第1171回「新築落成!未来へ向かう清水高校」
8月9日
土佐清水市の足摺港。海側から見ると、市街地の丘に横長で茶色の長~い建物が目立ちます。
土佐清水市では、南海トラフ地震による津波が 最大で高さ30メートル以上と予想されています。そのため津波浸水想定区域からの高台移転対策として、海に向かって山を大きく切り開き整備されたこの清水ヶ丘に、新しい建物が建ち並んでいます。
ここは、清水ケ丘の海抜40~50メートル地点。新築されたばかりの清水高等学校の校舎です。7月に訪れたので「清水からでも全国に行ける」と高知新聞に載った、全国高校総体(インターハイ)硬式テニスの女子ダブルスに出場した佐藤さん・弘田さんのお名前が横断幕に輝いていました。
校舎の1階には駐車場と、事務室、校長室などがあります。
校舎はゆったりした開放的な空間と ふんだんに使われた木がとても印象的で、そのまんま土佐清水のイメージと重なります。休み時間には、廊下でもくつろげそうですね。
教室は3階・4階で、やはり開放的。高台のため、とにかく日当たりが良くて明るいんです。現代の教室らしく、黒板ではなくホワイトボードがありますね。
3階にある図書室も、とてもオープンな雰囲気で、思わず立ち寄りたくなります。
そこから、最上階の4階に上がっていきましょう。吹き抜け階段が実に気持ちいいです。
階段を上ってふり返ると、思わず「お~!」と声が出てしまう、このガラス張りのオーシャンビュー!なかなかこんな良い景色は見られません。
清水港が目に飛び込んできます。まるで、リゾートホテルみたい!なんて贅沢な眺めなんでしょう♪
先週末の8月2日は、港で上がる7千発の花火が眼下に楽しめたそうです。花火鑑賞のため、生徒に夜間の校舎を開放したとか。粋ですね!
4階奥には集会室。手前左には 地元出身のジョン万次郎ゆかりの姉妹都市、アメリカ フェアヘブンの高校生とも交流できる オンライン会議の大型モニターやカメラのある部屋が。土佐清水にいても、グローバルな体験ができるわけですね。
こちらは、「ラーニングコモンズ」という交流スペース。アクティブラーニングなどを展開する、特色ある教室です。
清水高校は今年度の生徒数は87人ですが、生徒さんがとても自然体で素敵で、毎年こちらで就職講座を行うのを楽しみにしています。今年度からは、普通科が「未来共創(きょうそう)科」に新しく変わりました。グローバル人材の育成を視野に「清水学際」と呼ばれる学校独自の科目を設定し、この科目と総合的な学習の時間で、生徒さんは文献調査・フィールドワークなどで社会課題を深く考え、解決策を提案する力を養います。全国から入学者を呼び込む「こうち留学」もあるようで、フェアヘブンへの短期留学などと合わせて魅力が高まります。
地域に住むことはもはやハンデではなく、そこからもグローバルな展開ができる時代になってきています。ジョン万次郎の「あきらめない」「投げ出さない」「人の役に立つ」という「ジョンマン・スピリット」を学びの中心に置く中、21世紀のジョン万次郎が生まれるかもと、ワクワクします。