第1066回 「足摺探訪③ 唐人駄馬:前編」

7月29日

昨年に続き今年も土佐清水市でお仕事を頂き、やって来ました、足摺岬!
足摺は私にとって心の故郷なので、ここに来られるだけで幸せなのです。

先日友人から「足摺の唐人駄馬って有名よね?コラムに書いてない?」と聞かれました。書いていますが、もう10年も前でした。(第528回「謎の唐人駄馬遺跡」)そこで今回、改めて訪れてみました。

唐人駄馬とは「神のいる広い平地」と、今は言われています。足摺半島の海岸段丘の一角にあり、山々が連なる足摺スカイラインの分岐点から2kmほど。巨石群が見られるスポットと、キャンプ場のある唐人駄馬遺跡スポットに分かれています。

特に巨石群は 古代からの巨石が林立しているパワースポットとして近年有名になりましたが、太古の巨石文明の名残りではないかとも言われています。

入り口の前は、車を数台駐められるくらいのスペースしかありません。古来からずっと、ここにひっそりとあったのでしょう。

入り口に案内板があります。「亀石」「唐人石」「千畳敷石」「鬼の包丁石」などなど見どころが一杯あり、覚えきれないくらい。見逃さないために、看板を写真に撮っておくことをお勧めします。散策は、楕円形に下から時計回りに回って行くイメージです。

「南のサークル」は入り口のすぐ左に見えています。いわゆる石が並べられた「ストーンサークル」ですが、いつ、誰が作ったのかは謎です。

林の中に足を踏み入れると暑さが一転、ひんやり心地よい空気感に変わります。
最初はこういうなだらかな道ですが、次第に階段がきつくなります。ヒールでは行けませんので、スニーカーなど歩きやすい靴に履き替えておくことをお勧めします。

階段を上って左に折れて、順路をたどっていきます。
時計に例えると、ここは6時の位置のイメージでしょうか。

すぐに「亀石」を見上げるスポットに来ます。
6~7メートル級の巨石の大きさに感心しつつ、順路をたどります。

ここ、右手の「千畳敷石、亀石、唐人石→」の案内板がなければ、まず上ろうとは思わないでしょう。時計に例えると9時くらいの位置で、ここから中央に向かって少し上っていきます。(ここを見過ごすと、唐人駄馬最大の見どころが見られませんので、ご注意を)

これが「亀石」です。確かに亀っぽい巨石です。

看板によると「足摺岬半島先端部の約1500ヘクタールに確認されているイワクラ(磐座)は、約250カ所に及びますが、そのほとんどに様々な形状をした斜状立石があります。このイワクラ(磐座)亀が首を持ち上げた形をしています。」
イワクラとは山中の大岩のことですが、そんなに多いんですね。

奥の案内板に「←鏡石、千畳敷石」とあるので奥へ進みますが、もし案内板がなかったら行き止まりだと引き返すことでしょう。

現に数年前、県外の友人を案内したときには案内板が少なかったため、迷ってなかなかこの奥の千畳敷石にたどり着けませんでした。何度も行っている私でもそんなことがあり、慎重に見て行かないと見過ごすことになります。この日も私の次に上ってきたカップルは、ここをスルーして行ってしまいました。もったいない!

お腹がつっかえそうな狭い岩の間を縫って行きます。
知らないと、まず奥へは行かないでしょう。

両側はこれくらい、大きな岩なんですよ。

奥の「千畳敷石(せんじょうじきいわ)」に渡るため、橋を架けてくれています。
用心してここを渡りましょう。晴れてて良かった。

もうすぐです。

たどり着きました!ここからは、海が見えるんです。

ここ、巨石群の中で石(いわ)の上部平面積が最も広いとの意味で、里人は「千畳敷」と表現しました。千畳敷石の上に立って見おろす太平洋は、まさしく絶景です。

空気のよく澄んだ晴れた日の夕暮れには、九州まで見えるとか。

ここは巫女たちが奉納神楽を舞った場所と言われていて、「神楽石(かぐらいわ)」とも呼ばれているそうです。

そして、後ろをふり返ると…

「唐人石(とうじんいわ)」がそびえています。別名、三列石。
看板によると

「右端の石は巨石群の中心の石です。3列に並んだ石の面はおよそ南南東を向き、側面と平行に夏至の朝日が差すと言われています。石の頭頂部にはエネルギーを放出すると言われる盃状の穴の加工がされています。」

そうなのか?ということで…

1.6mある自撮り棒を伸ばしてみたのですが、残念ながら盃状の穴の加工はわかりませんでした。やっぱり、ドローンじゃないと無理ですね(笑)

でも、ここがパワースポットと言われる由縁はよくわかります。
写真を見ても、なんとなく磁場が感じられるような気がしませんか?(笑)

ということで、次回は唐人駄馬巨石群の他のスポットをご紹介しましょう。