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第428回●2011年2月26日(土)

免許でGO!C

(中村 覚)  
 車の往来のある道なのに「ほい、ちょっとゴメンよっ」と、横断歩道でもない所を軽くピョンピョンッと横切るおじさん。大して珍しい風景でもないのですが、「先生、あんな人が居るから(路上教習は)嫌なんです。」 仮免許を取得後、初日の路上での出来事でした。しかも自動車学校の敷地を出て、すぐの場所でこんな人と会うとは・・。
 私の免許取得までの長〜い道のり、「免許でGO!」も今回で4回目になります。本免許までの最初の関門(?)である、仮免許の試験で昨年末に一度落ちたものの、今年1月に再受験してやっと合格。(仮免許を取得しないと路上へ出ることができないんです。)

 今ではその路上教習をやっています。しかし初めの頃は、この路上教習はこわくて嫌でした。信号無視、よそ見、飛び出しなど、理不尽極まる無法者がうごめく路上に出たいわけがありません。そう思っていました。

 いくら自分がしっかり運転していても、歩行者の飛び出しやルール無視の車などを考えると、本当に怖いです。車は運転中の死角もあるわけですし、しかもスクーターと違い、相手を引き倒すなど、おちゃのこさいさい、まさに走る凶器。人類が操縦するには、まだまだ不完全な乗り物だと真剣に思っていました。これこそが、今まで私が免許を取らなかった理由です。

 まぁしかしそうは言っても、せっかくなので免許はもらっておきます。近々もらう予定です。( ん〜、 いつからこんなに強気になったのかと、今、書いていて自分でも不思議です) やっぱり路上教習をやっている内に、変に自信がついたのでしょうか。でもこれこそが怖いらしいです。

 ところで、「眩惑(げんわく)」という言葉をご存知でしょうか。夜、対向車のライトを直接目に受けた時に、まぶしくて一瞬見えなくなる、これを眩惑というそうです。この体験というのは一概に車を運転しなくても、助手席に乗っている時や、歩行者としての立場などでも、みなさん何度か経験したことがあると思います。この眩惑した目が正常な視力に戻るには、数秒かかります。(もちろん個人差があります。)
 これらのことを踏まえて、学科教習の時に教官が「みなさん、この教室の中で誰が一番、眩惑した目の回復が遅いか、わかりますか?」と、質問しました。

 これはかなりアバウトな質問だなと内心思いました。教室には10数名の教習生がいましたが、だいたいみなさん高校生ぐらいですから、甲乙付けがたいのではないかと・・・しいて言えば私だけ社会人なわけです。
 でも誰も答えようとしません。教室は シ〜ンとしています。それならばと、教官が後ろの席の男の子を指名しました。しかたなくその子が、少し間を置いて答えました。「 (それは)・・・先生です」

 答えを聞いた教官は「当たり」と笑いました。私は答えを聞いて初めて納得しました。この部屋で教官が一番の年長者。年齢が上がっていくにしたがって眩惑の回復は遅くなるようです。教官のお話によると、高齢者教習を受けに来られる人の中には回復に2分程かかることもあるようです。

 この話を聞いた時に、数年前からよく両親が言っていた「夜は、いよいよ(車に)乗りにくい」という意味がちょっとわかる気がしました。対向車のライトがその一因だったわけです。その時には年齢差からくるものだとは思ってもいませんでしたので、「ちゃんと前を見て運転したら大丈夫やんか」と当時の私は思っていました。

 このように、自分が実際に運転し始めると感覚が変わってきます。路上教習では、左折する際に「後方よし! 巻き込みよし!」など、そのつどキッチリ確認するように指導を受けます。これらの行為は事故を防ぐために必要なわけですよね。しかし正直なところ、実際にここまでキチキチ確認をして運転している人は、まぁそういないだろうと。

 だからある時、教官に「(先生が)仕事がOFFの日に走っている車を見ても、やっぱり職業柄、色々な車の動きが気になるものですか」と聞いてみました。教官は「そんなことはないですよ」と即答してくれました。私も「そりゃ、そうだろうなぁ〜」と思いつつお話を聞いていると、「でもね、○○の車を見ると、つい注目してしまう。どんな運転をしているのか、ついつい見てしまう」とのことでした。さてみなさん、それがどんな車かお分かりですか?

 答えは、「初心者マークを付けた車」だそうです。運転のプロとして遠くから見守る優しさを感じ、思わずニッコリしてしまいました。

 次回のコラムでは本免許取得のご報告ができるかと思います。良い報告ができるよう、頑張ります。

 

 

 
 
 
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