第1046回 「眼内レンズでパワーアップ!」

3月11日

思えば昨年は『追手前伝説』の執筆のため、かなり無茶な仕事ぶりで、目に大きな負担をかけ続けました。そのため視力はどんどん低下していき、近視がひどくなり眼鏡も相当強くしたのですが、それでもパソコンの文字も見えづらくなり「このままでは次回の運転免許更新ができなくなる!」と危機感を覚えました。白内障も関係しての視力低下なので、手術で眼内レンズに交換すれば見えるようになるということでした。

そこで、研修の少ない2月の時期に手術に踏み切ることにしました。想定外だったのは、手術3週間前に1週間、コンタクトを外す期間が必要だったことです。そのため、2月に入ると仕事をストップせざるを得ませんでしたが、術前検査に無事パスでき、日帰り手術をお願いしました。私の行った病院では片目ずつ1週間あけて手術するのですが、まずは近視がひどい右目から。

朝10時半に来院し、手術まで3時間待機しました。 瞳孔を開く薬や麻酔薬など、4種類の目薬を3回に分けてさします。まぶしくなるため、ガーゼで右目が覆われました。手術のための待合室で待っていましたが、手術を怖がる患者さんに、看護師さんが説明しています。 「あっという間なんですよね?」「 通常は、入室から退室まで20分位かかりますので、あっという間ではないです。」看護師さんは、冷静です。

(なるほど、通常は20分かかるのか)聞いている私も参考になります。「 歯科で歯石と歯垢を取るように、濁った水晶体を 小さく砕いて吸引しますが、人によってその時間が違います。」超音波で吸引し、人工の眼内レンズを埋め込むわけかと納得。

手術室へは歩いて移動します。私の病院では、手術室に患者1人だけの手術でした。(首都圏の友人は、何人もが並んで手術を受けたそうです)
目の周りに布?をかぶせて、固定。目は開いたままですが、苦痛ではありません。何かが目の前に迫ってくるとかいうのもなく、暗転してライトの光が見え、視界は鮮やかなブルーが広がりました。先生が「上を見て」「下を見て」とずっと指示なさるので、それを続けるのに忙しく、(私は)特に痛みはありませんでした。

その日は術後、目を保護するガーゼと金属製の眼帯をしました。会計を終えたらすぐに帰られる日帰り手術はありがたかったです。お陰さまで、長女の迎えの時間にも間に合いました。

そして翌朝。眼帯を外した時に、思わず「おー!」と声が出るくらい驚きました。 世界の明るさや細かい部分まで見えるのにビックリ! でも右側が過矯正の状態に近く、左目は裸眼なので、見え方のギャップがすごくて遠近感がわからず、脳の情報処理が追いつかずに混乱している感じでした。

例えて言えば、右足に 15cmぐらいのハイヒール、左足はつっかけを履いているようなものでしょう。左目にコンタクトを入れて矯正しても、つっかけが3cmのローヒールになったくらいで、やはりバランスが悪くて歩くのも危うい感じ。これは実に想定外でした。遠近感がわからないどころか、 近くも遠くも ピントが合わないという最悪のコンディションとなってしまい、もちろんパソコン画面の文章も見えません。

このコンタクトを入れてもとてつもない左右差を解消する対処法はないのか?と思い、(1週間後には左目も手術して揃う予定ですが)、要するに見えすぎる右目の視力に少しフィルターをかければ いいのではないかと気づき、 金属の穴あき眼帯をつけてみました。 確かに右目の視力が抑えられて、ましな感じになりました。

しかし、それでは日常生活に差し障りがあるので(笑)夏、 運転のときにかける紫外線カットの薄い色のサングラスをかけてみました。 するとほどよく右目の視力が低下して左右のアンバランスさが解消され、助かりました。
こうしてなんとか1週間をやり過ごし、左目も手術を終え、眼帯を取ってみると…

新品の眼内レンズの視界は「世界はこんなにクッキリとしていたのか!」と感動ものでした。思えば小学生の頃から目が悪かったからなあ。今までコンタクトの使用制限時間に縛られていましたが、夜でもお風呂でもクッキリと見える生活のありがたさを感じています。肩こりも少しマシになり、眼内レンズでパワーアップ!できました。

ちなみに私が入れたレンズは近くも遠くもピントが合う多焦点眼内レンズといわれるものです。デメリットは自費診療であることと、夜間に車のヘッドライトやネオンなどがにじんで見えるハローやグレアと呼ばれる症状が起こりやすく、夜は運転に支障が出やすいこと。確かにそうですが、私の場合はそれを補ってあまりある手術でした。感謝しつつ、目を大切に使っていこうと思います。