第849回「交流分析はいかが?」

4月30日

実は令和初日から1週間 東京でセミナーに出るため、今週のコラムはかなり先走って書いています。(笑)

さて、今回は交流分析のお話。名前は固いですが、心と行動によく効く楽しい心理学です。そう、交流分析を知ると、コミュニケーションが楽になるんです。

私が交流分析と出会ったのは、15年ほど前。初めて学んだ時には、「私も親に、こんな風に肯定して育てて欲しかった」と思うと同時に、当時高1だった次女の子育てにも「もっと早く知りたかった!」と、反省することばかりでした。
そしてその後は、日常生活で人間関係が存在する所すべてで応用でき、「こんなにも使える学びってあるだろうか。心理学ってすごい!」と思うベースになりました。

交流分析には7つのジャンルがあり、すべて自己成長や自己変革に役立つため、より良い生き方につながります。同時に「なるほど、あの人がああいう行動をするのは、こういう心理が働いているんだな」と他者理解にも使えるため、人財育成(子育てからビジネスまで)にも役に立ちます。(私もこれを学んでから、母との関係性がずいぶん楽になりました。)

では、7つのジャンルを少しご紹介しましょう。

1 自我状態(心のなり立ち)
人には三つの心(自我)があります。社会のルールを守ろうとしたり、相手をほめたりする親の心(P)、状況判断をする成人の心(A)、天真爛漫にふるまったり、頼ったりする子どもの心(C)です。これをさらに5つに分け、グラフ化したものがエゴグラムです。自分の特性と改善の方法を知ることができます。

2 やりとり分析(コミュニケーション)
私たちは、この三つの心を使って情報を伝えたり、相手を理解したりします。自分と相手の三つの心が、どう反応すると どういう対話になるのかを学びます。

3 ストローク(ふれ合い)
相手の存在を認める働きかけをストロークと言い、良いふれあいとは何かを学びます。人が幸せを感じるのも、不幸せになるのも原点はストロークの出し方、受け取り方によります。

4 人生の立場(人生の基本的立場)
日常生活で自分または他人に対し、また何かを決定するときに、どんな態度をとっているかを人生の立場と言います。自己肯定/自己否定と他者肯定/他者否定を自己分析し、できるだけ自己肯定/他者肯定(OK-OK)のタイプに近づくためにはどうしたらいいのかを学びます。

5 心理ゲーム(いつものトラブルパターン)
くり返される日常の人間関係での様々なトラブル。交流分析のゲームとは、必ず不快な結末になることが分かっているのに、くり返しやってしまう人間関係のトラブル行動です。なぜ人はこのような心理になりトラブルを起こし、また巻き込まれるのか、そして、そうならないためにはどうしたらいいかを学びます。

6 時間の構造化(時間の過ごし方)
時間の使い方の上手・下手が、豊かな一日か嫌な一日かの決定要因ともなります。そして人生はその一日の集約です。生きがいのある豊かな人生のために、時間の使い方について学びます。

7 人生脚本(自分で描いた人生のシナリオ)
あなたは、本当に自分が望む人生を生きているでしょうか。
私たちは、育てられた環境によって作られた行動パターンを持っています。知らず知らずのうちに縛られた行動パターンがありますが、なかなかやめられません。このような現象が起きることを交流分析では、「人生脚本」と言います。自分の人生の主役は自分であり、人生のシナリオは自分で作っています。これからの人生を悔いがないように生きるためには、どうしたら良いかを学びます。

いかがでしょうか?「これ、もっと知りたい!」と思うことがあれば、あなたは今、それを学ぶ時期に来ているのかもしれませんね。

講座は7月21日から月に1回、第3日曜日の9時~17時までです。このホームページのトップからも、講座案内をリンクしています。様々な方々が集まり、少人数制で和やかに行います。

日本交流分析協会認定の交流分析士2級の資格を取りたい方は、この講座を修了すると、2級認定試験を受けて頂くことができます。講座のお申し込みは日本交流分析協会・四国支部にして頂くことになりますが、その前のご質問やご相談などは何でも人・みらい研究所にどうぞお気軽にお問い合わせ下さいね。(088-871-0818、Email: info@h-mirai.comへ)

あなたにお目にかかれることを楽しみにしています♪

第848回 「色の魅力」

4月26日                 中村 覚

いつも行くTYUTAYA書店で、しょっちゅう見かけているうちにとうとう買ってしまったのがこちらです。

ビーズコースター。世の中にこういった物があることは何となく知っていましたが、買ったのは今回が初めてです。

これって~、そうです。子供のおもちゃです。「2才から~」と書いてありましたが、遊び心を装いつつも科学の深淵に迫るような佇まい。「20才から~」でもいいじゃないでしょうか。(笑) DNAが2重らせん構造になっているように、実はこれも何かの分子構造を模しているのでは!と見ているうちに思えてくるのが、コワいところです。(笑) 最近の子どもは早くからこういった物を手に取っているのですね。スゴイなぁ。

ネットで類似商品を探してみると、あるわ あるわ どっさりたくさん。部屋にこういうものが100個ぐらいあれば~、邪魔。(笑)

興味を持ったきっかけは形でしたが、だんだん「色」が気になり始めました。毒々しいほどの色。原色と原色のぶつかり合い。それでいてちゃんと調和が取れている。宇宙とはこういうものなのでしょうか? スゴイ。

そして ビーズコースターの後に買ったのが こちら。

これには科学的なものは何も感じませんでしたが(笑)、単純に配色が良い!カラフルなのに派手じゃない! 言っていることがおかしいですが、とにかく魅了されました。ある種、おもちゃの到達点はこのあたりにあるのではないかと思えるほどです。 並べた本やCDの隣に置いても名わき役、間違いありません。 (ちなみに 番号の書いてある玉っころは100円ショップの品。)

1884年、スウェーデン創立の スウェーデン王室ご用達の人気木製おもちゃBRIO(ブリオ)の品です。私は全く知りませんでしたが、子育ての経験がある最近の方だと普通にご存知なのかなぁ~と。

バラすと こんな感じです。

私が子供の頃にも既にあったおもちゃですが、こんなシャレた物で遊んだ記憶がなく、こういう物で遊ばしておけば美的センスがうなぎ上りだったはず。(笑)昔、遊んだ「積み木」には こんな色はついていなくて、やっぱりお国柄でしょうか?

このBRIOの品を知ることで、子供のおもちゃといっても あなどるなかれ、サラッと見過ごしてはもったいないと思いました。当たり前と言えば当たり前。だって商品は大人が真剣に作っているのですから。

~とは言うものの もちろん例外もあって。「ホントにちゃんと考えて 作りました?」と言いたくなる物もあります。

これは要るのかな?と1週間ぐらい考えに考えた末、とうとう買ってしまったのが こちら。

撃たれたらハッピーになるハッピーガン。(パッケージの)どこにもそんなことは書いてありませんが。とにかく色が浮かれ過ぎ。落ち着きがありません。先ほどのBRIOの感極まった品を手に入れた反動でしょうか? 買っちゃった。

まっ 実用的と言えば実用的です。弾、飛びますから。(笑)
「色」で物のイメージがここまで変わってしまうんですね。

スゴイなあ。

第847回 「ポジティブ心理学、夢の共演」

4月20日

先週末は東京で、ポジティブ心理学による人生の意義を確認できた素晴らしい三日間を過ごしました。

まずは【Well-Being 3.0 カンファレンス】で様々な方々の対談を伺いました。Well-Beingとは、心身・社会的にも健康で幸せな状態を言います。
中でも面白かったのは【テクノロジーの発展とWell-Beingの測定】。

幸福度を測ることは難しいと言われる中、Web上のビッグデータを解析して測定するライル・アンガー教授の手法は広く知られています。日本のHITACHIの「体の動きのデータ集積だけで幸せかどうかわかるようになった」という話にも、そこまで来てるのか!とワクワクしました。

次の日からは【ポジティブ心理学プラクティショナー認定ワークショップ 】2日間にファシリテーターとしての参加でした。
ポジティブ心理学の創始者セリグマン博士だけでもすごいのに、セリグマン博士のご尽力でディーナー博士やタル・ベン・シャハー博士など、豪華講師陣4名の方々が世界初の夢の共演となったのです。

この近さで、あの伝説の先生方のお話を伺えるなんて…その贅沢さと内容の素晴らしさには感無量でした。

力強く語るポジティブ心理学の父、マーティン・セリグマン博士。
昨年のポジティブ心理学の基礎的な内容にプラスして、ポジティブ心理学は政治の分野でも活かすことができるのか、というお話もなさっていました。「地上のWell-Beingを高めることが私の人生の意味だ」とお話しなさっていたのが印象的でした。

Dr.ハピネスことエド・ディーナー博士。
日本がワールドレポートで幸福度が58位まで下がっている現状に対して、
「それを心配するより、以前より向上しているかを意識しよう」、
「結婚が素晴らしいのではなく、素晴らしい人が結婚して幸せな結婚になるのだ」、「もし自分が不幸なら、他の人を幸せにしていくこと」などいくつもの示唆が得られました。

エミリー・スミスさん。「ポジティブ心理学を学ぶジャーナリストです」と自己紹介し、「目的ある人生を生きる」ことの重要性をお話し下さいました。穏やかな笑顔で会場を包み、かと思えば「人生の4つの柱」のワークでダイナミックに聴衆を動かし、人間力があふれる素晴らしい女性でした。

そして私が一番お目にかかりたかった タル・ベン・シャハー博士。
「幸福になるには、まずネガティブ感情を受け入れること。ネガティブ感情をなかったことにすると、強化されてしまう。まずは受け止めよう。」

「ストレスが問題なのではない。ジムでも心理的問題でもストレスは良いことで、それがレジリエンスを強くしてくれる。問題は、十分な回復期間が取れないことだ。
人生の中でのストレスの利点を考えよう」。

「現代社会は【AかBか】で排他的だが、日本は【A and B】の包括的だ。
大阪はすべてが早いが、電車で30分の京都はゆっくりで平和的で穏やか。
日本は大阪 and 京都。どちらもあるのが素晴らしい。」

「人生の意味を見つけよう。あなたの仕事の使命は何ですか?」

「NATAN(ヘブライ語で与える)。与えることが即、受け取ることになる。
GIVERとは、寛大に与える人。大事なことは、自分にも与えること。」

あっという間の4時間。終わると皆さん自然にスタンディングオベーション!!さすがはハーバードで幸福学教室を教えていらっしゃる先生です。それまであまり積極的ではなかった参加者も思わず席を立って拍手をしている姿が本当に嬉しかったです。

今回いらして下さった先生方の共通点として、上から「ものを教える」のではなく、参加者と皆フラットで自由にものを言いやすい雰囲気を作ってくださっていたのが講師としてさすがだなぁと非常に勉強になりました。これは人間力の高さの表れだと思います。少しでも見習いたい!と強く思いました。

そして幸福になるための5つの要素、PERMA。今回は特にM(人生の意義、意味)とR(良き人間関係)が心に残りました。自分の人生における目的、方向性はこれでいいんだと意を強くできましたし、ファシリテーター仲間の皆さんとたくさん心が触れ合えた時間を頂けました。

余談ですが、セリグマン博士がディーナー博士の講演中に茶々を入れたり意見を挟んだりなさっていたのが、高知工科大学 大学院起業家コースで学んでいたときの先生方同士で議論が白熱した時のことを思い出し、熱意あふれる学びの場って同じなんだと感じ入りました。

そして昨年に続き1億円もの投資をして、日本に本物のポジティブ心理学を根付かせて学びのチャンスをくださった矢澤祐史さん、心からありがとうございました。

さあ、これから高知で、これをどう活かしていきましょうか?(笑)
2025年に日本の人口の25%が幸福を感じられるPERMA 25JAPANが達成できるように、自分には何ができるだろうかというのが次の課題です。
あせらずにじっくりと考え、取り組みます。