第1020回 「万事、気を抜くべからず。」

8月27日         中村 覚

「商品が到着したので、受け取り可能」とのメール連絡がスマホに届きます。突然のサプライズのプレゼントでもなく、もちろん品物が何かもわかっているわけですが、それでも注文した物が届くのはどこか気持ちが弾みます。受け取り場所は近くのコンビニエンスストアなので、その日の内に取りに行きました。

注文していたのは画面サイズがちょっと大きめの15.6インチのポータブルDVDプレーヤーです。

外への持ち運びや海外のDVDも再生可能で、車内でも充電OK。そしてフル充電しておけば、連続5時間の再生が可能ということが購入の決め手でした。ただ日本のメーカーではないし、こういった商品は初めてなので、実際に使ってみると予想に反して、「あれ? 画質や音質など、思っていたのと違う…」
でも、こういったことも「込み」での購入です。

だって、大きい画面サイズのわりに安かったんです。(笑)
外箱の上の部分には持つところもあり、運ぶ時も便利です。

車から降りて家の玄関に入るまでの30秒ぐらいの出来事でした。
急に「ボゾォッ」と音がしたので、何かと思いきや、箱の底が抜けて中身の商品がアスファルトにゴッツン! 楽しみにしていた物がやっと届いて、気分も上々だったのに。
「そりゃ、ないでしょ。」(笑)

急にクラクラしてきましたが、一息入れて とりあえず箱に押し込み直して、玄関まで運びます。

「箱の底、抜ける?」
「箱の底、抜ける?」
「箱の底…」
繰り返し考えつつ、うらめしい気持ちで、箱の上の取っ手部分を見つめます。

「誰だって、取っ手があれば、そこ 持つろ?」
「違う?」
「持つって…」

「時、既に遅し」ですが、改めて箱の底を確認します。よくある箱ですが、テープ等で補強されていません。薄い段ボールを箱として組み合わせた構造のみの耐久性しかありません。後で調べると、中身の商品自体は、約1.8㎏。実際に箱を持った時、それほど重いと感じなかったわけです。

実際に使って 商品に納得がいかない部分があっても、値段を考慮して気持ちの上で帳尻を合わすつもりでした。 でも、まさか 使う前に。(笑)

最初っから、箱の側面を両手で持てば良かったのです。こんな風に。

何事も丁寧に。両手でうやうやしく。万事、気を抜くべからず!
さもなくば、箱の底、抜けるべし。

 

第1019回 「足摺の海の豊かさに」

8月20日

蒸し暑い日が続きますので、今回は涼をお届けしましょう。
この夏、念願だった土佐清水市竜串の「足摺海洋館SATOUMI」にやっと行けました。高知市から車で3時間以上かかるので なかなか日帰りが難しく、取材に行きづらかったのです。

隣接する豊かな竜串湾は、サンゴ礁が広がる豊かな海です。その生態系をリアルに再現した水槽展示をニュースで見かけるたび、「いいなぁ~、行ってみたい!」と思い続けて2年。やっと夢が叶いました。

ちょうど「ざまな!サメ展」も開催されていて、ワクワク♪

さて、館内は足摺の原生林→竜串湾→足摺の海など、森や川を経て太平洋の沿岸から
外洋・深海へと続く展示構成になっていて、大人でも見応えがあります。

入るといきなりそこは、足摺の原生林。いのちを育む源流の森です。

里山。田畑、用水路、ため池など、人の活動が自然環境と関わってきます。

河口。山からの水と海水が混じり合うため、変わった生態系が見られます。

カワウソもいます。幡多地域では実際イタチもよく見かけますし、ニホンカワウソらしき目撃も今だにあるほど、自然が豊かです。

後ろの竜串湾を借景にした、夏が似合うウミガメの展示。

夏休みの親子連れの、微笑ましい様子。

足摺の海。熱帯を起源とする黒潮が近くを流れる足摺・竜串の海は、
緯度のわりに海水温が高いのが特徴です。

この水槽の前に来たとき、私は懐かしさでしばし立ち尽くしました。
50年前、私が潜った足摺の海は、まさにこうだったからです。
サンゴが広がり、熱帯魚のような魚がたくさん泳いでいました。
小学生の頃見たその美しさは、今でも忘れられません。

そうそう、夜釣りに行って幼なじみがウツボを釣り上げたっけ。
すごい顔つきですが、高知県ではよくスーパーに切り身で並んでいます。(笑)

そしてウツボの展示の上には、ウツボ料理の写真が!(笑)

黒潮の恵みとして アサヒガニ、ヒオウギガイ、カメノテなどの料理がズラッと紹介されています。いかにも美味しそう~。

竜串湾大水槽は深さもあり、やはり見応えがあります。

今は様々な展示方法があり、魚の生態を下から観察するのも楽しそう。
館内には、小学生のはしゃぐ声が響いていました。

幽玄なイメージのクラゲの展示も、また良かったです。

その晩は、アサヒガニや清水サバなど、黒潮の恵みを美味しく味わったのでした。
見てよし、食べてよしの足摺の海の豊かさに感謝です。

 

第1018回 「出版への道②~校正と再撮影」

8月12日

『追手前伝説』の出版プロジェクトは、5月中旬過ぎに320枚の写真と原稿を出した後、7月から一挙に動き出しました。目次から20ページほどのレイアウト案が届いたのです。文字や写真などをページに配置し紙面を構成していくことで、実際に本にするとこうなるのかとよくわかりました。

目次も一気に本らしくなり、心が弾みました。
私の写真と文章構成の原稿を忠実に再現したA案と、プロの方がまとめたB案の2つを送って頂いたのですが、さすがプロは違う!
「B案で作成をお願いします。」と、すっかりお任せしました。

その後、7月7日に全体をまとめた原稿ができ、表紙も5つもの案を出してもらいました。うわぁ、素敵♪小躍りしたい気分です!

左上が私の出した案だったんですが、結局別の案を採用しました。
どれになるかは、お楽しみに。(笑)

その後、原稿の最終チェックです。文章のチェックは比較的早いですが、この本の場合は110ページが写真集+文章なので、気になる写真の再構成、再撮影、差し替え+原稿の校正を含めて時間がかかっています。

再撮影は例えば、校長室の写真です。

メインの写真の一部、イスの座面の裏の布がはがれて垂れ下がっているのに後で気づき、再撮影に行ったら今度は壁の配管が出ていたのに気づきませんでした。

結局 後日またまた先生にお願いをする羽目に。なんだか、追試を受けてる気分です。
目が悪く、勘所も悪い素人の悲しさは、時間をかけ根性でチャレンジするしかありません。まあ、高校の夏休み中には撮影できることでしょう。(笑)

それからせっかくなのでご購入くださった方々に写真だけでなく動画もご覧頂こうと思ったのは良かったんですが、その方面もまったくの素人。ごく短い動画でも、YOU TUBE で限定公開するのに1から勉強。あれこれと、苦労しているまっただ中です。

最後に、著者近影。追手前のポロシャツを着ています。
どうしても時計台と一緒に写りたかったので、こちらも四苦八苦しました。

写真の合成とか気の利いたことはできないので、zoom会議の時の背景写真を使ったのですが、最初はパソコン画面をそのまま撮影したので印刷すると波模様が出てしまって、NG。今度は、プリントスクリーンを使って撮りました。
つくづく、締め切りに追いたてられない出版方法で良かったです。(笑)

全部の校正が仕上がるのは8月20日過ぎの予定です。そこから印刷は早いそうですから、少しでも納得がいく本を目指して、今 頑張ります!