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第208回●2006年11月12日(日)

 「ASIMO in 高知工科大学」


 先日、高知工科大学の開学10周年記念で、「ヒトの進化とロボットの進化」というフォーラムがあり、ロボット好きの私は大喜びで出かけたのでした。ロビーには工科大のロボットもたくさん展示されていました。
 メインは後で登場する、ホンダのロボット・ASIMO(アシモ)です。ASIMOに会うのは、3年ぶり。2003年、横浜で行われた「ROBODEX」(コラム第25回)以来です。この3年で、ASIMOはどう変わったのでしょうか?なんか、久しぶりに昔の恋人にでも会う気分です。

 

 そもそも、ホンダが何故ロボットを手がけたかというと、今から20年前、車やバイク以外の移動の研究をしようということになり、移動するロボットをテーマにしたそうです。ホンダは元々産業用ロボットを手がけていたので、これを移動用にして一般ユーザー用ロボットにしようということになったそうです。
 1996年に初めて発表した時にはプロトタイプ2と言っていたそうですが、それでは面白くないと言うことでその後進化型を発表するときに「足のモビリティ(移動性)=アシモ」にしたのだとか。
 その後、世界に向けて発信するのだからということで、Advanced Step in Inovative Mobility=ASIMO としたそうです。
 最初のASIMO(P2)は180cm、200kg以上もあったそうですが、小さくしろとの命令を受け、125cm、50kgにまで小さくなったそうです。そうなると大人のプロポーションではなんとなくおかしい、子供のプロポーションにしよう、となったのだとか。
 また、ロボットの外観を人間の形にすることについて、日本人はアトムのお陰で抵抗がないのですが、欧米の人たちは宗教観の違いもあり、受け入れてもらえるのか心配だったそうです。そのため、わざわざバチカンまで行って相談したとか。すると「これも神の思し召し」と言われ、安心して発表したという裏話を聞きました。
 いよいよASIMOの登場です。500人を超える超満員の観客は大喜び。観客に向かっておじぎをし、階段を上がり下りします。段の上がり下りの時にはさすがに最初少し時間をとりますが、34個の関節を動かし、なめらかな動きです。障害物センサ、傾斜センサ、力センサ、床面センサなどが働き、ASIMOが倒れないようにしています。倒れたら、まだ起きあがれないのだとか。
 今のASIMOは、2005年12月発表のモデルです。従来に比べ、人と手をつないで一緒に歩くなど、人に合わせて行動する機能を強化したそうです。130cm、54kgと、機能が追加されたことによりちょっぴり大きくなりました。時速6キロで走ることもできますが、CMでも披露しているのでご覧になった方も多いでしょう。0.08秒ずつ両足が床から離れ、体を浮かせているんだそうです。稼働時間は40分間だとか。
 こんな風に、飲み物の入ったお盆を受け取って、運んでいくこともできます。トレイに載せたものがこぼれたりしないように、全身を使ってトレイの揺れを制御します。ワゴンを押して何かを運んだりもできます。こうして、10分間ほどのパフォーマンスで私たちを楽しませてくれました。
 以前に比べ、人間とのコミュニケーション機能も向上しています。人を識別して案内したり、握手したりなどというコミュニケーション機能は、今後の進化のポイントになるでしょう。

 実はASIMOは、高島屋で1年間働いた職歴(?)があることをご存じでしょうか?お歳暮のコーナーに立って説明したり、外商に出向いたりしたそうです。 今も様々なイベントで働いていますが、今や指揮、漫才にまで職歴を広げているようです。

 ASIMOに代表されるロボットの可能性を考えると、いつもわくわくしてきます。
ヒューマノイド(人型)ロボットは、これからも日本が世界をリードしていく数少ない分野だと思いますので、ぜひ頑張ってほしいものです。

ASIMO公式ホームページ

 
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