第1024回 「着物つれづれ」

9月24日

白の彼岸花が庭に揺れる季節になりました。
二人目の孫として女の子が誕生し また違った喜びを味わっているのですが、昨日次女が「お宮参りの着物って、ある?」とLINEしてきました。写真で確認してみると…

赤い着物が写っていました。次女に見せると「みんな、若い!」と驚いていました。(笑)そうですね、私も30歳頃ですし、主人も若い。
何より、数えの百歳で亡くなった。私の祖母が元気な姿で写っていました。
当時、70歳くらいでしょうか。懐かしさで、胸が満たされていきます。

実は婚礼の時 母が私に着物を作ってくれたのですが、障害児の長女と元気な次女の子育てで忙しく、少し手が離れてからは仕事に没頭していたせいもあり、ゆったりと着物を着る機会は、まったくありませんでした。少し罪悪感…。手を通していない着物も、まだあります。

あらためて着物のタンスを開けてみました。引っ越し以来、20年ぶりかもしれません。今はもうなくなった数々の呉服屋さんの、たとう紙(し)と呼ばれる 着物を保存する紙包みまで懐かしく写ります。

特に年代物は、これでしょうか。「愛宕町踏切北 まきの呉服店」。
そう言えば昔、愛宕商店街に小さな呉服屋さんがあったっけ…。

なんと、電話番号の局番が一ケタです!50年ぐらい前のものでしょうか?
ひもが和紙をより合わせてあるのも、時代を感じます。

開いていくと、七五三で娘に着せた着物や もう忘れていた私の着物がたくさん出てきました。

職人さんの腕が感じられる、良い柄行きが目の保養になります。

そして、色の取り合わせの妙。日本文化の奥深さに改めて感心します。

着物の写真を次女にLINEで送ると、
「どうしてこんな良いものがありながら、着んかったのか不思議」と送られてきました。次女は成人式以来 着物好きになり、私や母と同じく古典柄好きなのです。

もっと娘に着せてあげたら良かったなあと悔やみつつ、いや、今からでも遅くない。着物は私から娘や孫に受け継いでいけばいいんだと思うと、少し気が楽になりました。