になったカメラと共に、技術の進歩を実感しました。

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地震などの災害直後の情報番組というのは、放送する側も悩む所です。そのため「さんスタ!」も今回はオープニングの楽しいタイトルは抜きにして、司会お二人の2ショットから入り、報道センターにつなぎ、それから番組に返る…といった流れを予定していました。

東日本大震災の後、震災映像ばかりが一週間ほど流れ、それで心の病を発病した方が多かったことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。実は私の長女がまさにそうなってしまい、いまだに回復しきっていません。(そのあたりのことは第469回「新たな試練」にも書いてあります。)

今回も「地震、恐い」と言うので地震映像は極力見せないように、注意を払っています。そういったこともあり、テレビをご覧の皆さまにもひととき、ホッとする時間を味わって頂く選択肢を提供したかったのです。スタッフの方々にも了承してもらい、それをオープニングで少しお話しさせて頂こうと思っていました。

本番45分前になってTディレクターがいらっしゃって「申し訳ありません、やはり飛びました」。フジテレビの地震特番になり、ローカル番組は中止になったのです。

これがまさに、放送のリアルです。でもこういったことはめったにあるわけではなく、ディレクターも初めてとのこと。貴重な現場を見せて頂いた体験となったわけです。「ぜひ改めて来月に」とおっしゃってくださいましたが、私のスケジュールが7月初めまで埋まっているため、改めて仕切り直しとなりました。

「さんスタ!」の皆さま、ありがとうございました!またよろしくお願いいたします。

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その後、主人と長女と一緒に一宮神社にお参りに行きました。

九州の雨がひどくなりませんように。
どうか一日も早く地震が収まりますように。

被災なさった皆さま、どうかご無理をなさらず、
ご自身をいたわってお過ごしくださいますように…。

第691回 「感嘆!大塚国際美術館②」

4月9日

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前回に続き、大塚国際美術館のご紹介です。(ぜひ、写真をクリックしてご覧下さい。)すべてオリジナル作品ではなく、レプリカばかりのこちらの優れた点は、世界中の名画のオンパレードである、ということです。美術の教科書で見た名画、来日した時に何時間も並んで人混みの間からわずかな時間しか見られなかった名画、現地ではめったに公開されない名画がゆったりと間近で鑑賞できる贅沢さ。

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レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」は、名画の代名詞のようなものですよね。1974 (昭和49)年に来日した時には、1点のみの単独展にも関わらず、東京国立博物館は入場者が1日3万1120人の新記録を作ったそうです。それがここでは、こんなにゆったり。

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ピカソの「ゲルニカ」の前を、ベビーカーがゆっくりと通り過ぎます。
非日常と日常の交錯です。

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ムンクの「叫び」の横でこのポーズをしても許されます。(笑)

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特筆すべきことは、絵画の修復前と修復後の絵画作品を一度に見比べることができるのです。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」は、壁の左右に修復前と修復後が飾られ、その違いを確かめることができます。

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ビフォー。もう、このオリジナルは現存しませんので、非常に貴重です。

そもそもこの絵はミラノの修道院の食堂に描かれたそうで、台所の裏側の壁で湿気が高かったため作者が生きていた頃から破損が始まり、第二次大戦の空爆で無残な状態になっていたのだとか。

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アフター。確かにキリストや使徒の顔が元の姿を取り戻し、バックや色などもきれいになっています。でも、修復前の重々しさがどこか失われたのが惜しい気もします。

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モネの「大睡蓮」は屋外展示で、溢れる光の中にあります。強い陽ざしでも色褪せない陶板の性質が、十二分に活かされていますね。

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「裸のマハ」と「着衣のマハ」は隣同士に展示されていました。

その他、「真珠の耳飾りの少女」(フェルメール)、「ヴィーナスの誕生」(ボッティチェッリ)、「落ち穂拾い」(ミレー)…いやもう、名画の目白押しです。

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ゴッホの、幻の「ヒマワリ」もありました。第二次世界大戦で焼失し、二度と見ることができない通称「芦屋のヒマワリ」を、原寸大の陶板で再現したものです。背景の青が印象的ですね。失われた名画の陶板での復元は初めての試みだそうです。

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その他、大きな祭壇の豪華さと存在感には圧倒されっ放しでしたし、礼拝堂は前回のもの以外にも複数あります。

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この日この美術館だけで4時間半過ごし、なんと5kmも歩き、美術の宇宙に揺蕩う(たゆたう)ようでした。まだまだ紹介しきれないお宝が一杯で、本当に一見の価値があること請け合いです。

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あまりに素敵だったので、夏に家族を連れていく計画を立てています。実はまだ、見落としていたものがあったと判明したのです。恐るべし、大塚国際美術館!(笑)