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第535回●2013年3月22日(金)

「世界で最も美しい書店」 

 

 (中村 覚)

 先月、BS朝日で「世界で最も美しい書店」という番組を放送していました。たまたまテレビの番組欄を見て題名が気になったので予約録画し、数日後、それほど期待もせず部屋の用事をしながら見ることに。

 内容は、世界中の美しい書店を、それぞれの特色を交え紹介するというものです。
例えば、オランダにある 元々は教会だった建物は、今では書店へと様変わり。しかしそれだけではありません。
時が経ちまた教会として使われる日を考慮し、本を所蔵する棚などは壁に打ち付けておらず、景観を損ねることのないように工夫されています。

 アメリカにある書店はアウトドア、つまり常設屋外書店です。普通に本を販売する一方、面白いシステムもあります。家にある本 3冊とお店にある本 1冊を交換してくれます。なんともユニークですね。
 
 ポルトガルにある書店は、すばらしい職人技で店内が装飾されています。幻想的かつ厳かな雰囲気が漂う築100年を超す店内には、曲線を描く魅力的な階段が有り、この階段見たさに世界中から観光客が訪れるそうです。その名も 天国への階段。

 このように色々な書店が紹介される中、番組の最後を飾ったのは日本の書店でした。これは意外!
「世界で最も美しい書店」という番組名なのに、まさか日本の書店が入っていたとは。

 その書店というのは、みなさん ご存じのTSUTAYAです。東京 代官山の蔦屋書店。ここでは「TSUTAYA」ではなく「蔦屋」なんですね。木立に囲まれた佇まい、そのコンセプトは森の図書館。「お店というよりは、くつろげる場所」という発想から誕生し、店の内外に設置されている椅子の多さも魅力の一つです。訪れる人それぞれが好きな本を好きな場所でゆったりと楽しめる上質な空間。( 行ったこと ないですけど。)

 このように日本の書店がセレクトされていたことに気を良くした私は、番組の最後で紹介された書籍、この番組の元になった「世界で最も美しい書店」 にも興味を持ちました。もちろん「読んでみたい!」というのが動機です。でもそれだけではなく、実は本を買ってコラムのネタにしようという、よこしまな気持ちも けっこう いっぱい たくさん。(笑)

 近所のTSUTAYAに行って尋ねると、残念ながらこの店には(既に?)有りませんでした。発売されたのが今年の2月末ですから、それほど時間は経っていません。
 スタッフの方に頼んで、高知のTSUTAYA全店での在庫確認をしてもらうと 7冊程残っていると判明。
 

 「全店で7冊」 こうなると、ない物ねだりの感情も湧いて「人気爆発で、今、買っておかないと今後 なかなか手に入らないかも・・・」全て勝手な私の想像です。 そもそも この本が出版された際に、高知のTSUTAYA全店で、何冊仕入れているのかも知らないのですから。

 すぐ近くの 万々店 に在庫があると教えてもらったので、取り置きをお願いしました。
そして いざ、万々店で目的の本を目の前にして、ふと思いました。買う気満々なんですが、一切中身を見ずに買うのもいかがなものか。

 ちょっと中身を見せてもらいたいと言うと、快く「もちろん、どうぞ」と、しかも椅子まで準備してくださいました。
取り置きしてもらった本の確認なので、私はパラパラッとめくる程度のつもりでした。予想外の店員さんの対応がとても嬉しかったです。本を確認したところ、もうちょっと紙質がよかったらなぁとは思いましたが、なんのその。これでコラムを書くんですから! 購入です。そう言えばこの万々店の本売り場には椅子が7席ほど設置してあります。日頃からホスピタリティー溢れるお店なんだなあと再確認させられました。


 
さて、こちらが購入した「世界で最も美しい書店」です。
ちょっと大きめの本です。各国の20店舗が収録されています。各書店、最初のページに活字による説明がありますが、そのあとは全て写真での紹介。色とりどりの多数の写真により、理屈抜きにポンッ ポンッ ポンッ と感覚として頭に入ってきます。
書店の写真集といった感じです。

 購入後、何度か目を通しました。読むのではなく見るんです。毎回、優美な写真を眺めるだけで、
自分がコジャレたカフェにでもいるような気がします。(笑)

 でも本を閉じた後、世界の書店に思いを馳せる〜なんてことは全然ありません。そんなことよりも、自分の持っている限られた本をもっと大事にしてやろうと、なぜか思えてくるんです。不思議です。本棚にまばらに置いてある、大小さまざまなサイズの本を端から揃えてみたり、棚をきれいに拭いてみたり〜、まさか本からこんな刺激を受けるとは思ってもいませんでした。これが作者の狙いだったのか!(笑) 

 まあ 無事、コラムを書くこともできましたので、めでたし めでたし。

※世界で最も美しい書店  著:清水玲奈 
( 定価3800円  エクスナレッジ刊 )

 

 
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