で、毎年私が悩んでいたのは…どうやって1コマ90分の講義の中で、改めてみんな知っているマナーというものの重要性に気付いてもらうか、です。だいたいマナーの講義なんて言うと、みんなうんざりして「なんでもう知っているマナーなんか、改めてやらなきゃいけないのか」という雰囲気が漂っています。(笑)まあ、無理もないかなとも思いますが。
ところが、今年は3月の東日本大震災が起きたことで、私自身が大きな学びを頂きました。あの震災では、極限の状況にも関わらずきちんとマナーを守り、争いを回避する日本人の行動が世界中から絶賛されました。
極限状態に置かれた時でも、ルールやマナーを守ることで、無用な争いや暴力を避けることができる。外国では災害が起きると治安が悪化し暴動も起き、略奪やそれに伴う銃撃戦、血が流れることが起きる。「でも日本では違いましたよね?」と問いかけるとみんなうなずきます。
「がんがれ日本!」という元気が出るツイートを集めたものがあります。私はこれを読み、非常に感動して涙してしまいました。その抜粋をぜひお読み頂きたいと思います。
○バイト中に地震があってほぼ満席の状態からお客さんに外に避難してもらいました。食い逃げ半端ないだろうな、と思っていたがほとんどのお客さんが戻ってきて会計してくれました。ほんの少しの戻られなかったお客さんは、翌日わざわざ店に足を運んでくださいました。日本ていい国。
○一回の青信号で1台しか前に進めないなんてザラだったけど、誰もが譲り合い穏やかに運転している姿に感動した。複雑な交差点で交通が5分以上完全マヒするシーンもあったけど、10時間の間お礼以外のクラクションの音を耳にしなかった。恐怖と同時に心温まる時間で、日本がますます好きになった。
○停電地区のほとんどの店が店を閉めてる中、あるセブンイレブンが店内陳列棚にいくつもろうそくを置いて、営業をしていた。レジが使えないため在庫確認用のハンディの機械で値段確認し読み上げ、1人が電卓で計算、もうひとりが懐中電灯で照らす。その状態でレジ2台稼動させていた。感動した。
○今日、募金箱に金髪にピアスの若い兄ちゃんが万札数枚入れていた。そしてその友人に「ゲームなんていつでも買えるからな」と言っていたのが聞こえて私含め周りの人達も募金していた。人は見た目じゃないことを実感した。
○バイトくんの中に、東北が実家の子がいたらしく。「今日はバイト休んでいいよって伝えてくれる?」と言うと従業員が「わかりました。(電話をかけて)あ、今日、店休みだってさ」...彼の伝え方に感動した。気遣いって、こういうことだ。
○東横線の車掌さん、アナウンスで「大変なことになってますが、ここが頑張りどころです。みんなで力を合わせて乗り切りましょう!」と。たぶん、マニュアル外だと思う。素敵だ
○朝日新聞より。中国メディアで日本民衆の冷静さに感慨といった記事が相次ぐ。普段は日本に厳しい論調だが、「地震後の東京では、男性が女性を助け、避難場所の広場にはゴミ一つ落ちてない」と紹介。中国中央テレビは被災地に中国語案内があることを紹介。「外国人にも配慮をする日本に、とても感動した」と締めくくる。
○BBC(イギリスの公共放送)めっちゃ誉めてる。地球最悪の地震が世界で一番準備され訓練された国を襲った。その力や政府が試される。犠牲は出たが、他の国ではこんなに正しい行動はとれないだろう。日本人は文化的に感情を抑制する力がある。・・・
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