第1227回「『追手前伝説』上演!」

9月11日

9月5日と6日の土日、恒例の追手前高校文化祭が行われました。
今年のテーマは――
「結論からいうね。*それめっちゃ青春*~まとめると、追手前って最高!~」
見るからに青春♪ 読んだ瞬間、思わず笑顔になりました。

実は昨年度、「先達に聞く」という授業で1年生からインタビューを受けた際、ある男子生徒が「文化祭で『追手前伝説』を脚本にして舞台にしたいです」と話してくれました。
元演劇部としては胸が熱くなるほど嬉しかったものの、脚本化は大変なので、「実現したらすごいな」と静かに期待していました。

そして文化祭の前、その生徒さんから丁寧なお手紙が届きました。
「追手前伝説を舞台にして文化祭で発表したいとお伝えした通り、 演劇部で作り上げ、9月6日(日)の文化祭で上演することになりました。 つきましては、原作者である筒井さんにぜひご覧になっていただきたく、不躾ながらご案内申し上げました。」

このクラシカルな文章に、背筋がすっと伸びるような敬意を感じました。 こんな嬉しいことはありません。
こうして私は、当日、追手前高校の芸術ホールへと足取りも軽く向かったのでした。

玄関には演劇部の「追手前伝説」のチラシ。

キャスト欄には「追川」「手島」「前浜」――名字を縦読みすると「追手前」。
この遊び心に思わず頬がゆるみます。
さらに「畑校長」「大野和美」の名前もあり、どの場面が描かれるのか想像が膨らみました。

◆ 舞台のストーリー

追手前高校や先生が嫌いな友人に、学校の良さを伝えたいと台本を書き始めた演劇部の部長。
友人に卒業生が書いた『追手前伝説』を紹介すると、
「過去の伝説をタイムトラベルして直接見てくる話はどう?」と提案されます。
(まさか、自分の本が舞台の小道具にもなるなんて!)

本からは、在校生でも意外と知らない追手前の秘密が次々と明らかになります。「事務室」のフォント、排水口の時計台のようなマーク。
翌日、3人は校史資料室へ面白い話を探しに行きます。

奉安殿、地下の池、校長室の弾痕――部長が語るエピソードに、話はどんどん広がっていきます。
やがて3人は疲れて休憩し、眠りに落ちます。

気づくとサイレンが鳴り響き、爆弾の音。町は赤く燃えています。

「大丈夫か?焼夷弾が落とされゆうき」
その声で部長は悟ります。
「私は戦時中の追手前に来たの!?」

「追手前?ここは高知城東中学校や。わしは学校に残る。校長やき、学校を守らんといかん。」
そう、この方こそ、空襲の中で命がけで校舎を守った伝説の畑校長先生です。

担任の名前を聞かれ、口ごもる部長に畑校長は静かに言います。
「言いとうないか。先生と生徒のすれ違いはよくある。今はわからんでもかまん。」

そして、屋上へ向かう畑校長はこう告げます。

「教師というのは、生徒を守ることに命をかけるもんながよ。生徒を守りゆうがは、わしだけじゃないがやき。」

この言葉に、胸が熱くなりました。
畑先生なら、きっと本当にそうおっしゃっただろうと思えて…。

◆ 戦後の追手前へ
場面転換。屋上で目覚めた追川さんは、時計台の屋根に登る男子生徒を見かけます。
名前は――大野和美。

戦後の体育祭の日、時計台の屋根に登り、避雷針に校旗を掲げたあの伝説のシーンです。

ところが校旗を下ろすときに引っかかってしまい、もう一度屋根に登った大野くんは、避雷針の台座に自分の名前を刻みます。2度目の挑戦なので、余裕の笑顔で写真部に手を振る姿が痛快でした!

屋根から下りてきて「緊張してのどが乾いた」と言う大野くんに、追川さんがファンタ グレープを渡す――
現代と過去の生徒が交わる、ほのぼのとした交流が心に残りました。

・・・・・・・・・

ラストシーンで「これを機に、追手前のことについて興味を持ったり、少しでもいいから好きになってもらえたら嬉しいです」という言葉が、まっすぐに心へ届きました。まさに私の思いそのもので、胸が熱くなりました。

脚本を書いてくださった「あき とんぼ」さん、そして演劇部の皆さん、素敵な時間を本当にありがとうございました。

芸術ホールの前で記念撮影もでき、現役の演劇部の後輩と並んだ写真は宝物になりました。

昔から変わらない追手前の黒い制服も、とても誇らしく感じました。青春の一瞬のきらめきを、確かに見た日でした。

追手前高校の皆さん、ありがとうございました。