第906回 「公衆電話クイズ」

6月6日

先日、懐かしい物を手に入れました。これです。

いわゆる「赤電話」、昭和46年(1971年)から設置され普及した公衆電話です。私が子供の頃にはタバコ屋の店先などに、これが置かれていました。かつての電信電話公社(現・NTT)が導入した、10円硬貨専用の公衆電話です。

昭和の時代、黒電話と言われた電話機は債権の購入が必要でした。確か20万円くらいして、おいそれと家庭では手が出ない高嶺の花だったんです。
だからこそ、「隣の筒井さんを呼んでもらえませんか?」というご近所の「呼び出し」システムがありました。そういうとき、今と違って保留ボタンなんかないわけです。どうやっていたのか、おわかりですか?

答え①はシンプルに、こうですよね。でも、店先の公衆電話の台は狭くて、受話器が置けないこともありました。そこで、答え②です。

そう、こうすると重い受話器も安定して置けたんです。(笑)
「でもなんか、この電話機、ヘン?」と思った方、正解です!実はこれ…

公衆電話のカプセルトイなんです!よくできてるでしょう?(笑)
ダイヤルも回せるんですよ♪

受話器も外せるし、プッシュボタンも押せるし、返却口のカバーも動くんです。
受話器のコードも、質感がそっくりで感心しました。

文字なども、細かい作り込み方が実に精巧です!
タカラトミーアーツのガチャガチャですが、これで300円とは優秀。

この緑の公衆電話は、私が大学生の頃、学生寮にありました。
200人以上の学生に対して、電話機はたった2台。1台は受信専用でしたが、いつかけてもほぼ話し中。かける方の電話機には、長距離通話が安くなる夜8時以降、ズラッと4~5人は並んでいるのが普通で、待ち時間に30分以上かかっていました。そんなこともあり結婚した主人とは文通が主で、大学生活で200通は手紙を書いたような。(笑)

この右の電話機は受話器が二つある「デュエットホン」というものだそうです。1990年(平成2年)の電話開業100年記念に作られ、今でも少しだけ残っているとか。

この2台、よーく見ると本体の色が微妙に違います。左の方が黄緑っぽい色なんですよね。そこまで忠実に再現しているのも感心です。

今では携帯電話の普及で、ほとんど見かけることがなくなった公衆電話。でも、災害などの時には公衆電話はつながりやすいということもあり、いざというときには頼れる味方です。でも問題は、今の若い世代は公衆電話の使い方を知らないこと。
テレビでやってたのですが、ゲーム機のようにまずお金を投入するので硬貨が返却口から戻ってしまい、「何回やってもダメ!」と降参の人が続出してました。

正解はこうですよね。まず受話器を上げてから、お金を入れる。

少し重い受話器を握りしめ、電話ボックスで相手の声に一生懸命耳を傾けたあの頃。
そんな懐かしい日々を思い返させてくれた素敵なミニチュアでした。

前の記事

第905回 「困難から学ぶ」

次の記事

第907回 「 鍛錬<習慣 」