第881回 「あえて二兎を追ってみた」

12月12日

その日は親友と美味しいランチが約束されていました。時計を見ると10時20分。出かけるまで、あと20分あります。台所の片付けの後、ふと「そうだ、流れが悪くなってる排水口の掃除をしよう」と思いつきました。

夫が「これを使えば、一発で流れる」と太鼓判を押していた、1mほどの長―いブラシを持ってきて、いざ!排水口へ突っ込みました。(写真はイメージです)

ところが、流れはまったく良くなりません。「おかしいなぁ」と思いつつ、さらに奥に突っ込みます。なかなか取れないくらいに、奥まで。

苦労して引き抜いたのですが、やはり流れません。4~5回繰り返していると…
まずいことになりました!水が、まったく流れなくなってしまったのです。うーん、想定外!しまったと思っても、後の祭り。(泣)

そうこうしてるうちに友人が迎えに来てしまいました。「5分だけ待って」と頼んで、薬剤を使おうとしたんですが、たまってる水がまったく引かないので使えず。いよいよ、業者さんに頼むしかないか。

ここで友人に理由を話しました。友人は当然、緊急度の高い方を優先してランチは中止すると思ったようですが、私の選んだ答えは「どっちも!」。

だってちょっと離れたレストランのランチを予約してあるし、今日を逃すと師走だからもう、次のランチ予約は年内は無理かも→ それは悲しい。
「とりあえず、ダメで元々。両方やってみよう!」

というわけで車内から電話。ちょうどハウスメーカーは休日で、つながりません。直接、業者さんに頼むか?でもどこがいいのか、わかりません。そこで先日工事をしたハウスメーカーの担当者さんの携帯に電話したら、休日受付センターを教えて頂き、そこから無事に業者さんにつないでもらえました。

「折り返し、業者から電話を入れますので」ということで業者さんから電話がかかってきたのが12時半。ちょうどランチもパスタが終わって一区切りになっていました。

「今日は一杯なんですが…、なんとか3時から4時の間に伺います」ということで安心。良かった~。業者さんに来てもらえたら、もう無事問題は解決したのも同じです。というわけで、友人とのランチも満喫できました。

夕食の買い物をして家に帰ると、しばらくして業者さんが来てくれました。
すると、なんということでしょう!水が、すんなり流れるんです。
「え~!?朝は一切流れなかったのに?」
わけがわかりませんが、とりあえずパイプを分解し洗浄して頂き、スッキリ!

こういう時、「なんで?」と考えてもダメなんですよね。理由はともかく、そうなったのが事実。業者さんはたいしたことしてないのにと恐縮しつつ、3千円で騒動はあっけなく収束しました。

昔の私なら多分、朝、トラブルが起きた時点で「仕方ない」と友人を断り、自分の楽しみは取りやめていたでしょう。そして家で「折り返しの電話がなかなか来ない!」とイライラを募らせ、すんなり問題解決しても「本当だったら今日は楽しかったのに、台無し!あ~、運が悪い」なんて嘆いていたかもしれません。

でも今は違います。「選択肢から、決めるのは自分」。長く生きた分だけ、少しトラブルに気楽に対処できるようになったのかもと思います。

もちろんいつもうまくいくわけではないでしょうが、時には「二兎を追う者は一兎も得ず」ではなく、「あえて二兎を追ってみる」のもいいかなと思う出来事でした。