第882回 「ハーバードの人生を変える授業」で幸せを学ぶ

12月21日

先週末は今年の締めくくりにふさわしい日間を過ごしました。ハーバード大学で1400名の学生が殺到した伝説のタル・ベン・シャハー博士の「家庭からビジネス、社会まで、コミュニティにおけるWell-Being(幸福)を最大化する」ワークショップが行われたのです。

第847回 「ポジティブ心理学、夢の共演」でご紹介しましたが、4月に東京でポジティブ心理学の創始者セリグマン博士とディーナー博士やタル・ベン・シャハー博士など豪華講師陣の世界初・夢の共演がありました。

その際のタル博士のレクチャーは特に素晴らしく、また伺いたいと熱望していたので「タル博士のセミナーが受講できるなら!」と師走にもかかわらず幸せになるための学びを深めに行ったのでした。

「成功したスターが、なぜ麻薬に走るのか?」という投げかけをなさり、
「ほとんどの人は成功したら幸せになれると思っていますが、そうではありません。正しくは、幸せが成功をもたらすのです。ほんの少しでも幸せのレベルを上げることが、意欲向上や創造性を豊かにするのです」と。

逆説的ですが、なるほどと思いました。
では、どうすれば幸せのレベルを上げられるのでしょうか?

博士は日本文化の器の「金継ぎ(きんつぎ)」という技法を、幸せの本質に例えられていました。割れた焼きものを漆で接着し、繕った部分に金を装飾する修理方法です。幸せもバラバラのパーツをつなぎ合わせると、ホールネス(全体性)になる、と。

そのための「SPIRE」モデルとして 幸せの5つの要素、 スピリチュアル・身体・知性・人間関係・感情を丁寧に解説してくださいました。これらをベースに、ペアワークもたくさん行い、落とし込んでいきました。

「幸せの基礎は、不幸を抱きしめること」との言葉は、人生における大きな示唆です。悲しみ、辛さなどのネガティブ感情を取り除くのではなく、受容するのが幸せに向かうにはとても大事だということを再確認しました。

午後にはパネルセッションもあったのですが、「良い人ほど幸せだ」と慶應義塾大学の前野教授がおっしゃったことが印象に残りました。

幸せと性格は比例するというのです。人間性を磨くことが幸せな人生を創ることにつながると信じているため背中を押してもらえたようで、嬉しい言葉でした。

2日目にタル・ベン・シャ・ハー博士は1時間かけて受講者からの質問に、すべて丁寧に誠実にお答えになりました。最後はスタンディングオベーションで拍手が鳴り止まず、博士も幸せそうに微笑んでいらっしゃいました。

「幸せと性格は比例する」という言葉と重なり、私もこのように生きていこうと心動かされた貴重な時間でした。

第879回 「感謝の落ち穂拾い」

11月30日

突然ですが、ここ数日に起こった 感謝できることを思い出して頂けますか?
どんなことがあったでしょうか。

私は、あったか~いお風呂にざぶんと浸かって手足を伸ばした時、
「ああ、なんて幸せなんだろう!有り難いなあ」とつくづく感じました。

もちろん、お風呂に入るたびにそういう感慨にふけっているわけではありません。
これはたまたま、友人とのメールのやりとりから気づけたことなのです。

実は私の友人が今月急に入院し、2週間ずっとベッドの上でした。
メールのやりとりで、「今日はやっと、ベッドから足を下ろせた」
「車イスに自分で移れた」
「自力で5歩、歩けた」などの嬉しい進展を教えてもらえました。

それで自分自身が入院していた時のことを思い出し、
(ああそうだ、久しぶりにベッドから起き上がった時には、ふらついたなあ)
(ベッドから車イスに移ったら、目線が違ったよなあ)
(自分で歩けた時は感慨深かったなあ…)
友人のお陰で、あれこれと当時のことを思い出せたのです。

先日のメールは、「2週間ぶりのシャワーは最高!」でした。
そう言えば入院していたとき、シャワーを浴びたくてたまらなかったっけ。
(温かいお風呂に浸かれる。なんて幸せなの!?)って、退院した時に感動したなあ。
友人のお陰で、それがいかにありがたいことか、改めて確認できたのでした。

ですから、こうしたなんでもない日常で起こっていることだけでも、実は人生って豊かさにあふれているんですよね。日頃は当たり前すぎて気づけないことにスポットが当たると、見慣れた景色も光り輝く気がします。

このやり方は「感謝の落ち穂拾い」とも言われています。
ポジティブ心理学でも、「感謝する人はストレスに強い」ことがわかっているとか。
感謝の態度を持つ人は、トラウマ、逆境、苦しみからの回復が早いことが明らかになっているんだそうです。

日常生活の中で沢山の感謝を拾い、心豊かに暮らしていけたらいいですね。
節目の年を迎え、改めて心しようと思いました。

第847回 「ポジティブ心理学、夢の共演」

4月20日

先週末は東京で、ポジティブ心理学による人生の意義を確認できた素晴らしい三日間を過ごしました。

まずは【Well-Being 3.0 カンファレンス】で様々な方々の対談を伺いました。Well-Beingとは、心身・社会的にも健康で幸せな状態を言います。
中でも面白かったのは【テクノロジーの発展とWell-Beingの測定】。

幸福度を測ることは難しいと言われる中、Web上のビッグデータを解析して測定するライル・アンガー教授の手法は広く知られています。日本のHITACHIの「体の動きのデータ集積だけで幸せかどうかわかるようになった」という話にも、そこまで来てるのか!とワクワクしました。

次の日からは【ポジティブ心理学プラクティショナー認定ワークショップ 】2日間にファシリテーターとしての参加でした。
ポジティブ心理学の創始者セリグマン博士だけでもすごいのに、セリグマン博士のご尽力でディーナー博士やタル・ベン・シャハー博士など、豪華講師陣4名の方々が世界初の夢の共演となったのです。

この近さで、あの伝説の先生方のお話を伺えるなんて…その贅沢さと内容の素晴らしさには感無量でした。

力強く語るポジティブ心理学の父、マーティン・セリグマン博士。
昨年のポジティブ心理学の基礎的な内容にプラスして、ポジティブ心理学は政治の分野でも活かすことができるのか、というお話もなさっていました。「地上のWell-Beingを高めることが私の人生の意味だ」とお話しなさっていたのが印象的でした。

Dr.ハピネスことエド・ディーナー博士。
日本がワールドレポートで幸福度が58位まで下がっている現状に対して、
「それを心配するより、以前より向上しているかを意識しよう」、
「結婚が素晴らしいのではなく、素晴らしい人が結婚して幸せな結婚になるのだ」、「もし自分が不幸なら、他の人を幸せにしていくこと」などいくつもの示唆が得られました。

エミリー・スミスさん。「ポジティブ心理学を学ぶジャーナリストです」と自己紹介し、「目的ある人生を生きる」ことの重要性をお話し下さいました。穏やかな笑顔で会場を包み、かと思えば「人生の4つの柱」のワークでダイナミックに聴衆を動かし、人間力があふれる素晴らしい女性でした。

そして私が一番お目にかかりたかった タル・ベン・シャハー博士。
「幸福になるには、まずネガティブ感情を受け入れること。ネガティブ感情をなかったことにすると、強化されてしまう。まずは受け止めよう。」

「ストレスが問題なのではない。ジムでも心理的問題でもストレスは良いことで、それがレジリエンスを強くしてくれる。問題は、十分な回復期間が取れないことだ。
人生の中でのストレスの利点を考えよう」。

「現代社会は【AかBか】で排他的だが、日本は【A and B】の包括的だ。
大阪はすべてが早いが、電車で30分の京都はゆっくりで平和的で穏やか。
日本は大阪 and 京都。どちらもあるのが素晴らしい。」

「人生の意味を見つけよう。あなたの仕事の使命は何ですか?」

「NATAN(ヘブライ語で与える)。与えることが即、受け取ることになる。
GIVERとは、寛大に与える人。大事なことは、自分にも与えること。」

あっという間の4時間。終わると皆さん自然にスタンディングオベーション!!さすがはハーバードで幸福学教室を教えていらっしゃる先生です。それまであまり積極的ではなかった参加者も思わず席を立って拍手をしている姿が本当に嬉しかったです。

今回いらして下さった先生方の共通点として、上から「ものを教える」のではなく、参加者と皆フラットで自由にものを言いやすい雰囲気を作ってくださっていたのが講師としてさすがだなぁと非常に勉強になりました。これは人間力の高さの表れだと思います。少しでも見習いたい!と強く思いました。

そして幸福になるための5つの要素、PERMA。今回は特にM(人生の意義、意味)とR(良き人間関係)が心に残りました。自分の人生における目的、方向性はこれでいいんだと意を強くできましたし、ファシリテーター仲間の皆さんとたくさん心が触れ合えた時間を頂けました。

余談ですが、セリグマン博士がディーナー博士の講演中に茶々を入れたり意見を挟んだりなさっていたのが、高知工科大学 大学院起業家コースで学んでいたときの先生方同士で議論が白熱した時のことを思い出し、熱意あふれる学びの場って同じなんだと感じ入りました。

そして昨年に続き1億円もの投資をして、日本に本物のポジティブ心理学を根付かせて学びのチャンスをくださった矢澤祐史さん、心からありがとうございました。

さあ、これから高知で、これをどう活かしていきましょうか?(笑)
2025年に日本の人口の25%が幸福を感じられるPERMA 25JAPANが達成できるように、自分には何ができるだろうかというのが次の課題です。
あせらずにじっくりと考え、取り組みます。