第749回 「サプライズのキビナゴ丼!」

5月26日

高知市から車で2時間半の宿毛市。4月~6月の時期、キビナゴが旬を迎えています。
宿毛のスーパーでは、きびなごが1パック200円と大安売り。

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新鮮なキビナゴは青っぽく、時間がたつにつれて赤っぽく変わっていくんです。

今、宿毛市ではキビナゴを使った丼で町おこしに取り組んでいます。
きびなご丼マップまで作っているんですよ。
ということで宿毛に行った時、早速味わってみました!

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3年ほど前にできた、「レストランバー聖」さんに初めて行ってみました。
宿毛駅の東南、ホテルアバン宿毛の向かいあたりです。レストランウエディングもなさっている、とてもきれいな所です。

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入口を入り、右手のドアをくぐると、レストランです。

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中は白を基調にした、ウエディングにピッタリの雰囲気。

実は生のキビナゴを使うきびなご丼は、どこのお店も前日までに要予約です。キビナゴは非常に足の速い魚で、新鮮でないと刺身では食べられません。もちろん荒天で、水揚げがなくても食べられません。この日も低気圧が近づいてたので大丈夫かな?と心配だったのですが、無事、生のきびなご丼(850円)が目の前に運ばれて来ました。

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おーっと、薬味が多くて見えません!お箸でかき分けてみると…

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青光りする新鮮なキビナゴが顔をのぞかせました。おいしそ~う!
一方、中村の前に運ばれて来たきびなご丼は、「わたぼうし丼」(850円)。

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(なんだ、これは??)という顔をする中村。ふっふっふ、驚いただろう!
私もネットで見た時には驚いたもんな~。(笑)
「キビナゴの天ぷらの上にのっているのは何ですか?」

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「これは、綿菓子です」「えー!??」
「こちらのたれを上からかけてお召し上がり下さい」と笑顔のウエイトレスさん。
ウエディングもなさっているだけに、接遇力も高くて好印象です。

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温かいたれをかけると、綿菓子はジュワ~ッと見る見る溶けていきます。
ビジュアル的にも楽しめる丼なんですね♪

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それぞれ、小分けして味わいました。
生のきびなご丼は、銀色のラインが青みがかって本当にきれい!
鮮度が命の魚ですが、今朝の獲れたてですからね。

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キビナゴはあっさりした味だけど、卵黄でコクを出し、薬味でさっぱり。
和風の味わいは、そりゃもう期待通りの美味しさです!
かたや、初のわたぼうし丼は…

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中村の「すんごい味です。食べてみて下さい!」に、思わず笑いました。
開いたキビナゴの天ぷらに、綿菓子が溶けてほのかな甘みが広がってて、こくのある甘辛い感じにうまく仕上がってます。綿菓子のサクサクした食感で実に美味しい!

「最初は筒井さん、普通のが食べられていいなと思ってたんですが、
すみません。こっちの方が美味しいです!」と興奮気味。
「うん、生の方は予測できる美味しさだけど、わたぼうし丼はサプライズ!
不意打ちを受けた美味しさって感じだよね~」と話も弾みます。

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食後は可愛らしいラテアートのカプチーノを頂きました。
コーヒーの味が見た目とのギャップで実に芳醇だなぁと思ったら、イタリアの老舗シモネリ社のエスプレッソ・マシーンを使用しているとか。道理でと納得。

さすがは旬の美味。週に一度は食べたいようなきびなご丼に、宿毛でのお仕事はないかなぁと真剣に考えているほどです。(笑)

第748回 「幕末維新写真展」

5月21日

高知家では3月から「志国高知 幕末維新博」が開幕しました。幕末維新期の土佐の歴史を巡り、維新の息吹を感じとって頂くものです。場所は、新しくオープンした高知城歴史博物館と坂本龍馬記念館の2つのメイン会場、加えて各地域における幕末維新の志士ゆかりの歴史文化施設など20の地域会場があります。

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その会場の1つである宿毛市歴史館で行われている「幕末維新写真展」を見に行きました。全国でも貴重な幕末から明治にかけての多くの「ガラス湿板写真」を展示するというもので、ちょっと面白そうと心が動いたのです。会場は、宿毛文教センター3階の宿毛歴史館。

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幕末維新写真展は、幕末から明治にかけて撮影された貴重な写真を展示していました。撮影はOKだけど、フラッシュは禁止とのこと。きっと光による劣化を避けるためでしょうね。

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リアルな着物と髷(まげ)の形。当時の人々の息づかいまで聞こえそうです。
右の写真ケースの裏には、「慶応二年六月一五日 三橋樓 仲居 政女 三浦屋店妓女 君子」と書かれていました。なるほど、襟の合わせ方などがゆったりとしていて、いかにも仲居さんや芸妓さんだなと感じました。

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これは京都で新発見された、堀与兵衛撮影の写真。(初公開)最近、こうした仲居さんと一緒に写真に写った志士の写真などが新たに発見されていますよね。「歴史上の人物」といった感じではなく、なにか親近感を覚えます。

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当時の肖像画と、写真を対比して見るのも面白いものでした。
こちらは明治天皇の皇后、昭憲皇太后の肖像画です。華やかですね~。
そして昭憲皇太后の御真影は、こちら。

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やはり写真になると、ぐっとお一人の人物像を感じます。
肖像画は衣装の華やかさが前に出てくるのに対し、ご真影はお顔立ちから毅然となさったお人柄まで忍ばれるようにも思います。

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坂本龍馬の写真3点もありました。いずれも慶応三年に撮されたものです。

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中でもこの写真は、龍馬の雰囲気がよく伝わってきます。
現存する龍馬の上半身写真では、非常に鮮明に写っているものだとか。
明治期を代表する写真師、成田常吉が複写したものです。

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日本画家、公文菊僊(くもんきくせん)が描いた龍馬の肖像画もありました。右の写実的なものから左のデフォルメされたものまで、年代で比較できるのも面白かったです。そういえば亡くなった大伯父の家にも、真ん中の肖像画に近いものがあったなぁ。

もっと面白いのは、公文菊僊は龍馬の死後の画家で、幕末維新期に撮影された龍馬の写真を参考にしたということです(笑)。菊僊が筆を持ち始めた頃には実際の龍馬を知る人がまだ健在であったため、聞き取りをして肖像画を完成させたとか。

わかるわ~、明治生まれだった私の亡くなった祖母からは、「龍馬は小さい頃には寝小便たれやった」とか、まるで近所のおじさんのことのように聞かされたので。(笑)土佐人にとって龍馬は偉い「センセイ」ではなく、隣にいる身近な友人なのだな、と改めて感じたのでした。

なお「幕末維新写真展」は、宿毛市での展示は5月21日(日)で終了しましたが、中岡慎太郎館(北川村)で7月12日(水)~9月4日(月)まで開催予定です。

第747回 「結婚式と介護の両立」

5月14日

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昨日は、次女の結婚式でした。挙式が午後4時から、披露宴は6時からだったのですが、私は朝10時には美容院入り。留め袖を着るのは何十年ぶりでした。私が結婚した頃には親族一同留め袖を着ていたものですが、今は着るのは母親だけで後の皆さんはドレスということが多いですね。ここにも時代の流れを感じます。

昼に仕上がって、ご飯を食べて移動。ホテルの部屋で、次女はお支度をします。午後から夫が車イスの長女をホテルに連れてきました。

親族控え室もあるのですが、そこは和室で車イスでは入れません。花嫁の支度室も段差があり、入れません。だから介助のためにはもう一室構えないといけないことに気づいたのが、式の2週間ほど前だったでしょうか。5月の週末でホテルも満室でしたが、なんとかシングルのお部屋を一室押さえて頂けました。

でも 長女の介助もあるのですが、この日だけはやっぱり次女のお支度についていてあげたくて。

結婚式場は小さな会場でしたが、お友達が沢山お越し下さって、温かな式でした。

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さて、受付の方々や結婚式の立会人になってくださった友人へのプレゼントを渡さなきゃと人探し。いざ始まると、長女も結婚式や披露宴のスピーチには心を振るわせられるのか 声に出して泣くので、「泣かれんよ」となだめつつ、食事介助。写真も撮りたいけど、この日のメインのお仕事は、披露宴での皆さまにご挨拶回りです。

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二人が披露宴にサプライズをいくつも入れてたので、進行は知らされてなく嬉しくも多忙で、ずっとバタバタした3時間。でも、お越し下さったたくさんの皆さまが本当に温かく、笑顔で祝福くださって、何度もありがたいなぁと思ったことでした。あまり日頃次女と私は似ていると言われないんですが、昨日は「そっくりですね」と何回もお声をかけて頂けて、嬉しかったです。

長女の介護をしながら育てた次女には、充分に手をかけてやれなかったと思いますが「時に焼きもちを焼いたこともあったけど、今では分け隔てなく愛情をたっぷり注いでくれたことがわかります。ありがとう。」と語ってくれました。

しかし その一番感動的な場面で、長女が次女の話に「はい!」とか「ありがとう」とか合いの手を入れるので、そっちに持って行かれてしまいました。(笑)
そして、次女が私達にくれた手紙は 新たな宝物です。

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さて余韻に浸る間もなく、披露宴が終了するとすぐさま部屋に長女を連れて行って、トイレ介助。留め袖ですることじゃありませんが、仕方ありません。着物を支度室で脱げたのは10時前だったでしょうか。新婦の母の役割と長女の介助との両立が大変とは思っていましたが、ここまでとは予想外で、家に帰ると本当にグッタリしました。しかし、寝込んでいられません!コラムを書かなきゃ。明日も研修が待っています。

でも、これも幸せな疲労感ですね。次女と縁を結んでくれた穏やかで素敵なお婿さんとの新しい家族の物語が始まります。