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ウィークリーN

第194回●2006年8月6日(日)

 「こらえ性のない生徒たちに思うこと…」


 ここしばらく、高校や大学の就職セミナーであちこちを回らせていただいています。その中で、これまで感じたことのなかった ある変化を感じています。

 それは生徒達のゆるやかな「緊張感のなさ」です。きちんとした姿勢が保持できない、私語をする、こらえ性のない高校生が増えた気がします。例えば私語や居眠りをしているので注意すると、以前は「すみません」と恐縮したり、ばつが悪そうに笑ったりというコミュニケーションがありましたが、今年はそれで受講をやめてしまう生徒がぼつぼつ出てきました。

 今まで就職氷河期といわれていた時期には、こういった学生はほとんどいませんでした。真剣にやらないと就職できない、という厳しさがあったからでしょうか。景気が回復したと言われ、同時に進学から就職への志望が多くなってきたため、こうしたセミナーに真剣に参加できない学生も増えてきたのでしょうか。それとも、私の指導力不足なのかしら?と考えさせられます。

 疑問に感じるのは、「あまり今まで怒られた経験がないのだろうか?」ということです。一見反抗的ではないのに、注意してもふてくされたり、返事もしなかったりという生徒に「この子は叱られ慣れてないな」と感じます。逆に一見反抗的に見えても、きちんと向かい合うと驚くほど素直に頑張る生徒もいます。また、普段から厳しい指導をなさる先生がいらっしゃる学校とそうでない学校では、実際かなりの差があります。

 私は講習の最初に「これは授業ではないので、寝る人・私語をする人・やる気のない人は参加しなくて構いません」と宣言します。そういう生徒は注意もします。話すらきちんと聞けないようでは、企業で勤務し続けることなんてできない、と思うからです。(そのためか私の講習は厳しい、という評判らしいです。)

 しかし、2〜3日間という限られた時間で、企業側が望むレベルにまで生徒の力を底上げするには、意識をしっかりと持ち、課題をきちんとこなしていく持続力や忍耐力が必要です。しかし、こうしたところまで行かない「こらえ性のない生徒たち」こそ、実はなんとかしなければいけないのではと感じてもいます。

 もちろん、多くの生徒は真面目に取り組み、真剣に就職のための能力を磨こうと努力し、2〜3回の受講で、顔つきまで変わるほどしっかりしてきて、その成長力に「すごいねえ!」と驚かされることもしばしばです。この生徒達の差は、いったいどこにあるのでしょうか。「家庭環境」という答えももちろんあるでしょうが、それだけではない気がします。

 実は私の亡くなった父は、高校で就職指導を長年やっていました。この仕事はある意味、父からバトンタッチされたものかもしれません。そう思って、少しずつ私なりにできることを悩みながらも探っていきたいと思っています。 


 
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