ネッツ南国では、全国からの視察が後を絶ちません。DVDや講演テープなども出回っているので、勉強しようと思えばそのマネジメントの要素を学ぶ事ができるでしょう。しかし、せっかく高知に行くならこの目で見てきたい、と思うのも人情です。友人をネッツ南国に案内すると、色々と経営のエッセンスについて貴重なお話を伺い、刺激的だったと大いに喜んでくれました。ゴールデンウイークもそうした県外からのお客様がいらっしゃったそうです。できれば事前にお申し込み頂ければ助かりますとのことでした。
ネッツ南国のめざすところは「クルマを売る」のではなく、「全従業員を勝利者にする」というものです。「勝利者」の定義は単に利益を追求するのではなく、「それぞれが幸せだと思える」とか「家族など関わる人を幸せにできる」こと。そこには、真の人間尊重の精神が貫かれています。
2003年、当時はトヨタビスタ高知だった頃に、横田社長(当時)のお話を伺って感銘を受けたことを昨日のことのように思い出します。(ウイークリーN第37回には、興奮冷めやらぬその速報がありますが、お話が広大・深遠すぎてポイントを絞りきれず、今読むと内容に乏しくお恥ずかしい限りです。)
横田会長は、人を育てるのにたけた方です。何でもトップダウンで決めていくのは良くない、社員に考えさせないと成長しないということをきちんと実践なさっていらっしゃいます。時に大学で講義をなさるときも学生に「それはなぜ?」「どう思う?」と、必ず考えさせるそうです。が、特に中小企業においてはついつい「わかっちゃいるけどやめられないトップダウン」という現実が多いのではないでしょうか。
しかし私が気になるのは、短期的成果を求めて形だけまねようとする、本質がわかっていない管理職や経営者がいらっしゃることです。
たとえば「ネッツ南国は評判が良いので見に行ったら、ショールームの女性の制服がキャビンアテンダントみたいで良かった。うちもああいう風にしよう。」とか、「あそこのように月に1度イベントをすれば活性化するんじゃないか」とか(実話です)。しかし当然ながら、形だけまねても、その本質をまねないと意味がありません。
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