第768回 「さようなら、ウトコ 前編」

10月8日

9月は大阪の叔父が亡くなって大阪へ行った後、研修が立て続けだったのでかなり堪えました。そこで月末の仕事の後、大いなる癒しに出かけました。

室戸市の「ウトコ オーベルジュ&スパ」。

星野リゾートが運営するこの素晴らしいホテルが、契約期間満了により今年11月1日で営業を終了するということを知ったのは5月頃だったでしょうか。ショックでした!大好きなホテルだったからです。こちらでの最後のステイをレポートします。

ホテルは2006年に「ウトコ ディープシーテラピーセンター&ホテル」として開業。世界的メークアップアーティストのシュウウエムラ氏とフランス人建築家がコラボして作られた、おしゃれなホテルです。その後シュウウエムラ氏が亡くなり、2009年からは星野リゾートが運営を委託されていました。

初めて行った2008年には、この部屋に衝撃を受けたものです。
広い!そして、海の景色もなんて美しいんだろう!と。
今回泊まった部屋はラグジュアリーで、53平米(約33畳)ありました。

創業者のシュウウエムラ氏がこだわったという、ベッドでの目線と同じ高さの水平線の広がり。贅沢にも、部屋数はわずか17室です。

真っ白いバスルームに洗面台が2つ並んでいるのも可愛いんですよ。
鏡やガラスを多用しているので、とにかく部屋の広がり感がすごいんです。心も体も伸び伸びとできる海外リゾートのようです。

部屋の上にある、タイフーンテラス。南を見ると、遠くに空海の像が見えます。

タイフーンテラスの下は、ライブラリーです。

ここもすごく落ち着ける空間です。美しい写真集を眺めていると、
数時間はすぐに飛び去りそうな感じ。

今回、部屋にお持ち帰り自由の可愛いデザインのプールバッグがありました。
海洋深層水のプールで泳げるのも、ここの魅力の一つです。

以前来た時には写真を撮りたかったけど 人がいてなかなか撮れなかったなあとか、テラピーを初めて受けたのがここだったなあとか、懐かしく思い出します。

海洋深層水で泳ぐと、そりゃあお肌は喜びますし、温水なので無理なく運動できるんです。夜8時~10時までのキャンドルが揺らめくナイトプールもやっていました。

太平洋を眺めながらの、ジャグジープール。
今回は泳ぎ納めだと思い、午後とナイトプール 2回泳ぎました。

きれいな夕景を楽しんだ後、レストランへ。

夕食は、カツオのイタリアン。カツオを余すところなく使い切ったお料理は、高知県人にも珍しいものがたくさんありました。

皿鉢料理をイメージした「鰹のアンティパスト・ミスト 皿鉢料理スタイル」は目にも鮮やか。鰹の燻製のミルフィーユ仕立てとか、鰹のリゾットのライスコロッケとか、とてもおいしく頂きました。

意外ですが、鰹の血合いが入ったパイもコクがあって良かったです。

私はウトコに来たのが何度目かも忘れていたのですが、ホテルの方が調べて下さっていたようで「本日筒井様は◯回目のご利用と言うことで、ささやかながらお礼をご用意させていただいております。」と、べく杯(はい)を持って来て下さったのは嬉しかったなぁ。

べく杯とは、呑み干さないと置けない土佐の恐るべき杯です。(笑)
呑めない私は海洋深層水で乾杯しましたけどね。

「Welcome back to UTOCO」のデザートプレートもサプライズで持って来て下さいました。こうした最幸のおもてなしが嬉しくて、頑張って働いてここへ来るのが私のご褒美でもあったのです。

最後のステイもこうして、穏やかな「ウトコ時間」が過ぎていったのでした。