第1183回「ツガニのパスタ」

11月1日

この時期、高知で美味しいものに「ツガニ」があります。四国での呼び方で、正式名称は「モクズガニ」。川に住む15センチ前後のカニです。清流沿いの高知の道の駅では、生きたツガニが売られています。

こちらは、越知町の観光物産館 おち駅。「活 ツガニ」の看板が出ています。

こちらは佐川町の「まきのさんの道の駅 佐川」。ツガニは5~6匹ほど入っているのでしょうか、どちらも一袋1200円でした。

この旨味の強い食材のツガニは、ツガニ汁で頂くのが一般的です。ツガニうどんやラーメンもあります。つがにラーメンで検索したら、意外にも自分の前のコラムが出て来てビックリ。(第1080回「秋の幸せ つがにラーメン」

ところが先日、ツガニのパスタが食べられるお店があると知り「それは行ってみなければ!」と決心(笑)。パスタなら、どんな味になるのかな?想像が付きません。

越知町にある「居食屋 かどた」さんです。国道494号線沿いにあり、高知市からは車で50分ほどでしょうか。こちらには面白いメニューがあり…

「龍とそばかすの姫」の沈下橋で有名になった町でもあるので「仁淀ブルーカレー」なのかと思いつつ、今日の目当てはその下の「つがにパスタ」一択です。
う~ん、どんな味なんだろう…ワクワク♪

はい!こちらが、「つがにパスタ」です。「仁淀川で取れたツガニをトマトと野菜で煮込んだ、クセになる濃厚絶品ソース」とのこと。最後のシメ用にライスが付いていて、リゾットにどうぞという至れり尽くせりぶりで、1380円。

こちらは中村が頼んだ日替わりワンプレートランチ、3品と味噌汁付き。この日はボリュームのあるトンカツ焼きそばでした。これで980円とはお得です!

そして味噌汁はツガニ汁も選べるとのことで、迷わずそちらを。しかしよく考えると中村はカニが嫌いだったので、ここは私が頂くことに(笑)

う~ん、やはり旨味が強くていいなあ。ツガニ汁は味が濃いので、少量でも満足感が高いんです。

さて、期待の「つがにパスタ」。一口頂くと「う~ん、濃厚!」滋味がぎゅっと詰まっている感じ。味わいは力強く、存在感のある濃厚さです。とても説明が難しいと思いました。トマトソースって通常、トマトの味が前面に出がちですが、これはちゃんとツガニの後ろに控えているようで、それでいてツガニもしゃしゃり出ていない、深い味。パスタはアルデンテで歯ごたえもしっかりです。

ツガニは殻ごとミキサーにかけて丁寧に3回裏ごししているとか。道理で口当たりもなめらかです。

ツガニの味が濃厚なので、それを上手にパスタにまとわせている感じ。通常のトマトクリームパスタとは、段違いの奥行きです。

とにかくソースがたっぷりなので、パスタを食べきるとソースが余ってしまいます。写真で、お皿の下の方のソースがとろみが強いのがわかるでしょうか?せっかくのこのソースを味わい尽くすために、ここでライスを投入!

リゾットにするのですが、ソースがご飯でマイルドになり、トッピングのフライドガーリックがアクセントに効いています。

こうしてツガニの濃厚なソースを最後まで楽しめるわけですね。味わい尽くすために、とても良くできた組み立てだと思いました。

清流の恵みに、感謝です。ご馳走さまでした。