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ウィークリーN
第86回●2004年7月4日(日)

「異文化コミュニケーションを通じて」

 

空き缶と花

最近、某英会話スクールに通うようになりました。色々な意味でとても勉強になりますが、一番面白いなあと思うことは、外国出身の先生のコミュニケーションの取り方です。
 まず、先生方はとてもフランク。日本の学校では、ファーストネームで呼び合うこと自体、ありえませんよね。「Good morning,Mr.Tanaka.」であって、「Good morning,Akira.」とは言わない。呼び方って、やはり心理的距離を設定するものですねえ。また、先生の表情もにこやかで、場を和ますことがうまい。ユーモアがあり、生徒を笑わせようとするサービス精神をよく感じます。見習わなくちゃ!と思うことの一つです。

 それから、インタラクティブ・コミュニケーションを大事にしています。インタラクティブ・コミュニケーションというのは私が論文で使った造語ですが、一方通行ではなく、相互交流のコミュニケーションのことです。特に教える、という場においてはこれが一方的になりがちなものですが、1人1人の反応を実によく見て、さりげなく指導しています。答えを引き出し、しゃべらせる努力を怠らない。もちろん、少人数クラスだからこそ、できることではありますが。

 1度、レベルアップテストなるものを受けたのですが、これも面白かった。日本のテストに慣らされている私はテストと聞いて少し緊張していたのですが、まったくパターンが違っていました。記述式ではなく、基本的な条件を盛り込むと、後は自由にしゃべれるものだったのです。どちらかというと話を作る力が必要で、「なんか想像力のテストみたい」と思ったほど。私にとってはすごく新鮮でした。また先生もよく笑い、反応してくれるので、やる気が出て来ました。先生の反応ってこんなに大事なんだと、改めて実感しました。

 結局、大事なのは伝えたい気持ちなんですね。その気持ちと積極性があれば、文法が多少間違っていても、結構伝わるものなんだとよくわかりました。たとえばappleという単語が出てこなくても、「果物で、赤くて、丸くて、かじって食べる。お菓子のパイでよく使う…」とか説明できる積極性や柔軟性があれば、相手にわかってもらえるわけです。逆に「この場合、前置詞はこれで正しいのか?」とかを考え込み過ぎちゃうと言葉が出てこなくなり、コミュニケーションが途絶えてしまう。

 ところで、この「積極性」が、日本の学生は苦手です。講座の後、「質問はありませんか?」と聞いて質問が出るようなら成功、と言われるほど質問をしない。社会人の研修でも同じです。国際会議では、「日本人に意見をしゃべらせ、インド人を黙らせられれば成功だ」というジョークがありますが、枠にはめない発言を、公の場でどんどんできるような練習を学校でも もっと取り入れていくべきだなあ、と感じたのでした。

 
 
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