第830回 「手のひらサイズの動物図鑑」

12月14日              中村 覚

それぞれの動物の特徴をとらえて真ん丸に。デフォルメはオリジナリティーが損なわれるので、あまり好きではないという方も多いと思いますが、ここまで来れば それはそれ、これはこれ。不安定なたたずまいは付属の輪の上に乗せてOK。

皆で集合写真。百獣の王も等しく平等。

次はチョコエッグという動物のフィギュアで一世を風靡した「海洋堂」の新シリーズ、「ワイルド・ラッシュ」。カプセルトイですから、何が出るかわかりません。最初に出たのはシマウマ。 さすがこれぞ王道。

一番欲しかったのが こちら。ラインナップにハシビロコウが入っていたことが商品購入のきっかけでした。ハシビロコウ関連の商品は色々ありますが、小さなサイズで この存在感となれば、海洋堂のお家芸かと。

これはシリーズ第2弾のジャガーです。手のひらサイズの立体図鑑にふさわしい一品ではないかと思います。

他にアリクイやワニなどラインナップにあります。でも今回は「ジャガー」が当たったので、また次回にと 時間をおきました。というのも 1個400円ですので、 あまり積極的にはなれません。(笑)

その昔、多感な時期を1個150円 のチョコエッグでずいぶん楽しませてもらったものですから・・・ つい、やっぱり。(笑)

こちらは雑貨屋で見つけた 荒くれモノ達。作りも彩色も粗いんです。このチープさに好感度がグィーンッ! カプセルトイとは違い、1個ずつ選んで買えたので、全種類 一網打尽にしてやりました。

この面構え、元気だけが取り柄の烏合の衆。(笑)

物の価値も変わり、200円のカプセルトイも以前とは違い、出来の良さを売りにするというよりは「アイデア勝負!」といったところがあります。コストを抑えようとすれば版権の必要がない「動物もの」に光が当たるというものです。

最後の動物たち。造形や彩色よりもポージングで勝負!

一週間ごとにちょこちょこ買ってみたのですが、3個買って3個ともネコ(サーバルキャット)。一番欲しくなかったネコ。ありがたくも何ともないご縁に合掌。(笑)

第829回 「TOTAL ENGLISHとビンセント君」

12月8日

今年は長年の人生の2つの宿題が、立て続けに解けたようでした。1つは第825回でご紹介した「めもあある美術館」が掲載された小6の国語の教科書に再会できたこと。今日はもう一つのお話です。

私が中学生の頃の英語の教科書は少し変わっていて、TOTAL ENGLISHという三省堂のものでした。Vincent(ビンセント)君というアメリカに住む同年代の少年が出てくるお話があり、もう40年ほど、なぜかその教科書をもう一度読みたくて読みたくて、ずっと探し求めていました。

そしてついに今年のバースデープレゼントに、オークションから掘り出したそれを頂いたのです。昭和47年(1972年)前後の しかも、1年~3年までの、3冊コンプリート!大感動の再会でした。

教科書は暗い宇宙から見た地球が背景で、その前にアンデルセン、ベートーベン、エジソンが載っています。アポロ11号が月に着陸したのが1969年ですから、出版のわずか数年前。だからこその絵柄だったのでしょう。

この本の持ち主は男の子だったようで、教科書は落書きだらけ。(笑)でもよくぞ、長期保管してくれました!オークションにも出してくれました!とにかく嬉しすぎて、いっぺんに読むのがもったいなくて、毎日少しずつ音読しています。

これがVincent(ビンセント)君です。この挿し絵のペン画もかなり印象的で、アメリカの雰囲気が伝わるようで大好きでした。1年の教科書のStep12 で、彼はロシアの友人、Stanislas(スターニッスラース)と2年間テープを送り合って文通していると出て来ます。(飛んでるのはCDじゃなくて、オープンリールテープですよ!?)

2年の教科書Step14は、タイトルがおしゃれで「From Russia with Love」.ロシアより愛を込めて、って映画のタイトルにありましたよね。なんて粋な教科書でしょう!
Stanislasが突然、Vincentに電話をかけてきます。ロシアのピアノコンクールで優勝し、ニューヨークの世界大会に来たので会えないか、とのこと。今と違い、気軽に飛行機に乗れる時代じゃありませんでしたが、Vincentは両親に見送られ、初めて飛行機でニューヨークへ。二人は初めて会えたのです。

Stanislasは世界大会では2位の結果でした。(1位は日本の少女でした)がっかりして「僕は君が1位だと思う」と言うVincentに、Stanislasは「まだ僕のピアノは世界一じゃないけど、君は世界一の友達だ」と言います。「それに僕は、希望を失ってないよ。There is always the next time.(いつも次があるさ)」

いや、なんだか今読んでもグッと来ます。すっかり忘れていましたが、そうか!私はこの人間ドラマが大好きだったんだ!!

この教科書はとにかく、しっかりとした主軸があるのに感心させられます。中2のStep12では、Vincentの大学生の兄のBobが作文コンテストで優勝しますが、なんと「What is happiness?」(幸せとは何か?)というタイトル。

…地球上には素晴らしい生命がある。私たちは宇宙に命をもたらし、その秘密を見つけようとする。自分自身を見つけるために。「We work in order to find ourselves.」(自分自身を見つけるために)なんて深い表現でしょうか。

3年生では、オズの魔法使いやハリー・フーディーニという脱出王の話、キツネの襟巻きが好きなMiss Brillの話など、一般のお話が長編化していきました。あ、だから私、Vincentがメインの2年の教科書が一番好きだったんだ。今になって納得です。

著作者は、WILLIAM L.CLARK 氏、それに東京大学名誉教授の英語学者、中島文雄氏ほか。そりゃ、軸がしっかりしているはずです。中学生にも手加減せず、真っ正面から人間としての投げかけをする気概を感じます。それが一部で「中学生には難しすぎる」と敬遠された由縁でしょう。

当時はアメリカとソ連が冷戦の真っ只中。でも、中学生の私たちが大人になる頃にはVincentとStanislasのように手を取り合って、きっと世界は平和になれるはず!と、教科書を通じて明るい未来を信じさせてくれました。そしてそれはこの教科書を作った先生方の願いでもあったのでしょう。

今読んでも素晴らしい教科書ですが、残念ながらこの後、三省堂は倒産してしまいました。今も三省堂のTOTAL ENGLISHは教科書としてありますが、中身はまったくの別ものです。大人になって改めてこの教科書と対峙できて、新たな感銘を頂けたことに感謝です。

第828回「先人の知恵をおさらい」

11月30日             中村 覚

いつもパソコンやケータイで文を打ち込んでいると、実際に字を書くことがめっきり減り 読めるけど書けない、そんな漢字がちらほらと、いやけっこうたくさんあったりします。「ん~、知っているのに、ここまで出かかっているのに・・・」 でも 書けなければ知らないに等しいわけです。

画数が多い字など、その代表格ではないでしょうか。例えば「憂鬱」の「鬱」。グゾグゾッと何やら書いてあり、「お前、ひと昔前の漢字だろ?」と言いたくなりますが、漢字は全部 昔々また昔。

いや マジメな話、まずは手始めにと「鬱」の字は、今度なんかの時にはちゃんと書けるようにと調べてみました。まぁまぁややこしかったのですが、そんなことよりも「体に元気、ウコンの力っ!」あのウコン、「鬱金」と書くのだそうです。すっかりカタカナのウコンに慣れてしまっていますが、漢字で書いた方が効きそうに思います。

そして「鬱金香」 読みは「ウッコンコウ」。意味は「チューリップ」とのこと。「咲いた、咲いた チューリップの花が~♪」と気安く歌いましたが、チューリップの格が上がりそうです。(笑)

「諳んずる」
最近は「そらんずる」なんて言わなくなったと思いますが、小学生の頃、九九を覚える時に2×9=18(ニクジュウハチ) 3×8=24(サンパ~)と計算云々よりも先にソラで言えるようにと「音」で覚えたものです。改めて「諳んずる」とは意味も通り、覚えやすい漢字だなと思うわけです。ちなみにパソコンで「諳んずる」すぐ出ます。

こんなふうに できの良い漢字を挙げていれば切りがないわけで~、昔の人はちゃんと考えて漢字を作ってくれたんだなと改めて思います。

先日、「キョウ」と音読みする字をパラパラと辞書で調べていました。ネットなどと違い 目当ての漢字に最短でアクセスというわけにはいきませんので、調べている間 目がふらふらと寄り道をします。途中のページに「胸」という字も載っていて、「あぁ 確かに胸もキョウと読むよな」。 でもこんなわかりきった字に用事はありません。

~と思いきや、 改めて見てみると「胸」の中には「凶」という字があることにハッとさせられました。文部科学省的に言うなら胸の中には「心」があってもよさそうなものですよね。なんで「凶」?

面白いなあと思い 自分なりに考えてみたのですが、多分 人はみんな悩むもの。「相手を羨んだり、妬んだり、腹を立てて怒ったり、こういった感情になるのは当たり前。だって胸には元々「凶」が宿っているのだから。こういった気持ちになることが悪いのではなくて、こんな時、気持ちのバランスをどう取るのかが 大事なんだよ」と、先人が言ってくれているのかなと・・・。

でも調べたら実は、昔中国では人が亡くなった後、死体に悪霊が入りこまないようにと、×の印を胸に付けたそうで、そこからこの字が生まれたようです。・・・失礼いたしました。