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ウィークリーN
第85回●2004年6月27日(日)

「検証:台風報道 in 高知」

 

台風情報

 台風6号は高知では、農作物に何億かの被害を出し、全国的にも死者を出した。この時期、高知に台風が2つも上陸したのは観測以来初めてのことらしい。今回は、その報道について検証してみたい。

 台風6号が事前に、高知県に上陸するかもしれないという予想は十分できていた。そして実際上陸したわけだが、室戸付近に上陸したため、高知県全体としては台風の西側になり、最悪の事態はかろうじて免れた。台風6号の高知上陸時点でのデータは965hpa。風速は35m/s。幸い、雨はひどくなかったものの、室戸で最大瞬間風速55.6mを記録するなど、風台風だった。

 ところでこの台風報道、高知では2局のみ、報道特別番組をやった。 RKC高知放送とNHKである。

 NHKは朝から全国ネットでぶち抜きで台風情報を流していた。6時頃から見ていたが、その中に、管中といわれる四国ネットの時間が時々はいる。四国4県の映像が流れる。しかし、台風が高知に接近する頃、不満はピークに達した。

 要するに、各地からの中継が入るため、欲しい地元情報が少なすぎるのだ。台風の進路予想図は今どうなっているのか?高知の河川はどんな状態なのか?これから台風が上陸しようという最中、よその県の情報なんていらん!地元の狭くて深い情報が欲しいんですよね。はっきり言って。

 RKCは9時から1時間弱、報道特別番組を組んだ。スタッフの人数にもものを言わせて、だろうが何と言っても機動力がある。 市内中にスタッフを散らし、色々な情報をきめ細かく伝えていた。ビニールハウスが風で破れる被害が出た映像。避難所になった学校にもいち早く行き、避難した方のインタビューを入れる。バスが走らない、という情報ではバスターミナルが映る。河川も映る。こうした、より地域に根ざした情報があれば、そちらを見るのは当然のことである。

 面白い試みだと思ったのは、 携帯電話FOMAによる画像中継をアナウンサーが現場から生で送っていたこと。画面はそりゃ見るに堪えられないくらい荒いが、何と言っても生の現場を映し出す機動性、迫力はこれぞ報道、という気迫に満ちていた。特に台風情報は、こういう「現在、どうなっているか?」の映像が勝負である。朝6:20に撮った空の高知駅の映像を、9時過ぎても繰り返し流しているNHKとは違う。

この勝負、口惜しいけど古巣であるNHKではなく、 完全にRKCの勝ち。
今回、巨大台風上陸は事前に十分予想できたこと。NHK高知も、たとえ30分間でも、報道特別番組を自局制作する心意気が欲しかった。昔はやっていたのだから、できるはずだ。また、こうした経験は、来るべき南海大地震の時、必ず役に立つはずだ。

 ちなみにケーブルテレビでは、「お天気チャンネル」を24時間放送している。これもチェックしてみたが、台風に対する臨場感ゼロである。「今夜の天気、週間天気予報」はともかく、こんなときに「ゴルフ場の天気」なんて、ふざけてるのか!と腹立たしくなる。台風の進路予想図を見たくて、我慢して見ていたが、出るのはほんのわずかな時間。すぐ次の画面に変わる。(後で、画面を残す方法もあったことに気づいたが、その時はあせっているから、わからず)

 また、テレビ高知、さんさんは特別番組がなかったが、「いざというとき、頼りになるのはどこか?」と県民はチャンネルを切り替えて見ていることを、どうかお忘れ無く。

 というわけで今回はずいぶん辛口になっちゃいましたね、ごめんなさい。

 
 
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