第1082回 「高校生の思いが伝わる嬉しさ」

11月19日

今日は追手前高校の145周年の創立記念日です。
9月にもコラムでふれましたが、母校の追手前高校 文化講演会で「『追手前伝説』からの学び」として在校生の皆さんと交流をさせて頂きました。(追手前の歴史って、アメリカ建国からの歴史と102年しか違わないんです。)

前半、『追手前伝説』の「伝説解明編」より4つの伝説(時計台、排水口の刻印、地下池、伝説の校長先生)についてお話しし、後半に「未来編~幸せに生きるヒント」として、心理学からのエッセンスのお話をしました。最後の質問コーナーでは20分以上も質問が続き、追手前高生の熱心さに驚かされたものです。

その後、およそ700人の全校生徒さんからの感想文をお送り頂きました。実のところ、昔の追手前の話をするのは在校生の皆さんにとって、どうなんだろう?と心配もしていましたので、それを知る良い機会でもあったのです。

非常に多かった感想は、前半は「追手前伝説」についての思いに触れ、後半は心理学の話を自分ごととして書いたものでした。
「地下池の話はまったく知らなかったので驚いた」という生徒さんが多くいたのですが、皆さん好意的に捉えてくれて安心しました。

時計台の文字盤の裏に昔の生徒の落書きがある写真に「もし筒井さんが落書きできるとすれば、何と書きますか?」というナイス!な質問を当日頂き、悩みました。「追手前は永遠に」とお答えして拍手を頂いたのですが、誰かが感想文に「追手前よ永遠に」と書いてくれてて、そっちの方が良いなぁと思いました(笑)高校生の感性って素敵!

高知空襲の日、当時の畑久治(はた きゅうじ)校長先生が屋上から焼夷弾を投げ落として校舎を守ったことについて、多くの生徒が先生のフルネームをきちんと書いて、
「校舎の見方が変わりました」
「多くの人が守ってきたこの校舎を、自分たちも守らなければ」
「私ももっときちんと掃除をするなど、校舎を大切にしたい」
というように書いてくれたのを読んで、本当に嬉しかったです。畑先生が亡くなられて45年、きっと空の上から喜んでくださっていることでしょう。

後半で悩みへの対処法にふれ、「今の悩みを1年後の自分はどう見るか?」と、未来目線で考えるという手法を紹介したのも多くの反響がありました。勉強や大学受験というプレッシャーへの悩みを多くの生徒さんが抱えつつ一生懸命に頑張っているのが読み取れ、大人としてできる限りのエールを送りたくなりました。

「自分の【哲学】を見つけるにはどうしたらいいのでしょう?」など、高校生らしい純粋な質問が17個も寄せられており、すべてにお答えしていくとA4で7枚にもなってしまいました(もはや手紙ですね・笑)。在校生の皆さんには、17日(金)に配られたそうです。手書き文字や文章から、高校生の今の思いが伝わる嬉しさをたくさん頂きました。ありがとうございました。

『追手前伝説』がきっかけで頂いたご縁ですが、高校生の皆さんが自分の方向性をより広げていくための一助になれば、こんな嬉しいことはありません。