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ウィークリーN
 

第343回●2009年6月21日(日)

 「経営のまね方を考慮する」

 先週は岡山から、友人2人が高知に遊びに来ました。岡山でセミナーをしている、講師仲間です。「どこへ行きたい?」と聞いたら・・・

 なんと「ネッツ南国!」という返事が。1人はやはり以前そう言われて、車の点検の時に同行してもらったのですが、もう1人もぜひ「行ってみたい」と。以前行った友人も、「もう一回行きたい」と言うので、見学をお願いしました。研修に前向きな会社では、関心を持っているところが多く、全国人気になってるんですねー。


 ネッツ南国では、全国からの視察が後を絶ちません。DVDや講演テープなども出回っているので、勉強しようと思えばそのマネジメントの要素を学ぶ事ができるでしょう。しかし、せっかく高知に行くならこの目で見てきたい、と思うのも人情です。友人をネッツ南国に案内すると、色々と経営のエッセンスについて貴重なお話を伺い、刺激的だったと大いに喜んでくれました。ゴールデンウイークもそうした県外からのお客様がいらっしゃったそうです。できれば事前にお申し込み頂ければ助かりますとのことでした。

 ネッツ南国のめざすところは「クルマを売る」のではなく、「全従業員を勝利者にする」というものです。「勝利者」の定義は単に利益を追求するのではなく、「それぞれが幸せだと思える」とか「家族など関わる人を幸せにできる」こと。そこには、真の人間尊重の精神が貫かれています。

 2003年、当時はトヨタビスタ高知だった頃に、横田社長(当時)のお話を伺って感銘を受けたことを昨日のことのように思い出します。(ウイークリーN第37回には、興奮冷めやらぬその速報がありますが、お話が広大・深遠すぎてポイントを絞りきれず、今読むと内容に乏しくお恥ずかしい限りです。)

 横田会長は、人を育てるのにたけた方です。何でもトップダウンで決めていくのは良くない、社員に考えさせないと成長しないということをきちんと実践なさっていらっしゃいます。時に大学で講義をなさるときも学生に「それはなぜ?」「どう思う?」と、必ず考えさせるそうです。が、特に中小企業においてはついつい「わかっちゃいるけどやめられないトップダウン」という現実が多いのではないでしょうか。

 しかし私が気になるのは、短期的成果を求めて形だけまねようとする、本質がわかっていない管理職や経営者がいらっしゃることです。 たとえば「ネッツ南国は評判が良いので見に行ったら、ショールームの女性の制服がキャビンアテンダントみたいで良かった。うちもああいう風にしよう。」とか、「あそこのように月に1度イベントをすれば活性化するんじゃないか」とか(実話です)。しかし当然ながら、形だけまねても、その本質をまねないと意味がありません。


 たとえば、トイレの手洗い場にこうして花、手鏡、ハンドクリーム、あぶらとり紙、綿棒を置いてあるとします。それを見て「なるほど、こうすればお客様は満足してくださるだろう」とまねをする。 

 しかし、「なぜこれが必要なのか」「これによってお客様はどう思われるのか」「次にお客様に喜んで頂くためには、どうすればよいのか」と発展させることができなければ、一過性のサービスに終わってしまうでしょう。「予算が厳しくなったので止めよう」と、簡単に終わってしまうかもしれません。形をまねるだけでは、決して良い会社にはなれません。

 茶道、剣道など「道」のつく日本古来の稽古事は、あいさつの仕方など形から入ります。しかし、その後必ず「心」を考えさせ、形だけに終わらないようにしています。それを昇華させ、最終的に「道」まで高めているのです。

 これは4月、高知工科大学でお会いした時に横田会長に勧められた「日本でいちばん大切にしたい会社」という本です。これにはそういう「人を本当に尊重する」企業の事例を挙げてあります。

 障害者雇用に50年前から真剣に取り組んでいる日本理化学工業など、5社について詳しく述べられています。本当の経営に取り組んでいる企業は、必ず顧客の支持を得られます。まねをするなら、真の意味で人を幸せにできるこういう経営を見習い、考えたいものです。

 

 
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