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第569回●2013年11月15日(金)

 「レポートから見えてくるもの」 

(中村 覚)

 最近、日暮れも早くなり、グッと冷え込みも増してきました。家ではコタツを出し、外出時には上着を着るといった季節です。

 例年、この時期になると専門学校で講義をさせてもらっています。受講生の皆さんは将来、医療従事者になる方々です。

 講義の内容は、「障害」についてです。松葉杖で日常生活をしている私に対し、皆さんから自由にご質問をしてもらい、それについてお答えするというものです。

 最初に「授業の一環ですので、遠慮せずに何でもご質問下さい。」と申し上げます。そして、仮に 自分が思い付いた質問が他の人と同じだなと思えても、それはそれで書いてもらうようにしています。実際に質問が重なっていても、クラス全体でまとまった時にどういった内容に興味関心が集まっているのか、皆さんにわかりやすいからです。

 質問内容は色々です。 例を挙げると           
・ 日常生活で困る事はなんですか。             
・ 他人の対応で不快に感じたことはありますか。                
・ 医療スタッフに求めることは何ですか。 などなど。
 そして結果的に同じ質問内容であっても、書き方は皆さん様々です。 例えば
 @ 〜した時の気持ち。                      
  A 〜した時の気持ちを聞かせて下さい。           
  B もしよろしければ、〜した時の気持ちを聞かせていただけますか。

 「遠慮せずに何でもご質問下さい」と言った手前、かなりストレートに質問する受講生もいます。でも同じ内容でも@〜Bの書き方では、受け取るこちらの気持ちが微妙に違ってくるのが正直なところです。

 もちろん、受講生達に他意はありません。しかし文章表現は実習先でも役立つことですので、@〜Bの違いについて説明させてもらうこともあります。 ちなみに私が受講生の立場なら、Bのようには書かない・書けないと思います。(笑) だからと言って、@では書いてきてほしくないと思ってしまうのです。

 担任の先生なら個人・個人の性格と文章をすり合せてご覧になると思います。
 でも、私は日頃の受講生のことを知りませんので、質問をもらった際に文章だけが頭の中を先走ってしまうのです。

ところで、こういった質問をくれる受講生もいます。

 「障害を持っていると、何も知らない周りの人達からの視線などが気になると思うのですが、どうでしょうか。
僕だったらすごく気になって落ち込んでしまうのですが、切り替えて気にしないことが大事なのでしょうか。」

 このように、もし自分が障害を持った場合の素直な気持ちも一緒に書いてくれています。
こういった文章を拝見すると、気持ちが温かくなります。

 色々な視点から集まった多数の質問にお答えした後は、受講生の皆さんと感情のやり取りができたような気持ちになります。そして、次回 またご縁を頂けたなら、質問に対して 自分の正直さの度合いを、減らさないようにしたいと いつもそう思います。

 

 
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