第745回 「厄落とし」

4月29日

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前回に続き恐縮ですが、来月 次女が挙式します。わが家にとっては最大級のお祝い事なのですが、大きな慶事の前だからでしょうか?不思議なことが起きています。

次女は入籍当日、車をぶつけてしまいました。その時は「結婚という大きな幸せを手に入れるのだから、まあ厄落としだと思って」と慰めたのですが…

続いて夫が3月に軽い物損事故を起こし、今月私も シートベルトを付けながら発進していたら、マイナス1点の切符を切られました。こんなことは初めてですが、筒井家で運転する者は 全員が数か月の内に運転がらみのトラブルを起こしてしまったのです。

「これでほぼ全員がトラブルにあった」「でもまあ、涼歌(すずか:長女)は運転せんから、そんなこともないわねえ」と話していたのですが、なんと2日前、デイサービスから「涼歌さんが車イスで散歩してた時に横転して、ケガして病院に行っています」との連絡をもらって、駆けつけました。

デイサービスでこんな事故が起こったのは初めてです。幸い、CTやレントゲンを撮っても異常はなかったのでホッとしましたし、私が出張中とかではなくて不幸中の幸いでした。そして、ふと「これで家族全員がこの時期、厄災にあった」とも言えることに気づき、驚きました。

82歳になる母にそのことを話すと、「大事(だいじ)の前の小事(しょうじ)やね」。「大事を行う時には小事にこだわってはいられないから、小事を犠牲にしても仕方がない」という意味です。

まあ 私としては、結果的に「大事なし」(たいしたことはない)となったことに安堵しています。これで全員が大きな慶事の前の厄落としがすんだ、とも言えるでしょう。人間万事、塞翁が馬。安心して、式を迎えられるだろうと思っています。

第744回 「ウエディング・フォト」

4月24日

来月の次女の結婚式を控え、ウエディング・フォトの前撮りに行って来ました。

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結婚式当日は、親はあいさつに回らなければならず、ゆっくり披露宴を見ることもできないと聞いています。娘は二人いるけれど 結婚式はこれが最初で最後なので、晴れ姿を堪能したい身内にとって、前撮りはとてもありがたいイベントです。特に写真撮影が好きな82歳の母と私は楽しみにしていました。

30年前の私達の頃のスタジオ撮影とは違って 今は前撮りもロケが主流ということで、いくつかのスポットで撮影をしました。幸い、お天気ももってくれてありがたかったです。「でも外でロケの場合、衣装を着替える時にはどうするのだろう?」と思ったら、スペースを借りられない場合には写真館のロケバスの中で着替えや髪型のチェンジまで行うのです。狭い場所で美容師の先生は非常に大変です。

今回幸運にもお願いできたのは私の結婚の時もお支度して下さった 、SHANZE会長の小松公子先生。長年のノウハウと数々の受賞経験、天性のセンスで全国的にもご高名な先生です。梨園の中村勘太郎さんと前田愛さんの前撮りから披露宴までの着付けもなさったほど。

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その手際、仕上げの美しさ、小物や色合わせのセンスには「さすが、小松先生!」と、何度となく感動を覚えました。まさに美の職人技です。

近年、和装がまた少しずつ復活の兆しを見せていますが、着物に洋髪、というスタイルが多いようですね。次女の友人も沢山結婚しましたが、全員洋髪だったとか。でも、最近のかつらは軽量化されていて長時間つけていても痛くないよう改良が進んでいるし、種類や髪の色まで選べて、より自然なかつらになっていました。

私達の若い頃には、結婚式ではみんな被っていたかつらですが、このままだと廃れてしまうかもしれません。なんとももったいない気がします。

また、打ち掛けの職人さんの緻密な技、美しさには改めて心を奪われました。
相良刺繍(さがらししゅう)ってご存じですか?

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糸で結び玉を作り、それで図柄を作っていく手法です。私も初めて知りました。
この年でも、勉強になることだらけです。

かつら用のかんざしは、置いてあるだけで輝きに目を奪われるし…

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伝統って、その時には取っつきにくくても、後から理解や郷愁があふれてくるものかもしれませんね。改めて色んな「日本の美の深さ」に心打たれたことでした。
若い方々にも、こういう美しさをもっと知って頂けたらいいなぁ。

もちろん、洋装も和装も、「みんな違ってみんないい♪」

前撮りのメッカとも言える牧野植物園では、通りすがりの方々がたくさん「きれい!」「おめでとうございます」と祝福して下さり、若い二人も心から嬉しそうでした。この ほんわかした空気感と感謝の気持ちは、これからも大切にして欲しいなあと心から願っています。

第743回 「T.O.T.E モデル」

4月15日
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今年は桜の時期が高知では4月にずれ込みました。この時期、フレッシュな新人研修会のご依頼を頂きます。「4月は新人研修で忙しいでしょう?」とよく訊かれるのですが、今では新人研修は少しで、4月から6月の時期は大学がメインとなっています。

それでも、素直でやる気に溢れた新人研修は、私もリフレッシュさせて頂けます。
5年ぶりにご依頼頂いた先日の研修会では30分前に会場に入り、事務局の皆さんも一新なさっていて、ごあいさつ。いつものようにチェックシートをチェック、シート配布のタイミングを事務局の方はきちんと受講者用レジュメに書き込まれていました。

さて、研修開始。ところが30分後、予想もしなかった事態が。「次、読んで下さい」の指示に新人さんが戸惑って、「ないです」「ないって?」
実は、受講者用レジュメが最初の3ページしかなかったんです。想定外の展開に。

身だしなみ、ホウレンソウ、敬語、電話応対…細々と書き込んだ資料が一切ないと、書き込みだけで相当時間を取られます。一瞬途方に暮れましたが、笑顔で「仕事ではこんな風に、予想もしなかったことが起こります!ここをどう乗り切るかが大切なんですね」と話し、「皆さん、ノートを持っていますか?」と確認。持っていない人には白紙を持って来ていただき、続けました。

休憩時間に確認すると「今、印刷に行きました!」とのこと。しかし資料のページ数が多かったため 人数分印刷できたのは、身だしなみ、ホウレンソウ、敬語が終わってからでした。たくさん記入して頂いた分 時間が押してしまったのですが、最後の名刺交換でなんとかカバーできて、無事定刻に終われホッとしました。

実は学んだ心理学のお陰で、あまり動揺しなくてすんだのです。

NLP(神経言語プログラミング)の中でT.O.T.Eモデルというものがあります。目標達成までの行動プロセスで、T.O.T.Eの文字は
Test(行動)- Operate(修正)- Test(行動)- Exit(目標をめざす)。

やってみて、うまくいかなかったことを修正し、何度でもやってみる。失敗を失敗ととらえない考え方です。パニックになったり失敗を恐れて立ちすくんでしまうと、何も生み出せないままになってしまいます。当たり前のことではありますが、感情を乱されずに最善の対処行動をすることが大事ですよね。

「失敗はない。ただフィードバックがあるだけ。」
これはNLPで学んだ中で、私の特に好きな言葉です。
あ、本当はここまで伝えられたらもっと良かったかも。

そしてフィードバック。受講者用のレジュメは今後必ず準備して頂いて、中までチェックすること!研修講師になって20年ですが、今回 お陰さまで、とても良い学びを頂けました。すべての出来事が学びの師、ですね。(笑)