第1042回 「令和のおひなさま事情」

2月4日

え、2月なのに「おひなさま」?ずいぶん気が早いと思われるかもしれませんね(笑)
はい、時期的にはその通りです。実は次女に女の子が生まれまして、「おひな様を買いに行くから、一緒に行ってくれる?」(=買ってくれる?の同義語・笑)ということで先日、人形店に30数年ぶりに伺ったのでした。

私が子どもの頃のおひなさまは、5段飾りとか7段飾りの大きなものでした。次女のおひな様は3段飾りでしたが、広げてみると結構大きく、でもいっぺんに華やかになるのが、娘達も私も嬉しかったものです。

店内はあちらもこちらも見事なおひなさまが並んでいて、その雅な世界観にうっとりとします。「今日は平日なので空いていて良かったですね。ゆっくりごらん頂けますので」という店主らしき男性の方に、色々と解説を伺っていきます。

目についたのは、親王飾りの多さです。

親王飾りとは、お内裏様とお雛様のペアのみの飾り付けです。住宅事情からでしょうか、今では8割 ほどが親王飾りを選ぶそうで驚きました。そしてこのように、下に豪華な収納箱付きというものも多かったです。

親王飾りならではの「立ちびな」も多く見られました。こちらは今上天皇と雅子皇后陛下のご即位の時のお衣裳のおひなさまです。立ちびなは、十二単が引き立って美しいですね。

あと、こういうケース飾りも多くなっていました。コンパクトで収納も簡単なため、次女も最初はこのタイプを買おうと思っていたようです。

ただお店の方がおっしゃるには、「がっちりと固定されているので、後で別の所に飾りたいと思ったときに、それができないです」とのことでした。そんな機会あるのかな?と考えてみると…

思い出しました!次女の結婚の時に、おひな様と一緒に写真の前撮りをしたことを。次女も「じゃあやっぱりおひな様を娘が持てるようにしたい」と予定を変更。

この人のおひなさまなんですが、本人はまったくこだわりがないようで。そりゃそうです(笑)

やっと候補を3つから2つに絞り込んだのですが、最後の決定がかなり難しく、悩んでいるとお店の方が「やはり、顔で選んで頂いた方が」とのこと。次女がふと思いついて、「じゃあ、おひなさまを2つ並べてもらえますか?」とお願いしました。

並べてみると、一目で顔立ちが違うのがわかりました!そして、私たちの好きな顔立ちは「右やね」と意見が一致。こうして1時間以上かかり、やっとおひな様が決定しました♪

以前は高知ではなかった、つるしびなが可愛らしくて目を引きました。写真のウサギは目が赤いので、魔除けにもなるとか。

今、おひなさまは年末・年始で遠くから家族が集まる時期から、お買い求めのお客さまがいらっしゃるのだそうです。確かに量産品を除けば、ほとんどの人形が手作りなため、早ければそれだけ品物の選択肢が多くなるからでしょうね。知りませんでした。

「すべての子どもが健やかに育ちますように」と願いつつ、雅な世界を後にしたのでした。