第784回 「冬の下関にて」

1月27日

先週末は、山口県下関市の病院で研修を行いました。ご縁を頂いての研修で、山口県は初めて。博多まで飛行機で行くか JRで行くか迷いましたが、1月の時期なので雪が降ったら飛行機が飛ばないかもしれないリスクを考え、片道6時間かけてのJR移動を選びました。

看護部門の管理職の方々を集めての研修でしたが、どう接すれば、疲弊している医療現場で部下が元気になれるのか?何より自分が元気になれるのか?というテーマで、交流分析の「ストローク」(心のふれあいの行動)を選びました。「心の栄養、足りていますか?」というサブタイトルをつけて。

理論を学びたくさんのワークをして頂いたので、最初は真面目で硬かった下関の皆さんも、次第に笑顔と元気がこぼれてきたのが印象的でした。

「研修の中で一番嬉しかったのは、自分を見てもらえる受け入れてくれていると心から思えたことです。自分の知らなかったことを相手が見てくれる嬉しさ、とても印象深いです。」
「職場や人間関係、子育ては色々な迷いがあったりうまく行かないことが多く、考えることも多い中、今回の研修でかなり沢山の生きるヒントを頂いた気がします。」

お陰さまでお役目を果たせて、ホッとしたのでした。

そして研修の後、看護部長さんがご厚意で名物「瓦そば」の「たかせ」という有名店へ連れて行って下さいました。西南戦争で薩摩軍の兵士たちが戦の合間に瓦で肉や野草を焼いて食べていた話から、瓦で茶そばを焼くという料理が創作されたそうです。

写真では伝わりにくいですが、この瓦、すっごく大きいんですよ!ポットや湯飲みと比べてみて下さい。これで2人前で、女性二人では食べきれないくらいの量がジュージュー音を立てて出て来ました。

熱々の茶そばに錦糸卵や牛肉を乗せ、ネギに海苔、レモン、もみじおろしも。温かいおつゆにつけて頂くのですが、茶そばが次第に熱い瓦でパリパリになっていく食感が楽しく、予想以上に美味しかったです。

まるで竜宮城のような外観の、赤間神宮。1185年、源氏と平家が最後に戦った壇ノ浦の合戦において入水された幼い安徳天皇を祀った神社です。境内には平家一門の墓や、小泉八雲の怪談で有名な耳なし芳一堂もありました。(そこは写真を撮ってはいけない気がして、自粛。)

有名な平家ガニ。壇ノ浦の戦いで討たれた平家の怨念が乗り移ったカニだという言い伝えがもとになっていますが、本当に憤怒の形相のようで驚きました。食用ではないらしいですが、獲れても嫌でしょうねぇ。

さて、高知は食の宝庫ですが、下関も食が豊かで、実に味わい深い所でした。

最初の夜に頂いた、活きイカのお刺身。身が透き通っていて、プリプリでした。

そして、下関と言えば、何と言ってもフグです!
「KATSUMOTO」というお店で、「ふく」ののフルコースを頂きました。下関では濁らずに「ふく」と言います。幸せの福にあやかって縁起が良いからだとか。

豪華絢爛、ふくの薄造り。下関では1枚ずつ食べずに箸で数枚すくって、細いネギを巻いて食べるそうで、贅沢にそうやって味わいました。

手前は、ふくのにぎり寿司。後ろの女性と比べると、いかにふくのお刺身のお皿が大きいかがわかるでしょう。ほぼ皿鉢大です。女性4人では食べきれないほどでした。

ふくの唐揚げ。

ふくちり。食べ終わったらぞうすいにしました。
もう一生、ふくをこんなにたらふく食べることはないでしょうねぇ~。

初の下関でしたから、せっかくなのであちこち見て回りました。
次回へ続きます。

第783回 「幸せになる魔法のことば」

1月18日

「幸せになる魔法のことば」、ちょっと素敵でしょう?実はこれ、高知大学名誉教授の森惟明先生のご著作のタイトルです。

4年前の2014年、第592回の「極上のドクター・スマイル」でもご紹介しましたが、森先生は現在80代半ばにして、笑顔が素敵な脳神経外科のエキスパートでいらっしゃいます。

実は森先生は2015年に心筋梗塞を起こされ、一度はすべてのお仕事から身を引かれました。ところが昨年、「サクセスフルエイジングへと導く50の答え」という新刊を頂戴し、ビックリしました。体調が落ち着かれてから、また少しずつ活動をなさっていらっしゃったのです。本当に凄い方です。

高齢者に向けて書かれた「サクセスフルエイジングへと導く50の答え」ですが、その中には、ポジティブ心理学のことまで書かれていて、驚きました。ポジティブ心理学は、普通の人がより 仕事のやりがいを感じ、より生きがいを感じ、本当に幸せに生きるための心理学です。私も人生の着地点はここだと思い数年前から学んでいましたが、今年はその開祖とも言えるアメリカ心理 学会の元会長 マーティン・セリグマン博士が7月に来日なさるので、ワクワクしています。

話を戻しましょう。2015年、森先生が心筋梗塞を起こされる前に発刊された「幸せになる魔法のことば」ですが、心が元気になる素晴らしい文章がちりばめられています。先生のお言葉を借りれば、

「たった一つの名言によって、今までの価値観や物事の捉え方が大きく変わることもあります。(中略)しばしば人生は旅に例えられますが、人生という旅を支えるのは心だと思います。どうか心を支える【杖ことば】を持って生きていってください。」
杖ことば、っていいなあと感じ入りました。

その他にも、脳神経画家のドクターらしい科学的解説を含めた示唆に富んだお話が、私は大好きです。例えば、「祈りは幸せをもたらす妙薬」という章では、「え、祈り?自分にはあんまり関係ないかな~」と読み始めは思ったのですが…。

祈りこそ副作用もない幸せをもたらす妙薬で、【幸福脳】をつくる最高の良薬と言えます。

脳科学的に、誰かに対して怒りや妬み、恐れ、不安といったネガティブな感情を持つと【ストレス物質】である【コルチゾール】という物質が分泌され、記憶の重要回路である【海馬】が萎縮します。

逆にポジティブな祈りは、【ベーターエンドルフィン】や【ドーパミン】【オキシトシン】など脳内快感物質が分泌され、多幸感や快感をもたらします。相手の幸せをも祈ることは、自らの幸福にもつながっていきます。
【オキシトシン】はいとおしさの感情を生み出す愛情ホルモンで、自分のためでなく、誰かのために祈ることは、自分の脳にも良い影響を及ぼします。祈りは自他共に幸福をもたらします。

なるほど!こう論を展開されると大いに納得です。このようなお話がたくさんあって、読み終わる頃には森先生の医学的知識に裏打ちされた人生の知恵が、心になみなみと豊かなエネルギーを満たしてくれます。次のことばも大好きです。

・「楽しいことをする」のではなく「することを楽しむ」と発想の転換を行い、没頭し尽くしてとことん生きれば、そこには必ず幸せな人生が開けるといわれます。

「楽しいことをする」のではなく「することを楽しむ」。これって、所ジョージさんも同じことをおっしゃっていました。登り口は違っていても目指す頂きは同じなんですね。

森先生のご本は高齢者に向けて書かれたものが多いのですが、「幸せになる魔法のことば」はどの世代にも当てはまるため、以前から再販のご要望が多かったそうです。しかし自費出版だったため絶版になっていて、なかなかご要望に添えなかったのです。

昨年末、やっとご要望にお応えして重版なさったことを知り、LABプロファイルの新年会でも早速皆さんにお配りし、喜んで頂けました。歳時記屋さんという会社が扱っています。(電話:088-882-0333)

この素晴らしい本を、1名の方に差し上げます。お名前、アドレスなどをご記入の上、メールで当社( info@h-mirai.com )までご応募下さいね。
締め切りは1月31日(水)です。

第782回 「決断の時。」

1月13日          中村 覚

エンジン音がいつになくうるさく、オイルの赤いマークも点灯。こうなると いくら車の構造にうとい私でも心配になり、近くのガソリンスタンドで見てもらいました。今回ばかりは人任せにしてはいけないと店員さんと一緒にボンネットの中を凝視。青い液体が四方八方に飛び散っている様を見たのは初めてでした。説明によるとこれがエンジンオイルだそうで、「エンジンオイルは青色かぁ」勉強になるな。実は勉強している場合ではなく、「即 修理が必要、しかも緊急に。」

「えぇ~、 実は2日後、どうしても室戸に行かなくてはいけません。室戸ぐらいなら、なんとか 大丈夫でしょうか?」「このままでは危ないです、絶対にやめた方がいいです。」 そんなに重症ですか? つまり病院に行ったら、「即、入院」と言われているような感じですか。

とりあえず、応急処置としてスタンドでエンジンオイルを入れてもらい、それから定期的にいつも行っている車屋さんへ向かいました。詳しく調べてもらうとどうもエンジンオイルの容器の蓋のパッキンだかバネだかが傷んでいて、ちゃんと閉まらない状態になっている、そのためにオイルが噴出しているとのことでした。1万円ちょっとかかりましたが、小1時間程で直してもらうことができ一安心。

後日、室戸にも行き これまでと同じように順調に走ってくれていました。ただ時々、エンジン部分からブクブク音がし始めました。「お湯でも沸いているのかな?」そんな音です。しかし修理してからオイルの赤いマークが点灯することもなかったので、何事も気にし過ぎは良くない!ということで、そのまま走行を重ねました。

そして5000km毎のオイル交換の時期がきたので、いつもの車屋さんへ。「中村さん、車の調子はどうですか?」「この間、修理してもらってから大丈夫です。」ブクブクお湯が沸くような音のことはすっかり慣れっこになって忘れていました。

「中村さん、エンジンオイルには問題ありませんが、冷却水が異常に減っています。」 冷却水? 減ってたら入れておいて下さい。

しかし事はそれほど簡単じゃないと後でわかりました。詳しく調べてもらった結果、エンジンの心臓部分にあたるタンク(?)、このタンクは本来横一列にきちっと配置されているらしいのですが、どうしたことか私の車のはその内の1個がポコンッと出っ張っていたか、凹んでいたか・・・要するに1個だけ形状に異常をきたしていると判明。そのため冷却水が正常に巡回せず、エンジンの高熱により沸騰、そして減少。事態が更に悪化すれば、高熱のためエンジンはオーバーヒートして、いつどこで車が停まってもおかしくない状態とのことでした。(今は冬で外気温が低いため 危ない綱渡りができていますが、夏になれば即アウト!)

これを直すためにはエンジン部分を一度 根こそぎ車から取り外す大がかりな修理が必要で、一週間程 車を預けなければならないこと、費用は10万円以上かかり取り外して点検した結果、さらに修理が必要な部分が見つかれば金額もアップ。そして仮に今回の修理で直っても、次また違う部分が故障する可能性は高く、足回りは非常に危ない!

「うちの車、そんなに悪いのですか。一生 乗るつもりだったんですが・・・」

精神論だけでは車は走らないのでしょう。走行距離が18万7千kmですから、頑張った方なのかな。 もう お別れです。

こうして去年、暮れも差し迫った頃、車を代えたのでした。