黒岩さんは毎年、就活でフジテレビジョンににくる学生に対して2つの質問をなさるそうです。1つ目は「何故、フジテレビを選んだのか?」。2つ目は「あなたは、どんな人ですか?」。この2つを必ず聞くそうです。ところが、なかなか答えられる人がいないということです。確かにこの2つの質問、簡単なようで難しいですよね。黒岩さんがおっしゃるには、「相手の目になって、自分がどう見えているのか?」これが大事だということです。そして「メッセージ力」=自分をどう語るのか。ニュースは一言で要約して説明しなくてはならず、人に対する印象力や説得力も大切なわけです。これは面接の時も同じこと。「自分自身を要約できているような発言が大事」とのことでした。
奥谷さんからは、よく面接の時に、「人が好きだから」、「人と接するのが好き」、「だから接客業に就く」などと答える人がいるが「人と接することは忍耐力がいる」、このことが本当にわかっているのか?との問いかけがありました。「男女を問わず、面接の時はもちろん、第一印象が大事。ドアを開けて→歩いて→椅子へ座る、この一連の流れを見ただけで、7割の印象が既に決まってしまう。いかに好印象を持ってもらうのか。そして面接官は何気ない会話の中から、あなたの文化レベルをチェックしている。あなたが長年積み重ねたものが、一発勝負の面接に出てしまう」ということでした。
確かにその人の立ち居振る舞いというのは、一朝一夕でできあがるものではありませんよね。ドアのノックの仕方、歩き方、座り方、話し方など、良い意味でも、悪い意味でも自分の「いつも」が出てしまいますよね。学生、社会人に関わらず、みんな毎日が自分を表現する舞台。せっかくですから、日々の中にちょっとした工夫を取り入れて、より良い言動を目指していけたらなと思います。
堀さんは「自分の会社は、毎年、学卒(と、おっしゃっていました)を5人しかとらない」そうです。しかし目を通す履歴書は、多い時には3000通もあったそうです。3000人から5人採用なわけですから、とにかく目立つ人を採用するとのことです。そういう意味で服も少し良いものを。普通の服なら他の人と同じになってしまうので、「親にお金を借りてでも、身なりには気を使うように」とのことでした。
「身なり」だけが突出しているというのは別として、面接という限られた時間の中で面接官の目に留まるような「身なり」に気を使うというのは大切なことなんですね。しかし、みんながみんな、それほどお金をかけられるわけではないとも思います。でもそれほどお金をかけなくても、できる工夫もあるかとも思います。例えば、自分の顔映りの良い色のスーツを妥協せずに選ぶ、愛用の靴をピカピカに磨くなど、小さなことかもしれませんが、志は同じかと・・・。
松本さんの会社では、まず社員→人事部長→副社長→最後に松本社長の順番で面接が行われるそうです。そして松本さんは面接後すぐに合否を決めて、採用決定者にはその場で握手をするそうです。「その場で決めるやり方だと、自分が相手を知るために真剣に努力するから」とおっしゃっていました。しかも面接順に合否を決めていくので、採用数に達したら、その後、仮にまだ面接を受けていない人が残っていたとしても、そこで終わりだということです。(例年なら5人採用しているそうですが、来年は10人の予定。しかし仮に10人の枠に15人来たとしても、10人採用が決まった時点で、残りの人との面接はもうしないということです。)
受験者の能力・やる気などはもちろんですが、面接の順番という「運」のようなもの、「縁」とでもいうのでしょうか、そういうものも大切になさっているのだなと思いました。
講演の最後の方で堀さんが、「1分間だけ時間をください」と進行役の黒岩さんに頼んで、客席の私たちに対して「就活で落ちてもひるむな!今の君達が悪いのではなく、ひょっとすると落とした会社側が悪いのかもしれない。例え、今の君達に受かるだけの価値がなかったとしても、5年後、10年後の自分には価値が有る、そう思って
失敗しても、多少ふてぶてしくなれ。ひるむな!」とエールを送ってくださいました。
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