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第331回●2009年3月29日(日)

 「子供の救急対応について、あれこれ」

 3月も末だというのに花冷えとはよく言ったもので、お天気キャスターが言っていた通りに寒い日が続いています。
 でも、これを超えると本当の春がやってきますね。

 先日、高知県小児医療体制検討会議が開かれ、そこで「お子さんの急病対応ガイドブック」が完成したと、配布されました。

 18ページほどの小冊子ですが、「発熱」「嘔吐」「下痢」「腹痛」など、症状別に9項目のいざというときの対応の仕方について、イラスト入りでわかりやすくまとめられています。こうしたものを県が発行している事例は、あまりないようです。

 夜間の子供の急患のうち、約7〜8割は軽症だそうです。「心配だから」とか「昼間は仕事で連れて行けないから」という理由で連れてくる保護者が大変増えています。

 一方で、報道されているように小児科医師の数は減り続けています。そのため、重症な子供や入院している子供に、充分な治療を受けさせてあげることができなくなるかも、と危ぶまれています。

 その対応策として、保護者が子供の病気に関する知識とその対応の仕方を深められれば、保護者も小児救急の現場もかなり助かるということで、この冊子が作られました。この半年で県内11カ所で小児科のドクターによる講演会も開かれ、約500名の参加者があったそうです。この冊子は、小児科の医療機関や市町村、福祉保健所でもらえます。

 それ以外に、「高知市平日夜間小児急患センター」や「こうちこども救急ダイヤル」などがあります。「高知市平日夜間小児急患センター」(088−875−5719)では月曜〜金曜は午後8時〜午後11時まで、土曜日は午後8時〜日曜日午前8時まで診療しています。

  「こうちこども救急ダイヤル」は夜、子供の具合が悪くなった時、病院に行った方がいいかどうか迷った時などのために、看護師による電話相談をしています。金、土、日、祝日、年末年始の午後8時〜午前1時までの5時間、看護協会が行っています。

電話番号は♯8000、または088−873−3090です。

 多い時で、1日17件ほどかかってくるそうです。1件あたりにかかる対応時間は7〜8分だとか。電話の台数が1台なので、かかりにくいことがあるかもしれませんが、今後キャッチホンにすればなどの改善提案も出されていました。(台数を増やすのは人件費もあり、予算的に難しいのでしょう。)

 高知市と南国市の5つの保育園を対象にした保護者アンケートでは、「こうちこども救急ダイヤル」を知っている人が54%、実際使ったことがある人が13%と出ていました。使った感想では「症状への対応がわかった」「アドバイス通りして良かった」「不安が軽減した」など、やはり頼れる存在のようです。

 医療審議会などこうした会に出席すると、見えにくいところでこうした様々な努力がなされているんだなあと感じます。高知県も予算が不足している中、手厚い医療ができにくい時代になっていますが、急病対応ガイドブックなどの工夫で保護者も一体となり、かけがえのない子供達を守っていきたいものです。

 

 
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