第783回 「幸せになる魔法のことば」

1月18日

「幸せになる魔法のことば」、ちょっと素敵でしょう?実はこれ、高知大学名誉教授の森惟明先生のご著作のタイトルです。

4年前の2014年、第592回の「極上のドクター・スマイル」でもご紹介しましたが、森先生は現在80代半ばにして、笑顔が素敵な脳神経外科のエキスパートでいらっしゃいます。

実は森先生は2015年に心筋梗塞を起こされ、一度はすべてのお仕事から身を引かれました。ところが昨年、「サクセスフルエイジングへと導く50の答え」という新刊を頂戴し、ビックリしました。体調が落ち着かれてから、また少しずつ活動をなさっていらっしゃったのです。本当に凄い方です。

高齢者に向けて書かれた「サクセスフルエイジングへと導く50の答え」ですが、その中には、ポジティブ心理学のことまで書かれていて、驚きました。ポジティブ心理学は、普通の人がより 仕事のやりがいを感じ、より生きがいを感じ、本当に幸せに生きるための心理学です。私も人生の着地点はここだと思い数年前から学んでいましたが、今年はその開祖とも言えるアメリカ心理 学会の元会長 マーティン・セリグマン博士が7月に来日なさるので、ワクワクしています。

話を戻しましょう。2015年、森先生が心筋梗塞を起こされる前に発刊された「幸せになる魔法のことば」ですが、心が元気になる素晴らしい文章がちりばめられています。先生のお言葉を借りれば、

「たった一つの名言によって、今までの価値観や物事の捉え方が大きく変わることもあります。(中略)しばしば人生は旅に例えられますが、人生という旅を支えるのは心だと思います。どうか心を支える【杖ことば】を持って生きていってください。」
杖ことば、っていいなあと感じ入りました。

その他にも、脳神経画家のドクターらしい科学的解説を含めた示唆に富んだお話が、私は大好きです。例えば、「祈りは幸せをもたらす妙薬」という章では、「え、祈り?自分にはあんまり関係ないかな~」と読み始めは思ったのですが…。

祈りこそ副作用もない幸せをもたらす妙薬で、【幸福脳】をつくる最高の良薬と言えます。

脳科学的に、誰かに対して怒りや妬み、恐れ、不安といったネガティブな感情を持つと【ストレス物質】である【コルチゾール】という物質が分泌され、記憶の重要回路である【海馬】が萎縮します。

逆にポジティブな祈りは、【ベーターエンドルフィン】や【ドーパミン】【オキシトシン】など脳内快感物質が分泌され、多幸感や快感をもたらします。相手の幸せをも祈ることは、自らの幸福にもつながっていきます。
【オキシトシン】はいとおしさの感情を生み出す愛情ホルモンで、自分のためでなく、誰かのために祈ることは、自分の脳にも良い影響を及ぼします。祈りは自他共に幸福をもたらします。

なるほど!こう論を展開されると大いに納得です。このようなお話がたくさんあって、読み終わる頃には森先生の医学的知識に裏打ちされた人生の知恵が、心になみなみと豊かなエネルギーを満たしてくれます。次のことばも大好きです。

・「楽しいことをする」のではなく「することを楽しむ」と発想の転換を行い、没頭し尽くしてとことん生きれば、そこには必ず幸せな人生が開けるといわれます。

「楽しいことをする」のではなく「することを楽しむ」。これって、所ジョージさんも同じことをおっしゃっていました。登り口は違っていても目指す頂きは同じなんですね。

森先生のご本は高齢者に向けて書かれたものが多いのですが、「幸せになる魔法のことば」はどの世代にも当てはまるため、以前から再販のご要望が多かったそうです。しかし自費出版だったため絶版になっていて、なかなかご要望に添えなかったのです。

昨年末、やっとご要望にお応えして重版なさったことを知り、LABプロファイルの新年会でも早速皆さんにお配りし、喜んで頂けました。歳時記屋さんという会社が扱っています。(電話:088-882-0333)

この素晴らしい本を、1名の方に差し上げます。お名前、アドレスなどをご記入の上、メールで当社( info@h-mirai.com )までご応募下さいね。
締め切りは1月31日(水)です。

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