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|WEEKLY “N”|T医師のひとりごとすずかの気ままにDO!
 
ウィークリーN
第101回●2004年10月17日(日)

足跡1 「初めての妊娠、そして哀しみ」


 
 みなさまのお陰で、WEEKLY Nも、前回で無事100回を数えました。
そこで今回から少し過去をさかのぼり、18年前からの出来事をお話ししてみたいと思います。
 と申しますのも、最近、私の経験をお話ししてあげていれば何らかのお役に立てていたかもしれない、と心残りがある出来事があったからです。詳しくはお話しできませんが…。そこで私のこれまでの足跡を、これを機会に少し綴ってみます。もし、同じことで苦しんでいらっしゃる方には、読むだけで少しでも心が軽くなれば…と願わずにはいられません。また、これから妊娠・出産を控える方には、何らかの参考になればと思います。そんなわけで、どうかよろしければお付き合いくださいませ。

 私は24歳で結婚し、26歳で最初の妊娠をしました。
ところが、私は大の子供嫌いだったのです。小さい頃から親戚中で一番上で、可愛がらなきゃいけないけど可愛がってもらえない不平不満が大きかったように思います。妊娠した時も、喜ぶどころか、 「あ〜、これで気ままな暮らしも終わりかぁ」という、とんでもなく不遜な考えを持っていました。そして、神様はちゃんとそれに対し、相応の処遇をなさったのです。

 私は基礎体温表をつけていたのですが、ある日突然、妊娠して上がったままの基礎体温がガクッと下がりました。不安がよぎりました。「なぜ、突然体温が下がったのだろう…?」

 その日のうちに、出血が始まりました。あわてて病院に行きましたが、流産してしまったのです。妊娠したら、当たり前のように出産するものと信じていた私にとって、これはものすごいショックでした。先生は「流産は10人に1人は起こるものなんですよ。流産するのは先天的な理由も多く、たとえ入院したとしても、どうしようもなかったですね」と慰めてくださいました。

 しかし、私は新しい命が宿ってから一度も、それを嬉しいとは思わなかったのです。なんてひどい母親でしょう。心の底から、後悔しました。赤ちゃんに(今度生まれてくる時にも、必ずママのところに来てね。今度は必ず、ちゃんと生んであげるからね)と、謝り、泣いて泣いて、泣き尽くしました。この時の精神状態は引きこもりに近い、どん底でした。誰にも会いたくなく、一日中、音楽を聴いて、ただ時を過ごしました。

 この経験が、後になって私を支えてくれたといっても、過言ではありません。
命を失うことは何よりも悲しく、「妊娠すれば、当たり前のように出産する」なんて、大変な考え違いであったことを、深く深く心に刻む結果となったのです。

 

   
 
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