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ウィークリーN
第18回●2003年3月8日(土) 「Hくんのプレゼント」
 

2月のバレンタインデーに対する、ホワイトデーが迫ってきました。
あちこちのお店で、色とりどりのリボンのかかった、可愛らしい箱が山積みされています。最近、女子学生達の間では「本命」に贈るチョコ、義理チョコの他に「友チョコ」といって女の子の友人同士でチョコを贈り合って楽しんでいるらしいのです。次女も「友達にお返ししなくちゃ」と張り切っています。青春ですねえ。

ところで私は、プレゼントを見ると、忘れられない話があります。
長女が小学1年生の「母の日」でした。「お母さん、プレゼント!」という声。何やら、大きなプレゼントの包みがスクールバッグに入っています。開けてみると、やさしいパステルの花の、手描きのTシャツでした。先生方が、子供達を指導して作って下さり、素敵なラッピングまでしてくださったのでした。私は「わ〜、うれしい。ありがとう!」と単純に喜び、長女にお礼を言いました。6歳の長女は誇らしそうに笑っていました。

後日、長女の同級生のお母さんからこういう話を聞きました。彼、Hくんはクラスでも最重度の障害児でした。とてもきれいな顔立ちですが、残念ながら表情はほとんど変わりません。いわゆる寝たきりで、意思の疎通も難しいお子さんでした。そんなHくんがまばたきをすると優しい先生は「あ、今返事をしたよ」と笑っていましたっけ。

Hくんが母の日のプレゼントを持って帰った日。お母さんは思いがけない我が子からのプレゼントを、開けるのがとてももったいなくて、手の中でじいっと眺めていたそうです。「お母さん」も「ありがとう」の言葉もない、でも生まれて初めての、いとおしいプレゼント。どんなにか胸がいっぱいだったことでしょう。そうして、30分以上たって、ようやく包みをほどいたそうです。

私はこの話を思い出すたび、今でも涙が出ます。自分がプレゼントをもらったときの軽さを恥じ入りました。プレゼントって、「想い」がこもっているのですよね。そんな想いをもう少し考えるきっかけを、Hくんとお母さんにもらった気がするのです。

 
 
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