第1234回「便利は不便」
10月31日
「Alamak! あらま!マレーシア⑩ 」 written by Tapir
マレーシアに来て思うのは
「スマホ命!」という事。
とにかく、スマホ無しでは生活が成り立たず、必要不可欠なのである。もしもどこかに置き忘れたら…と想像するだけでスカイツリーからバンジージャンプをするくらいゾッとする。
何を隠そう、記憶喪失かと思うほどアレがない!コレはどこへ行った?と失せ物探しが日常茶飯事のワタクシ。さすがにコレだけは失ってはならぬと、スプリングコードでスマホとバッグを繋いでいる。(ダサすぎるだろ!)
現在、マレーシアはIT戦略国家を目指している。したがって移民局でのビザ申請、日本大使館での書類申請、銀行口座の管理、病院の予約、タクシー配車、果てはフードコートのラーメンの注文までスマホを使いこなさねば成立できないようになっている。
時代が昭和で止まっている私にはスマホ操作を覚えるだけで、ひと苦労。
先日はスマホのロック解除をするためだけに半日使ってしまった。解決策はたった1回画面をタップすれば良いだけの話だったのに…
ムカつきながらスマホに向かって「なんでやねん!!」とツッこむ。
スマホの操作だけでアップアップなんだから他は言うに及ばず。
目下、ワタクシの天敵はATM。
敵(ATM)の前に立つ時には、深呼吸をして「己に克つ!」と気合いを入れ、全神経を表示画面に集中させる。ヤツら(ATM)には決して隙を見せてはならない(と勝手に思っている)。

↑我が天敵ども
さてマレーシアではATMに銀行カードを入れると表示画面に言語の選択が表示される。
しかし選択と言っても
・英語
・マレーシア語
・中国語
のたった3種類。
日本語対応なんて優しさを期待してはイケない。
しぶしぶ英語をチョイス。すると
「Enter Your PIN」
と、早速私の語学力を試してやろうと英文を表示してくる。
暗証番号入力か?とりあえず数字を打ち込む。次の英文は
「SELECT TRANSACTION」
何々?取引内容を選ぶ?
・WITHDRAWAL
・TRANSFER
・BALANCE
え、えーと引き出し…はWITHDRAWAL?
ここまで脳内にある全ての英語ボキャブラリーを駆使して問題をクリア?したものの操作に時間がかかり過ぎてタイムアウトとなり自動キャンセル。
ちょ、待てよ!(キムタクか?)
…冷ややかに、「語学力が低いからでしょ?英語を勉強なさいよ!」と思ったあなた、そりゃあ私のオツムの程度が低いのは認めるけど、海外のATMは日本のATMでは考えられないことがおこるのよ!
◯ 例えば暗証番号を間違えるとエラーが出る。アレ?間違った?日本なら、もう一度カードを入れてやり直すだろう。しかし絶対にカードを入れてはならない。
ここではエラーが出た後、再度カードを入れるとATMが不正と認識し、カードは吸い込まれて没収される可能性がある。2度目はないと思うべし!
♪ハイ、与えられるはONE CHANCE!
ご唱和ください!
「エラーが出たら操作は中止」
◯ミスタッチをして一旦キャンセル。そして再度入力する…と、これまた不正とみなされてエラーが出てしまう。
♪ハイ、与えられるはONE CHANCE!
ご唱和ください!
「エラーが出たら操作は中止」
◯操作で手こずりタイムアウト、そこで再度チャレンジするもタイムアウト…するとエラーが出てしまう。
♪ハイ、与えられるはONE CHANCE!
ご唱和ください!
「エラーが出たら操作は中止」
おわかりいただけただろうか?
ミスをしたらカードは没収。
ミスをしないために慎重に操作するとタイムアウトで自動キャンセル。操作をやり直すも再度タイムアウトとなれば不正とみなされて、やはりカードは没収。
語学力の問題だけではないのだよ。この国の非情なATMシステムを知らなければ太刀打ちできない仕組み。
「カードを返してもらったら済む話じゃないの!」とアナタは思ったかもしれない。でもね、この没収されたカードを取り戻すために、銀行窓口で気の遠くなるような労力と時間を費やすことを想像していただきたい。もちろん全て英語でね。
そんなことするくらいなら没収されたカードは潔くキッパリと捨ててやる!
そしてすぐに新しいカードをゲットする!
そう、銀行カードは恋と同じ。
失った恋に未練を残すのは愚の骨頂。即座に新しい恋に目を向けるのが恋愛賢者。銀行カードも同じこと!(いや、何か勘違いしてないか?銀行カードの話だろ!)
だいたいATMごときが、勝手に泥棒認定して「犯罪を防いでやったぞ」とばかりに問答無用でカード返却口を閉ざすたぁ…おいATM!オマエ何様なんだよ💢
もはや冤罪事件の被害者になったような気がして、思わず「不当判決」と書いた紙をATMの前で広げてやろうかとさえ思う。ああ、いまいましい!

↑気分はコレ。
アナタは思ったかもしれない。「習うより慣れろと言うでしょ?使ううちに慣れるんじゃないの?」と。
そこなんだ!私も同じ事を考えたよ!だが、マレーシアのATMは表示画面が機種によって違う。
オマケに街なかのATMはなぜか使いづらい表示画面の機種ばかり。したがって慣れないワケ。
仕方なくATMが複数ある銀行に出向く。そこで「パチンコのよく出る台」を探すように、自分の英語読解力と相性の良さそうなATMを探して、ウロウロキョロキョロ。すると銀行のセキュリティが「怪しげなオバさん発見」と目を光らせる。
なんと、このセキュリティは実弾を装填したライフルを持ってるのだよ!

↑銀行のセキュリティ。怪しいオバさんに目を光らせる。手にはライフル持ってんのよ!ライフルを!
皆さん、海外ではたかが銀行カードを使うだけで命を狙われる。
(いや、オマエが挙動不審だからなんだろ!)
日本がいかに平和な国か、おわかりいただけただろうか…?
そんなこんなで、できるだけキャッシュレスにするためにスマホ決済をしたいのだが…これまたスマホの操作が厄介(もちろん、ぜ〜んぶ英語表記)。当然操作ミスをするとロックがかかる。すると半日かけてロック解除を試みる…と言うパターンを繰り返すのよ!
ね、時代についていけないオバさんは便利な世の中で一人不便と戦っているワケ。
もし、クアラルンプールでスマホに向かって日本語で「なんでやねん!」とツッコミを入れているオバさんがいたら、それは間違いなくこの私…。
注:IT国家戦略を掲げるマレーシアは小学校(特にインターナショナルスクール)の低学年から最新のICT設備を用いたIT授業が行われているが、16歳以下のSNS登録は政府が禁止しており、IT国家戦略を進めつつ子供を有害コンテンツから守る取り組みを行なっている。
注:ATMのエラーシステムは、国ごと銀行ごとに違う。海外でATMを使用する場合、あらかじめエラーが何回まで大丈夫かをチェックしておくべし。
筆者はいつもこれで失敗。
…いい加減に学習しろよ私 (泣)
