第1034回 「記念すべき 追手前での高知新聞取材」

12月3日

先日、高知新聞社から『追手前伝説』を追手前高校で取材したい、との有り難いお話を頂きました。こんなこともうないので、 すみませんが今回は予定を変更し、ご紹介したいと思います。

いつもと変わらぬ美しい立ち姿の時計台。
校舎の前で、高知新聞の期待の新鋭 川田樹希(かわたたつき)記者とお会いし、お話ししながら校舎内で中央階段や廊下などの撮影をしました。大阪出身という川田記者は 追手前の古い校舎が珍しいようで、熱心に聞き取り取材をしてくれて嬉しくなりました。

澤松事務長がお気遣い下さり、せっかくなので時計台の上にも登ることに!

川田記者は鉄バシゴ、文字盤や裏の落書きまで興味津々の様子でした。礼儀正しく知的好奇心が高いのは、新聞記者としては大事な特質だなぁと改めて感じました。自然にこちらも話したくなるような人としての魅力が見えると、より良い取材につながりますよね。

この日は風が強く、欄干に出ると飛ばされそうな勢いでした。その「自己責任」を伴う高さには、驚いたようです(笑)

そこで、同行してくださった事務長から意外なお話を伺いました。
『追手前伝説』でご紹介したのですが、実は西面の時計の文字盤は割れていました。(写真は2021年10月撮影)その西面がお城からはよく見えるため、ずっと気になっていたとのこと。

驚くことに、その壊れた文字盤は、きれいに修理されていました。

直径 1.2mもある文字盤をはずして下に運ぶのは大変だったようで、2階、3階、4階の床板の一辺を大きく切ってはずし、そこを通して下に下ろしたとか。

新しい文字盤は、3Dプリンタで作成されたと伺って、川田記者とビックリ。さすが、時代は令和です。そんな工事中の、時計をはずした貴重な写真も提供して頂きました。

すごいですよね、この絶景。奥には高知城。まるで絵のようです。
窓の外にはガラスがあり、そこを拭くのも一苦労だったとか。

西面の文字盤をはずした時計台の、外観の超貴重ショットです!
(中に見えているのは、蛍光灯です。)

大きく壊れていた文字盤が 今では、こんなにピカピカになりました♪

高岸校長先生ともお話しし、より追手前を知って頂ける機会になったことと思います。

そして今日、12月3日(土)の高知新聞に、『追手前伝説』を取り上げて頂きました。
紙面でのタイトルは「『追手前伝説』真相に迫る」です。川田記者が実際に足を運び、体感したからこその温もりの伝わる文面、物語性のある文章の展開に「さすがは新聞記者さんだ」と私も勉強になったのでした。

月並みですが、追手前をご紹介する良い機会を、本当にありがとうございました。

第1033回 「高知の名建築、織田歯科医院①」

11月26日

近代建築好きの皆さま、お待たせしました。高知県の誇る近代建築、織田歯科医院の登場です!先日、追手前高校が国の登録有形文化財になるというニュースをお伝えしましたが、織田歯科医院も2017年に国の登録有形文化財になっています。

実は偶然「文化財を楽しむ」という、高知文化財研究所の溝渕先生が建築を解説なさる講座を知ったのです。それがなんと織田歯科と追手前高校を尋ねると知り、ぜひ!と参加しました。織田歯科は一般公開されていないため、念願が叶いました。

織田歯科医院は、大正14年(1925)に建てられた、鉄筋コンクリート造りの洋館です。二代目院長の織田正敏氏によって建てられました。高知で現存する中では、最も古い時期の鉄筋コンクリート造り建築でしょう。
当時、専門で鉄筋の建物を建てる人は高知におらず、設計者は不明です。

壁は、大正期のモルタル洗い出しという手法。セメントモルタルに砂利などを入れて塗り、固まる前に表面を水で洗い出し、砂利などを露出させる方法です。高知は風雨が強いため、大正時代の外壁の仕上げはこれが多いとか。

門柱はドイツ風のデザインです。
昭和20年の高知空襲の時、高知市街地の7割が焼失しました。この建物にも30個ほど焼夷弾が落ち、うち5個が燃え上がったそうです。その焼け跡が塀に残っています。

真ん中の、モルタルが剥がれ落ちているのが焼夷弾の痕だそうです。
この塀も、医院とは別に 有形登録文化財に指定されている貴重なものです。

外壁の中央部と、1階と2階の窓の間には、メダリオン(立体的な装飾)が付いています。縦長で、アクセントが効いていますね。

屋上中央には、バロック調の装飾も見えます。

屋上の左にはペントハウスがあり、上に紋章が見えます。
これもドイツ、フランスのバロック系統のようです。

窓は木製の上げ下げ窓で、全部木製のものが残っています。

看板は古い時代を模して作られたもの。
建物とよく似合う、レトロなデザインです。

玄関は両開きです。

ひさしの屋根は「照り起り屋根 (てりむくりやね)」と言って、反り(そり)とむくり(膨らんでいる形態)が両方ついている、めったにない屋根だそうです。

現在、織田歯科医院は隣の新館に移り、この洋館は ウエディングプロデュース会社「レ・プリュ」が借り受け、挙式や披露宴会場として使われています。100年近い洋館ですから、「末永くお幸せに」と縁起がいいんでしょうね(笑)

では、いざ中へ!というところで、次回に続きます。

第1032回 「追手前高校、国の登録文化財へ!」

11月19日

今日は、高知追手前高校の144周年の創立記念日です。

昨夜開かれた校友会懇親会で、なんと追手前高校が国の登録有形文化財になるというニュースが入ってきました!何年も前からそういう噂は聞いていましたが、まさか今とは!役員の皆さんからも、期せずして拍手が起こりました。
すごい瞬間に、立ち会わせて頂いたものです。

「和風時計塔がシンボルの近代学校建築」、と今朝の新聞各紙は伝えていました。現役の生徒さんたちは、きっと誇らしい気持ちになったことでしょう。

昨夜はもう一つ。校友会の会長さんがご紹介くださって、校友の皆さまの前で『追手前伝説』を出版お披露目させていただきました。

パワーポイントで、本から写真と内容をいくつか紹介させて頂きました。
『時計台の欄干まで上ったことのある方は?」と伺うと、さすがは役員の皆さま、6~7割ほど手が上がりました。

戦中の校長先生の話などにもふれたのですが、お年を召した方々が特に喜んでくださったようで、色々と昔のことを教えて頂けて幸せでした。

会場の受付で、本の販売もさせて頂きました。もちろん、初めての経験です。
「あっ、ポップがない!」
こういうときに、価格とかの説明文がいるなあ、と気づきましたが、後の祭り。
次回への教訓です(笑)

校友会東京支部の皆さまや、追手前の先生と記念の一枚です。
右端が東京支部の会長さんで、「ミスターマンオブザイヤー」で高知愛が日本一と認定された方です(笑)

私の左隣の東京支部副会長のTさんは、コロナ禍で私の追手前のコラムを見つけてメッセージを下さり、ずっと応援してくださっていましたが、何年越しかで初めてお会いできました!とっても嬉しく、追手前のご縁に感謝です。

これから文化財になるということで、ますます注目されるであろう追手前高校の校舎。片思いしている私としては、好きなスターがどんどん有名になっていくような、誇らしい気分です(笑)