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第406回●2010年9月19日(日)

事実と真実の違い」

最近「日本人の知らない日本語」というドラマが面白くてよく見ています。春先、たまたま出張でJRに乗り遅れた時に本屋さんで買ったのがその本(マンガ)でした。タイトルから「これは面白そう」とピンと来たのですが、その後でタイムリーにドラマが始まったのです。そしてこれが、本当に楽しんで学べる内容なんですよ。

 

 

 

 たとえば、行う頻度の割合によって使い分ける言葉。「たいてい」「よく」「ときどき」の違いには唸りました。

 ・ぜんぜん ・・・週に0回紅茶を飲む
 ・ときどき  ・・・週に3回紅茶を飲む
 ・よく     ・・・週に4回紅茶を飲む
 ・たいてい  ・・・週に5回紅茶を飲む
 ・いつも   ・・・毎日紅茶を飲む

 日本人が感覚的に使っている言葉を外国人にも理解しやすいように論理的に説明していくのですが、目からウロコが落ちるような事例が多々あり、毎回面白くて勉強になります。

 「嬉しい」と「楽しい」の違いは?なんていうものもありました。考えたこともありませんでしたが、これは喜ばしい気持ちが続く時間の長さが違うそうです。憧れの人に会えたら「嬉しい」、遠足の時は「楽しい」といったように。

 似たようなことで私なりに考えたことがあるのが、「事実」と「真実」の違いです。
事実とは「本当にあった事柄」、真実とは「本当のこと」というように辞書に出ていますが、私はこう考えます。事実は「現在の状況を一部でも切り取ったもの」。真実は、「全体のことを含め、それの意味すること」になる、と。

 たとえば、ビデオがAくんがBくんを叩いたところを映したとします。すると当然、みんなは「AくんがBくんをいじめた」と、Aくんを責めるでしょう。でももし、ビデオが回る前に、BくんがさんざんAくんを殴ったり蹴ったりしていたとしたら?
「AくんがBくんを叩いた」のは事実です。でも「AくんがBくんをいじめた」というのは真実ではないかもしれない。これが、事実と真実の違いだと思うのです。

 だからニュース取材も、どこを切り取って映し出すのかということを、常に意識していなければならないと思います。そうでないと真実が伝えられないばかりか、ゆがめられてしまう恐れがあるからです。

 先日行ったクレーム研修でも、「事実だけに振り回されるのではなく、真実がどこにあるのかを見極めることが重要」とお話ししました。そうでないと「これはこうでしたね」と事実確認ばかりに気を取られ、肝心のお客様の気持ちがおざなりにされてしまう恐れがあるからです。「私はこういう思いをしたのに」という気持ちを軽んじてしまうと、決して顧客満足は得られません。

 これは顧客側にも言えることです。たとえば「あの看護師は、私に辛く当たる」「布団をかけてと言ってもかけてくれない」と患者さまが訴えたとします。しかし実は、患者さまは 手術後に安静期間があったため筋力が低下して、日常生活の動作の回復が遅れているのかもしれません。それを本当に心配した看護師が「できるだけ身の回りのことはご自身でやって頂こう」と考えているかもしれないのです。

 これ、親子の場合はよく葛藤が起きるパターンですよね。子どもは親が勉強しろとたびたび言うこと(事実)に反発する。「どうしてそんなにうるさく言うんだよ!」「あなたの将来を心配して言ってるんでしょ!」なんてね。(笑)でも長い時間がたった後、「本当に心配してくれてたんだなあ」と、親の真実の思いに気づくとか。

 ひょっとするとあなたも 事実と真実の違いを意識するだけで、少し物事の見方が変わるかもしれませんよ。

 

 

 
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