第969回 「家族介護の危機」

8月28日

やっと大雨のトンネルをくぐり抜けたと思ったら、ついに高知市も27日から
新型コロナの「まん延防止等重点措置」の対象地域となってしまいました。

人口が70万人を切った高知県で、25日 111人、26日 107人、27日 93人と 100人前後の新規感染者が3日連続で出てしまったので、無理もありません。今日は70人ですが、そのうち高知市が全体の8割を占めているそうで、「まん延防止等重点措置」も仕方ありません。

緊急事態宣言は都道府県単位ですが、「まん防」は市町村単位でも行え、知事が地域限定で集中的な新型コロナウイルス対策ができるものです。飲食店での酒類の提供停止、出勤者の7割削減、不要不急の外出自粛などが出されています。

今日の時点で、高知県の感染者の累計は3276人になりました。自宅療養・待機者数は、昨日の時点で519人と500人超え。対応に当たる高知市保健所では「限界寸前」のようです。全国的にも「自宅療養死」の増加が顕著で、非常に大きな課題です。

そして、もう一つ大きな問題が浮上してきました。「家族介護の危機」です。
例えば高齢者など 家庭内に介護を受けている人がいる場合、介護者がコロナに感染し入院すると、介護を受けていた人が取り残されてしまう問題です。NHKのニュースで見た事例では、認知症の親が取り残され 自分では水分も取れずエアコンも付けられず、訪問看護スターション職員が駆けつけたときには意識がもうろうとしていたそうです。幸いその後回復したようですが、こうした事例は今後多くなってくるのではと予想されます。

わが家も、人ごとではありません。35歳の長女を介護していますが、仮に主人と私がコロナに感染し入院してしまったら?寝たきりの長女が一人、取り残されてしまいます。彼女自身も軽傷だけど感染していたら、行きつけのショートステイ先にも預かってもらえないでしょう。その場合、どうなるのか?考えると恐ろしい事態です。

夫に聞いてみると「2人ともワクチンを受けてるから、両方が中等症以上になることは考えにくいだろう」とのこと。ああ、やはりワクチン接種って大事なんだなと改めて思いました。自分の命だけでなく、大事な誰かの命も救うためのワクチン接種。今、それを痛感しているところです。

最後に。今日、大阪府の吉村知事が民放番組で、「大阪に新型コロナウイルス患者を受け入れる野戦病院を作る」と述べたそうです。1000床規模の臨時医療施設を、国際展示場「インテックス大阪」に設置するため調整中だとか。
もちろん人的配置など簡単ではないでしょうが、大きく自宅療養者を減らす姿勢こそが、私たちに希望を持たせてくれるものだと思います。

第968回 「大雨の長い長いトンネル」

8月21日

こんなにずっと 危機感にさらされ続ける8月は 記憶にありません。
新型コロナの第5波がついに高知にも押し寄せたこともそうですが、11日から10日間も降り続く大雨は、まるで梅雨末期。長い長いトンネルのようです。専門家の「大量の水蒸気が流れ込み、まるで上空に川が流れているようだ」とのコメントはショックでした。

九州や各地で被害が出ていますが、降り始めからの総雨量は20日には高知県馬路村魚梁瀬(やなせ)で1150ミリを超えました。あそこが1200ミリまでは大丈夫だろうと思いつつ、これから週明けも降り続く予報に加えて台風12号が発生。「週明けには影響が出そう」とのニュースに 大雨には強い高知県とは言え、心配になってきます。

思えば2018年の西日本豪雨の際、被災地の72時間降水量の全国トップ5地点の4つまでがすべて高知県でした。その時の1位の馬路村魚梁瀬が1319.5ミリ、2位の香美市繁藤が985.5ミリ…。各地で土石流が起こり、死者が広島81人、岡山59人、愛媛26人と甚大な中、高知は2人で、メディアから「大雨の割になぜ被害が少ないのか」と注目されました。

高知県は、1998年の高知豪雨(高知市だけで約2万棟が浸水)や1970年代の連年の台風災害など過去に甚大な浸水や土砂災害を受けて来たため、排水能力向上や河川改修などの治水対策に長年取り組んできました。目に見える道路などはなかなか整備されなかったけれど、目に見えない安全に予算をかけてきたのでしょう。たとえば高知市の下水道は、時間雨量77ミリの豪雨に対応できるよう整備されています。(当時は画期的でした)

大雨に関して心配性の私がよりどころにしているのは、「雨雲レーダー」です。ニュースでもよく見かけますよね、気象レーダーにより地図上に 雨の状況を雨量ごとに色分け表示する、あれです。やみくもに不安をかき立てるのではなく、データなどで「今後の予報」を確認し、何時頃にひどくなるなどのピンポイント予報で、不安が軽減されています。

最近は気象庁、放送局、ウエザーニュースなどレーダーの情報提供をしてくれるサイトもいくつかあり、助かっています。しかし「え、明日は朝からずっと一日中、黄色から赤の豪雨!?どうしよう」とオロオロすることも何度かありました。
ところが、実際は予報とはかなり違ってそんなに降らず、「あれ?」となることも。

講師仲間の友人曰く、「予報と予想は違うからね。」

予想:あらかじめ想像すること
予報:事前にデータを集めておき、結果を推測して公表すること

なるほど、私でも「予想」は可能ですが、「予報」となるとしっかりとしたデータに基づくものだから、専門家によるものってイメージですね。

ここで気づいてしまいました。雨雲の動きの「24時間予想」としてよく使っていた某局のサイトは「雨の予想」。日本気象協会の15時間先までのは「雨の予報」。うーーん、そうだったのか!

今後はより賢く、雨雲の今後の予報レーダー画像を見ることができそうです。
そして、とにかくこの長雨のトンネルから、早く抜け出せますように。


(追記)馬路村へ向かう安田町の県道12号線では、8月21日に土砂崩れが発生。馬路村魚梁瀬では23日時点で1400ミリを超える降雨があった。道路復旧のめどは立っておらず、1時間半かかる北川村経由の迂回を強いられている。
しかし、被害に遭った人がいなかったのは不幸中の幸いだった。

第967回 「自己決定」

8月14日

先日、ちょっと面白いことがありました。ある日突然、知らない方からメッセージが来たのです。

「こんにちは、Aと申します。○○の仕事をしています。
NLPラーニングセンターのレビューで残された口コミを拝見させて頂いてご連絡させで頂きました。(中略)お会いしたことがないのに、突然のご連絡で恐れ入りますが、交流分析の講師とかやられている方でしょうか?」

びっくりです。NLPラーニングセンターは私がコロナ禍以前、5年ほど東京に通ってNLPという心理学を学んでいたスクールです。その時 教わったセミナーの感想を実名で書いたのですが(もう何を書いたのかまったく覚えていません)、それを御覧になって興味を持たれた方が探してご連絡くださったのです。これがSNSのご縁ですね。

その後 交流分析を学びたいと伺い、もしかしたらオンライン講座を行うことになるかもしれませんが、2年前までなら想像もつかなかったことです。高知在住の私が、東京にいらっしゃる方にご依頼頂き、オンラインで講座を開く。オンラインなら制限がなくなると頭ではわかっていましたが、初めて実感しました。コロナ以前なら東京の知り合いの講師に紹介し、お願いしたことでしょう。

やりとりの文面からは相手の方の真剣に学びたい意欲が伝わってきて、応援したい気持ちになりました。こういう降って湧いたお話って、すんなりとはいかないかもしれませんが 面白いなあと感じ、非常に良いきっかけを頂いたなと思っています。「いつか、やった方がいいのでは」と思っていた交流分析のパワーポイントの資料作成にも取りかかるきっかけができました。

人さまから頼まれたことを、お引き受けする。若い頃に思いがけないことを頼まれ、時間を割いて準備したのにそれが突然キャンセルになったとき、相手に振り回されたように感じたことを思い出しました。「私から頼んだわけじゃないのに…」と、まるで自分が被害者のように感じられたものです。

今思えば、その頃の私には引き受けた時点で「これは、自分で決断したのだ」という自己決定の意識が足りなかったのでしょう。「頼まれたから、やることになった」はきっかけであり、その後「自分でやることを選択した」のであれば、結果がどうなっても「他人に振り回された」なんて思わずにすんだのでしょう。

今は長く生きた分、もう少しだけ上手に対応できそうです。どちらに転んでも、「自分が決めたのだ。これからは自分の仕事であり、私が決めて責任もとる」と。そして「どうせなら、後で良かったなぁというきっかけにしたい。楽しみつつやろう」と考えています。

実は今朝、新型コロナの2回目のワクチンを受けました。発熱はなくて幸いですが、肩から腕が上がらず重いため パソコンのキーボードが打ちづらいのです。そのため、今回は短いですが この辺で…。(笑)