第835回 「幸せな時間と学びの時間」

1月26日

知らなかったのですが、私は今年本厄のようです。たまたまお正月に神社のチラシを見ると、主人と長女は昨年が本厄だった(!)つまり後厄の年らしく。「これはみんなでお払いに行った方がいいよねえ」と言っていたのですが…。

次の日曜日のお昼過ぎ、83歳の母から「自転車同士の事故に遭った」との連絡が。近くに住む知人の方が警察を呼んで下さり、事故処理をしてもらいました。母を病院に連れて行って頭のCTを撮ってもらいましたが、何事もなく一安心。

その夜、近くに住む妹から連絡が。インフルエンザになって、38度過ぎの熱が出て倒れているとのこと。急いで家にあった経口補水液を数本持って行きました。ウイルス感染を防ぐためドアに袋をかけて帰り、その後23時まで開いているスーパーでお粥やプリンなど食べやすそうなものを買い、届けました。

翌日、母が脇腹が痛くなったとCTの検査をしてみると、あばら骨が折れていることが発覚。まあ、この程度で済んだんだからと気を取り直したのですが、検査費用が「3万8千円です」と言われビックリ!会計は事故処理扱いをして頂くことに。

この後連日、市役所・警察・相手方との交渉・病院などの事故処理と、妹に病人食を持って行ったり仕事したり…タフな私もさすがに参りそうになりました。通常の車同士の事故はほとんど保険会社に頼めますが、今回は自転車同士の事故なので山のような保険請求のための書類も、すべて自分で対応しなければなりません。保険会社のありがたみが身に沁みました。

助かったのは、自転車同士の事故でも警察を呼んでいたこと。事故を物損にするか人身にするかで悩みましたが、警察や保険の手続きは難航しなくてすみました。もし自分だったら、自転車同士の事故でその時にケガがわからなければ、警察は呼んでいなかったと思います。みなさ~ん、自転車同士の事故でも、警察に連絡しておいた方が良いですよ!

さて、妹も無事治り、家族みんなで神社にお払いにも出かけました。

母はコルセットをしていますが寝込むわけでもなく、また出かけています。「これくらい、どうってことない‼️」という83歳の気概は見事で、スーパーでも重い荷物を持とうとしてあわてて止めるはめに。なんてタフ!あの人、ジャック・バウアーの親戚かしらん。(笑)

ところで、人生には「幸せな時間」と「学びの時間」があるそうです。
今回のことで私は何を学ぶべきだったのでしょうか?
突然の複数のトラブル対応というのは、自分の苦手な分野の学びをしているのかなあと。最近、マルチタスク(複数の処理)がホントに苦手になってるなあ、と感じていたので。ひょっとしたら厄年というのはこれまでの学びの総決算なのかもしれないと思いました。

でも多分、またこれでレジリエンス(逆境から立ち直る力は高くなるはず♪♪
今年はポイント3倍期間だと思うので、だいぶポイントがたまるのでは。(笑)

第834回 「遠い記憶と引き換えに」

1月18日               中村 覚

ある日のこと、まだ17時過ぎだったと思いますが、冬の日暮れは早いので車のライトを点けて住宅内を徐行していました。夕闇の中、公園の木々の葉がゴーゴーと風で揺られ、見るからに外は寒そうです。

前方に道の両脇に2人ずつに分かれたランドセルを背負った小学生がいました。道を隔てて大きな声でジャンケンをして勝った方の組が、数歩だけ進むという遊びを繰り返しながらの帰宅途中のようでした。

こんな寒い中、早く家に帰らないと風邪ひくよ、親も心配していますよ~、 などとつい思ったわけですが、でもこれは大人目線の話。

子供は風の子。多分 こちらが思っているほどは寒くないのでしょう。いや もしかしたら全っ然 寒くないのかも。しかもジャンケンをして勝てば数歩 進むという非効率な遊び、この遊びはこっちが思っている以上に楽しくて仕方がないのだと思います。 これらの理由から 冬の夕闇の中でも 家路を急ぐ気持ちなど毛頭ない彼らでした。自分もそんな時があったのかなぁ? 今となっては全く思い出せません。

5歳の子どもにお年玉をあげた時のことです。とても喜んでくれました。中身の金額にではなく、ポチ袋の絵柄に。(笑)昨日もらって家に置いてあるお年玉は動物の絵なんだよと説明をしてくれました。 私のあげた(富士山の)絵柄は まだ持っていなかったから嬉しいのだと。(笑)

お年玉をあげてこれほど嬉しくなったことはありませんでした。この限りなく純粋な感性、超ド級。良いなあ。そういったものの断片ぐらいなら まだ自分にも残っているのかと思ったのですが・・・。

年に一度、正月に帰省する友人と話をしていた時のことです。子供の頃によく買い物に行った地元の駄菓子屋の話題になりました。同じ校区ということもあり、友人もその店には行っていたとのこと。

ところが、二人共 店の名前が出てきません。きれいさっぱり忘れているのです。どうでもいいことと言えば どうでもいいのですが、あれだけ通ったのに忘れる? これが年を重ねるということなのでしょうか。

頭のキャパがそろそろ一杯になってきているので、古い要らないものから捨てているのかもしれません。主に聞いてから捨てろよ。(まっ 捨ててはいないでしょうが。)

昔の記憶や子供の頃の気持ちを横にどかしてまでも、新しいスペースを作り、脳はそこに何を入れようとしているの?などとちょっと考えてみました。私は40才を過ぎ今年は後厄の年でもあります。これからの心の機微をちゃんと感じられるようにと、そのためのスペースなのでしょうか。

第833回 「新しい出会い」

1月11日

2019年も10日余りたちました。
新年を迎え、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?

私は今年に入って、新たな素敵な出会いがありました。
昨年ポジティブ心理学の講座で知り合った友人が「高知出身のお友達が東京からUターンするので、ご紹介したい」と言うことで始まったご縁。
今は便利ですねえ、離れててもフェイスブックでご活動を知ることができるので。

お正月に帰って来られた豊永純子さんと、初めてイタリアンレストランakkaでお目にかかりました。豊永さんはアドラー心理学をベースとしたコーチングをなさる看護師さんで、化粧ケア専門士で、講師でもいらっしゃいます。

毎日「よりそい看護師・豊永純子メルマガ」を配信するなど、東京でご活躍なさってただけにとてもアクティブで、かつ癒やしの雰囲気を持つ素敵な女性でした。高知に住むのは高校以来だとかで、精力的に高知ライフを満喫なさっています。

化粧ケア専門士として、んの患者さまに化粧を通しての内面・外面のケア、クリニック支援や研修等を行っていらっしゃるのですが、人を内面からサポートすることや医療への思いなどが共通し、美味しいお料理を味わいながら 初めてとは思えないほど話が弾みました。

今年は特に「化粧ケア」に力を入れていきたいそうです。がんになっても自分らしく生きられるように、がん治療に伴う「心」と「外見」のケアを充実させていきたいとのこと。

がんの方は眉が抜けたりするので化粧ケアは男性にも好評らしくあえて「メイク」ではなく「化粧」としているとのことでした。具体的になさっているのは

・がんになられた方へ実際にマンツーマンでケアを行う
・がんになられた方へ化粧ケア講座の開催
・病院にいらっしゃる治療中の方へ化粧ケアの提供 など。

化粧ケアを学んで、共に実施してくださる方の育成も視野に入れているそうです。
こういう活動が広がると素晴らしいなあと、心が温かくなりました。

その反面、高知県医療審議会委員として考えさせられた話もありました。

高知県に限らず地方は都会流出で慢性的な看護師不足に悩んでいて、政府はアジアからの外国人看護師を雇用する方向に進んでいます。毎年約1万人が看護師の国家資格に合格していますが、離職者も毎年11%。高齢化が進む日本では看護師を必要としているのに、4万人もの看護師が不足しているそうです。

ところが、東京にいた豊永さんの周りではオーストラリアやイギリスなど、看護師の海外(欧米)への人材流出が多くなっているそうです。看護師の離職率が高い理由は勤務条件が関係しています。看護師不足を解消するために高知でも対策がとられていますが、東京と高知では看護師の時給は1000円も差があると聞き、驚きました。

看護師不足はどの国でも深刻な問題となっていて、アメリカは看護師の希望者が多いのに人材育成機関が少ないため不足しています。ドイツでは1960年代から人材不足が深刻で、外国人看護師の受け入れをしています。フィリピンは育成環境が整っているのに、国内での賃金が安いため海外へ流出しています。(「世界の看護師事情」サイトより)

こう聞くとフィリピンなどからの看護師に頼ろうとしている現状も、その国の看護師を奪っているわけで心が痛みます。今や日本だけでなく世界中で看護師が不足している中、地方での医療はますます厳しい将来が待っていそうです。

それに対して、何ができるのでしょうか?難しすぎる問題ですが、求められる一つが豊永さんのような温かで手厚い看護なのかもしれません。