第746回 「タイミング?」

5月6日            中村 覚

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「この一週間で何かあったか?」
「……」
「じゃぁこの一か月の内に何かあったか?」
「特に何も…。」

コラムを書く時のいつもの自問自答です。さすがに一か月もの間に何にもないなんてことはないのに、人様の目に触れるような形で文章にするとなると、書くことが途端になくなります。「いえいえ 私ごときが~」と二歩も三歩も下がって、「どなたか代わりに どうぞ どうぞ」とたいへん謙虚な気持ちにもなれます。

苦し紛れに 代表の筒井に聞いてみました。「今週のコラムは私の番ですが、何か書きたいことがあって、実はうずうずしているのではありませんか?」「ない。」取りつく島もありません。「そんなことを言わず、そこをなんとか…」ちょっとお願いでもしようものなら 「寄らば切る!」急にサムライです。刀の柄に手をやっているので話し合いもできません。あっぶねー、あぶねぇ。(笑)でも私は知っています。ないわけないんです、ホントはあるに違いない。

上司の悪口を言ってもはじまりません、なんとか脳ミソから絞り出さねば。
あぁそう言えば、4
月の初め頃のある夜、近くのショッピングセンターに買い物に行きました。この時、たまたま冷え込んで急に寒さが逆戻り、駐車場から店に入るまでのほんの数メートルの間でも上着を着てこなかったことが悔やまれ「今夜はバカに冷え込みやがる。」とドラマのワンシーンのようでした。

その時、ちょうど買い物に来た親子と入口付近で一緒になり、私 同様 エレベーターを待つことになりました。小学5,6年生の男の子はすぐに降りてこないエレベーターがもどかしいのか、「お母さん、僕は階段で行くから、どっちが速いか競争しよう」と階段の方へダッシュ。こっちは(この寒さ、なんとかならんかね)しか頭になかったので、この子のあまりの元気の良さに感心してしまいました。「元気なお子さんですね」と、一緒にエレベーターを待つお母さんに、つい話しかけたのです。

すると「(もしかして)同級生?」という返事。私は「???」で、(俺がさっきの子と同級生な わけないし…)と、ありもしないことが頭をよぎります。 しかし 顔を見ている内に、(同級生や…!)納得。そうなんです。このお母さんは、小学34年生?の時のクラスメイトだったんです。「覚君?」下の名前を覚えてくれていました。当然、私には相手の下の名前なんかわかりません。結婚をして苗字は変わっているかもとは思いましたが、「○○さん?」とやっと聞き返すと、そうだと言うのです。

一体、どんな確率でこんなことになるのか?私同様、学生の時と同じ場所に今も住んでいるとのことでしたが、同級生なら そんな人はけっこういるでしょう。でもたまたまこっちから話しかけた相手が同級生なんて。あの日、買い物に行かなければ、あの時間帯に行かなければ、気温が急激に寒くなければ、あの子の「僕は階段で行くから」を耳にしなければ、などなどいくつものたまたまの積み重ねが… すべてはタイミング?

最後に、昨日のことです。友人に頼んでおいた番組をブルーレイに焼いてもらい、それを受け取り意気揚々 家に帰ってすぐ鑑賞! のはずが、あろうことかテレビがクラッシュして観ることができませんでした。スイッチを入れると画面は映るのですが、音声が全く出ないのです。一度コンセントを抜いて再度電源を入れても同じです。画面は映るものの やっぱり音声が出ません。無声映画じゃあるまいし、なんてことだっ!

なんでこのタイミング!? ものすごく楽しみにしていた番組なのに。
こんなことならブルーレイじゃなくて、DVD
に焼いてもらえばよかった。
DVDならパソコンでも観られたのにすべてはタイミング?

第745回 「厄落とし」

4月29日

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前回に続き恐縮ですが、来月 次女が挙式します。わが家にとっては最大級のお祝い事なのですが、大きな慶事の前だからでしょうか?不思議なことが起きています。

次女は入籍当日、車をぶつけてしまいました。その時は「結婚という大きな幸せを手に入れるのだから、まあ厄落としだと思って」と慰めたのですが…

続いて夫が3月に軽い物損事故を起こし、今月私も シートベルトを付けながら発進していたら、マイナス1点の切符を切られました。こんなことは初めてですが、筒井家で運転する者は 全員が数か月の内に運転がらみのトラブルを起こしてしまったのです。

「これでほぼ全員がトラブルにあった」「でもまあ、涼歌(すずか:長女)は運転せんから、そんなこともないわねえ」と話していたのですが、なんと2日前、デイサービスから「涼歌さんが車イスで散歩してた時に横転して、ケガして病院に行っています」との連絡をもらって、駆けつけました。

デイサービスでこんな事故が起こったのは初めてです。幸い、CTやレントゲンを撮っても異常はなかったのでホッとしましたし、私が出張中とかではなくて不幸中の幸いでした。そして、ふと「これで家族全員がこの時期、厄災にあった」とも言えることに気づき、驚きました。

82歳になる母にそのことを話すと、「大事(だいじ)の前の小事(しょうじ)やね」。「大事を行う時には小事にこだわってはいられないから、小事を犠牲にしても仕方がない」という意味です。

まあ 私としては、結果的に「大事なし」(たいしたことはない)となったことに安堵しています。これで全員が大きな慶事の前の厄落としがすんだ、とも言えるでしょう。人間万事、塞翁が馬。安心して、式を迎えられるだろうと思っています。

第744回 「ウエディング・フォト」

4月24日

来月の次女の結婚式を控え、ウエディング・フォトの前撮りに行って来ました。

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結婚式当日は、親はあいさつに回らなければならず、ゆっくり披露宴を見ることもできないと聞いています。娘は二人いるけれど 結婚式はこれが最初で最後なので、晴れ姿を堪能したい身内にとって、前撮りはとてもありがたいイベントです。特に写真撮影が好きな82歳の母と私は楽しみにしていました。

30年前の私達の頃のスタジオ撮影とは違って 今は前撮りもロケが主流ということで、いくつかのスポットで撮影をしました。幸い、お天気ももってくれてありがたかったです。「でも外でロケの場合、衣装を着替える時にはどうするのだろう?」と思ったら、スペースを借りられない場合には写真館のロケバスの中で着替えや髪型のチェンジまで行うのです。狭い場所で美容師の先生は非常に大変です。

今回幸運にもお願いできたのは私の結婚の時もお支度して下さった 、SHANZE会長の小松公子先生。長年のノウハウと数々の受賞経験、天性のセンスで全国的にもご高名な先生です。梨園の中村勘太郎さんと前田愛さんの前撮りから披露宴までの着付けもなさったほど。

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その手際、仕上げの美しさ、小物や色合わせのセンスには「さすが、小松先生!」と、何度となく感動を覚えました。まさに美の職人技です。

近年、和装がまた少しずつ復活の兆しを見せていますが、着物に洋髪、というスタイルが多いようですね。次女の友人も沢山結婚しましたが、全員洋髪だったとか。でも、最近のかつらは軽量化されていて長時間つけていても痛くないよう改良が進んでいるし、種類や髪の色まで選べて、より自然なかつらになっていました。

私達の若い頃には、結婚式ではみんな被っていたかつらですが、このままだと廃れてしまうかもしれません。なんとももったいない気がします。

また、打ち掛けの職人さんの緻密な技、美しさには改めて心を奪われました。
相良刺繍(さがらししゅう)ってご存じですか?

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糸で結び玉を作り、それで図柄を作っていく手法です。私も初めて知りました。
この年でも、勉強になることだらけです。

かつら用のかんざしは、置いてあるだけで輝きに目を奪われるし…

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伝統って、その時には取っつきにくくても、後から理解や郷愁があふれてくるものかもしれませんね。改めて色んな「日本の美の深さ」に心打たれたことでした。
若い方々にも、こういう美しさをもっと知って頂けたらいいなぁ。

もちろん、洋装も和装も、「みんな違ってみんないい♪」

前撮りのメッカとも言える牧野植物園では、通りすがりの方々がたくさん「きれい!」「おめでとうございます」と祝福して下さり、若い二人も心から嬉しそうでした。この ほんわかした空気感と感謝の気持ちは、これからも大切にして欲しいなあと心から願っています。