第727回 「スカイサイクル」

12月15日            (中村 覚)

スカイライン、スカイブルー、スカイツリー、スカイウォーカーなど、「スカイ」と名の付くものには読んで字のごとく、青く澄み渡る大空を連想し気持ちもどことなく高揚するなと常々思っています。ある時 友人との会話で「スカイサイクル」という言葉がひょっこり出てきました。何の事かわかりませんでしたが、勝手に気持ちは高揚します。

で、スカイサイクルとは?遊園地のアトラクションで、高所に設置されたレールの上を自転車で漕いでいく、知る人ぞ知るスリル満点の乗り物です。

そして、鷲羽山ハイランド(岡山県倉敷市)にあることが判明。ん~、そっかぁ・・・ そう言えば、鷲羽山に用事があった!のを思い出したことにして、ついでに行ってきました。

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本州に向けて瀬戸大橋を渡る時、あの山の上にある遊園地(鷲羽山ハイランド)が 子供の頃いつも気になっていました。でも 今まで一度も行ったことがなく、(そのまま時間も流れ)もう行くこともないだろうと思っていましたが、まさかこんなにも積極的に行くことになるとは、スカイサイクル様々です。

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高知市内から車で2時間ちょっとで到着。チケットはフリーパス料金の2800円。これで園内の全ての乗り物に乗り放題。でも私は絶叫マシンの類は全て御免こうむりたいし、ゆったりと観覧車に乗るのは老後の楽しみで良いかな~、などと考えるとやっぱり、予定通りスカイサイクル、オンリーです。

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山頂付近にあるスカイサイクルを目指して、えんやこら、えんやこら。長く続く階段は「本当に乗る気のあるヤツだけ登って来い」とばかりに・・・。スカイサイクルまで、ちょっと遠い。

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時間帯によって乗り方の変わるジェットコースター。普通はシートに腰を掛けますが、立ったままの状態で走行したり、座っている状態の時は後ろ向きに走行したりと、途中、色々な乗り物が目に入って来ます。

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バンジージャンプもありました。別料金で【 一人一回、1700円】 ちょうど「これから飛ぶぞ!」という人がいてくれたので、写真を撮る分には良かったです。

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やっと到着です。運良くスタッフの方 以外は誰もいなくて貸切り状態。

早速、自転車(みたいな物)にまたがり出発です。(車輪部分とレールは噛み合っているので、転倒の心配はありません。)ところが、ペダルが漕げない。左足で漕ぐ分にはいいのですが、右足でペダルを踏み切ることが無理。 敷かれてあるレールに起伏はなく、平地で普通に自転車を漕ぐ要領と何ら変わりませんが、自分で思っていた以上に右足の脚力がなくなっていることに、ここで初めて気付きました。ガーン。

「まっ じゃぁ 仕方ない、やめて帰るか・・・」それは許されないんですね、わざわざ瀬戸大橋、渡って来てますから。ダメもとでスタッフの方に、このスカイサイクルに乗るために高知から来たことを説明し、「すみませんが、一緒に乗ってもらえませんか?」とお願いすると「いいですよ」とオッケーをもらえました。(もし他にお客さんがいたら私にだけかまっていられないので、ダメだったと思います。)この自転車は、肩を並べて2人で乗る用にできていて、2人のうち どちらかがペダルを漕げば進むので助かりました。

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キコ キコ と漕いでもらい ゆっくり、ゆったりとした時間が流れます。絶叫マシンのように過剰なスピードではなく、シンプルに人力。このことに魅力を感じて乗りに来ました。

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出発地点から20m程でしょうか、徐々にレールが弧を描き始めるころから瀬戸内海の景色がより開け始めます。

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駐車場に停めてある車も豆粒ぐらいにしか見えません。

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山肌から突き出ているレールの上を進むということは、まるで空中遊泳。

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空間認識が歪み、高まる緊張感は振り切れ、これで高所恐怖症が一気に治ります!
ウソです。(笑)

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ここから先は恐くてハンドルから手が離せず、もはや写真を撮る余裕もありません。ところがスタッフの方はどこが急所なのか よくご存知です。サービス満点に一番怖い所で「では、ゆっくり どうぞ。」と停車。「えっ? 頼んでない。」そこまで望んでないので、早々に終着点に帰してほしいと伝えます。ホントは高所恐怖症なの。恐いもの見たさだっただけなのに~。

あまりの怖さに足がすくんでしまって漕げなくなった人は、次に後ろから来る自転車に押してもらって進んで行くのだそうです。これが公式の帰り方。(笑)

「怖かったぁ」などとブツブツ言いながら駐車場まで帰ってきて、再び山頂付近を見上げると、また誰かが・・・。ぜひ写真をクリックして、雰囲気を味わってみて下さい。

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